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台湾進出から学んだこと
2020年4月。
コロナで日本に緊急事態宣言が初めて出た頃。
日本中の人々が、世界中の人々が、これから世の中がどうなるのか誰も知らなくて、わからなかったとき、
私たちは、ただひらすらに児童労働問題をこの世界から無くすため、
生まれた環境のせいで、“勉強したいのに働かなければいけない。”
そのような子どもたちを0にするため、
児童労働問題を無くすことに対して、動き続けることが自分たちの役割だと信じて、
Haruulalaとして初めての海外進出を決めた。
スタートしてからもう1年。
今日は海外進出1ヵ国目<台湾編>で見えた、事業としての学びをまとめました。
やっておけばよかったこと4つ
①市場調査には時間をかけてもいい。ここは焦らず、じっくりと。
人口や統計という大きなデータからだけではなく、
自分たちの商材にはどれくらいの市場規模があり、
どれくらいのニーズがあり、
どれくらいの売上を見込めるのか、
どんな競合商品が現在選ばれているのか、
を、自分の目と耳と感覚と、客観的な意見やデータから集める。
→実際のヒアリングはできれば10人。話だけではなく、オンラインショッピングの様子を画面共有で見せてもらったり、実際にもらった出産祝いを写真を撮って送ってもらうくらい事実に基づいたもの。
→マーケティング会社に問い合わせたり、すでに進出経験のある人に経験談を聞く。
→スピード!に焦り、“とりあえずやってみよう!”は、通用しない世界。新規事業を立ち上げるくらいの慎重さで、プランやマーケティング戦略を練る。
ここでしっかり市場調査をしておくことが、事業が走り出してからのスピードに直結すると知るのは、私の場合、商品販売をスタートさせてからでした。
それだと、売上が立たず、固定費だけ出ていく時間が出てしまうのでもったいない!
②マーケティングプランはKPI(数値)まで設定する。
施策ベース(To do)でマーケプランを考えるのではなく、
施策を行った先に、追う数値(KPI)や得る効果まで数値化しておく。
→ここでどれくらい解像度をあげられるかが大切。
もうすでに商品があるのであれば、ターゲットの人に実際に商品を見せたり、見積もりをもらうのもあり。
台湾でキーポイントであったのは“Googleの検索ボリューム”。
広告を施策の戦略に置いていたのなら、検索ボリュームを細かくみておくべきだった。
③施策の効果は数値で判断。その施策は効果を数値で表せるのか?
施策の効果は基本、全て数値を元に判断する。
逆に、数値の取れない施策はしない。
中国?アジア系?のシステムあるあるかもしれませんが、私たちは世界でも一番数値や根拠に厳しい会社なのかもしれない、、と思うほど、、台湾の使っていたシステムではログが取れないことがしばしば。。
費用対効果がはっきり出せなかったり、効果が数値で出ない施策は走り出すことはできても、続ける判断をすることが困難でした。
割りきりと、システム系はどれくらいログが取れるのか、明確にしたうえで判断することが大切。
またログや数値にならない施策は、成功の定義や失敗の定義を決めて、ズルズルやらないラインを決めておくべき。
④市場を取りたい!という理由で海外展開を進めない。
私が一番反省をしたこと。
当初の私は、バングラのため、とにかく販売着数を伸ばすことしか考えてませんでした。
でも、ブランドが海外展開をするということは、
その国で認められるブランドになるということ。
商品力・ユニーク性・サービス力。。etc...
すべてにおいて、ブランドとしての世界観や商品を通してお客さんに伝えたい思想が大切になり、それを認めてもらったときにはじめて、
海外進出を果たしたといえるのかもしれません。
→当初、販売代理店を見つけるか、自社で海外進出を進めるか、とても悩みました。
今は、販売着数のみを大切にするのであれば代理店、
ブランドの世界観や思想も同様に大切にしたいのであれば自社、
という風な答えを私になりに出しました。
いずれ、ブランドを大切に想い、より販売着数を伸ばす上で、お互いに一緒にやりたいと思うパートナーさんに出会えたら代理店を考えるかもしれませんが、これが現在の結論。
今回の台湾進出は、全て自社でやりましたが、
海外進出で押さえたいポイントや、逆に任せても結果は変わらないと思える部分も見つけられたので、まず自社で経験できたのはこの先を考えるとよかったのかもしれません。
チャレンジの中で見えたよかったこと
①失敗のコストを最小限に、撤退時期を決めたこと。
選んだモールは手数料ゼロ。在庫リスクを持たずにできる直送モデルを選択。
ズルズルと支出を増やさないために、台湾へのマーケティング費用予算と黒字化期限をもらいました。
→失敗はできるだけ小さく、その分限られた予算でたくさんチャレンジするのは、勝ち筋を見極める際にとても大切。
②全て考えられるマーケティング施策にトライできたこと
最初から考えていた広告やKOL施策、、
予算や規模を考慮して、できるものには全てトライをしました。
→私が台湾から中国へと取り組むプロジェクトを変える、
つまり“台湾を辞める”決断ができたのは、全てのことをやりきった結果だったから。
人が“やめる決断”をできるときというのは、きっと、全てをやりきった後の景色が見えたからなんだと、台湾を通じて考えられるようになりました。
③現地人のパートナーをすぐに見つけることができたこと
現地人パートナーは、言語面だけでなく、私がきっと数年をかけても手に入らない“現地人としての感覚”を持っています。
そのことに開始1ヶ月で気づき、すぐに台湾人の友達に片っ端から連絡を取りました。
今回は台湾人であり、現地在住、
そして私にはありがたいことに、日本語の読み・書き・漢字・MTGなどの話すことにおいてのコミュニケーションにほぼ問題がなく、
台湾での社会人経験を持つ現地パートナーに出会えたことが、
私にとってとても幸運だったことだと思います。
現地人の感覚がわからないブラックホールには、きっと誰しもが通る道だと思うので、
できればアルバイトや業務委託でもいいのでJoinしてもらったり、すぐに質問できる友達が近くにいると心強いと思います。
(毎週訳してもらっているお客様からのレビュー。レビューが写真つきなので、きれいな状態でお届けできていることがわかって安心。)
海外進出を通して見えた、世界に通用するブランドとは。
会社としては、日本でたくさんの新商品を出して、1人のお客さんにたくさんの商品を買って頂く。
そんな事業の伸ばし方もあったかもしれません。
でも、1ベビー服ブランドとして、世界に出て、自分たちをより客観的に見ることができたことは、
ブランドとして、ものづくりをする工場のみんなにとって、とても大切なチャレンジだったのではないかと思います。
◯台湾でも、Haruulalaの強みである、デザイン性やギフト屋さんとしてのBOXへのこだわり、環境に配慮したものづくりという姿勢を評価してもらったこと。
◯日本で大人気の名入れ刺繍が、台湾でも大人気だったこと。
(約90%が名入れ。簡単な漢字の名入れにも対応しています。)
◯品質や縫製のクオリティが繊細で綺麗と、工場のみんなのものづくりを認めてもらったこと
◯日本でも大切にしているカスタマー対応が台湾でもたくさんのお客さんに評価してもらえたこと
このチャレンジしなかったら見えなかったHaruulalaの強みがきっとこれからもたくさんのお客様に愛され、
“失敗”から学んだことを活かすことで、より多くのお客さんに出会えるチャンスをもらえたのだと思います。
(人気の名入れサービス。名前の他に、日付や両親の名前を入れることも。)
これからは世界一の大きさを誇る中国市場へのチャレンジ!
台湾進出を“失敗”とするのか、“学び”とするのかは、これからの私が結果で証明する番だ。