【エッセイ】「私は会社員、動物園に勤めています」 vol.3
どの会社にも「局」は存在する。
キーパーソンとなる人物で、部長とかグループの長の位置ではなく、課長とかリーダーとか、サブ的な立場であることが多い。
上の者に対しては、何かと言えば手土産、美味しいお店に連れて行くなど、昭和リーマンの接待と自らのアピールが凄まじい。
対して下の者の場合、まず見た目が可愛いのは男女問わず優しくするが、普通以下の者には自らの好みで対応を変える。少しでも気に入らないことがあれば、何かと理由を付けては、上の者に告げ口するのは必須である。その手段は恐ろしくえげつなく、とにかく利口である。
動物園でのキャラクターで言えば「猿」だ。
人間並みの賢さは持ちつつ、人間並みの繊細さや優しさは持ち合わせていないし、分からない。
決して茶化す、微塵も戦闘態勢を見せてはならない。無関心という態度もNGだ。
どれだけ嫌いでも同じ昭和リーマン体勢で望まなければいけない。自分に付いてくると見せた者には恐ろしく甘やかすからだ。
この対処ができないようであれば、兎にも角にも気配を消す。
これに尽きる。
それでも猿は目を光らせて周囲を観察している。
消した気配を浮かび上がらせることすらできる。
万策尽きた場合は、新しい動物園に転園しよう。
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