『A WORLD OF THIEVES (James Carlos Blake /Perennial )』、音読了。
邦題は、『無頼の掟(加賀山卓朗[訳]/文春文庫)』。
ジェイムズ・カルロス・ブレイクの描く、犯罪活劇。
あらすじ:
舞台は、禁酒法時代の、アメリカ南部。
強盗として生きる、叔父二人に憧れ、少年ソニーは、やがて、彼らと三人での盗賊団となっていく。
しかし、拘置所で、誤って警官を殺してしまったソニーは、脱獄後も、その父親、ジョン・ボーンズに追われることになるのでした。
読まれる前に、お伝えしておきたいことは、以下の二つです。
1.復讐鬼は追ってくるけれど、復讐モノ、ではありません
昔のアメリカの話なので、当然、ケータイなどもなく、ジョンから、「お前たちを殺す」という電話がかかってくるようなことありません。
彼は、あくまで、ソニー達の強盗生活に変化をもたらす存在として、機能するのでした。
2.邦題の、”掟”に引きずられないように
原題からわかるように、別に、ギャングの掟(マフィアのオメルタとか)があるような話ではなく、叔父二人が、「犯罪を犯さないのは、奴らに勇気がないだけだ、ここは、オレたち盗賊どもが跋扈する世界なんだぜ」と、言言い放ち、ソニーと日々、愉しく強盗するものの、そんな生活は、いつまでも変わらず続くようなものじゃない。
・・・・・・こういった世界観の話なのでした。
銀行を主な目標に、銃を手に、車を用いて、次々に、強盗を行い、その金で、自分の女と遊ぶ。
取引する相手の身分は、密造酒場、石油業者と、禁酒法時代の米国南部ならではの者たちばかり。
そんな、”勇気のある”生き方を続ける、彼らの様子を、
時折、挟まれる、ジョンの苛烈な拷問&追跡シーンに戦慄しながら、
愉しんで読んでいく、そういう本でありました。
終わり。
追記:
叔父二人が口にする、英語のジョークが、結構面白いので、
是非、辞書を引きながらでも良いので、読んでみてください。