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「本」と「読書」の魅力(1)

私たちが、よみきかせボランティアをする理由は…。
もちろん、本が好きだから。
合わせて、それぞれの立場から「本」「読書」への熱い想いがあります。
そこから、選書がはじまり、その本の魅力が、みなさんの心へ届くといいなあと願いよみきかせしています。
ここでは、私たちが、「本」と「読書」について、気づいたこと、学んだこと、心に留めていること等々、いろいろと語りますね。


幼少期における読書の効果


まずは、「本に親しむ」が基本です。
次に、筑波大学付属小学校教諭である白坂洋一氏によれば、幼少期における読書には次のような効果があるとされています。

幼児から低学年の時期は、文字を追うのではなく、挿絵を見ながらよみきかせを通して想像力を高めていきます。それによって言葉を獲得していくのです。

白坂洋一『子どもを読書好きにするために親ができること』小学館、p.75


読書によって得られるこれからの時代の「教養」

小学校司書は、「学校教育と本」という環境で仕事をしています。
これまでの学校教育は、算数の問題が解けたりするなどの知識を中心としていました。
現在では、非認知能力を高めることが重要であるという考え方が、学校教育の中で移行しつつあります。
このような流れを把握しながら、子どもたちへ本を手渡していくことが、小学校司書の役割と考えています。
私(小学校司書)にとって、「小学生と読書」とは、永遠の課題です。もしかして適職ではないということかも⁉(笑) そのため、白坂先生の著書に学ぶところが多く、心の支えとなっています。

そもそも教養という言葉には、知識よりも、もっと深い意味が含まれていると考えるべきと思います。(略)読書を通して得られる「教養」とは「情報を選択しながら、それらを結びつけて活用し、考える能力」だと理解しています。(略)
自分が持ち合わせている知識、意見に固執してばかりいたら、いつまで経っても井のなかの蛙で、物事の本質は見えません。
その状況から脱するには、他者の存在が必要です。他者と言葉を交わすなかで、自分の考え、問いに対する答えを見つけ出すことが求められているのです。それらを経て得られた知識が「教養」となります。
これからの時代、子どもたちにはここで定義されている「教養」を身につけさせてあげるべきでしょう。それを可能にしてくれるのが読書なのです。

白坂洋一『子どもを読書好きにするために親ができること』小学館、p.119~120

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