ととと。

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最近の記事

『平和な日常』

ベランダのハンモックで本を読んでいた彼が、 台所の私のところにやってきた。 「ここ、見て」と、私に本を見せる。 「『それから、美味しそうなロールケーキを食べた。』と書いてあるやろ? これ読んでロールケーキが食べたくなったんよ。」 と、お腹をさすりながら、彼は去っていった。 今日は、ロールケーキを買おうと思った。

    • 「テスト」のはなし

      その施設は「天使園」と呼ばれていた。 私はその頃、関東の小学校から来た転入生で、 初めて耳にした「天使園」とは何なんだろう?と、不思議に思っていた。 身近な人は、 そこに大きくなって子どもが着れなくなった洋服を持って行った、と話していた。 同級生からは、 親と食事に出かけたとか、親とデパートに行ったとか話したら駄目、 と言われた。 特にそこで生活している彼らに違和感を覚えたことはないけれど、 忘れられない出来事はあった。 ある女の子は、返ってきた答案の「×」を適当に「○

      • 『消えない月』

        読み終えたあと、しばらくの間 動けなくなる本だった。 その出来事が人によって たいしたこと、であったり、 たいしたことではなかった、り。 大学からの帰り道、駅近くのコンビニの前で 彼女は声をかけられた。 無視して通り過ぎると、 「無視かよ、、、」と 聞こえるか聞こえないかの声でブツブツ言われながら、 後をつけらた。 人が溜まっているところを通り過ぎたとき、その声は聞こえなくなったが、 とにかく怖くて彼女は家に電話をかけた。 彼女は髪型を変え、同じ洋服を着なくなった。 し

        • 『真夜中の子供』

          辻仁成の『真夜中の子供』を読んだのは一昨年。 その後、一年もたたないうちに、 毎日彼のブログを読むことになるとは思いませんでした。 『真夜中の子供』は辻仁成の本だったので、 覚悟して読みましたが、 続きは気になるのに溜息ばかりで、次に進めず、、、 といった感じでした。 福岡の中洲が舞台の無国籍の少年の話です。 確か、、、映画化することが最初にあって書かれた本だったと思います。 その撮影も始まっていたようですが、 新型コロナの影響で公開が延期になったということでした。 去

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        • 本の話
          4本

        記事

          『愛されなくても別に』

          吉川英治文学新人賞の『愛されなくても別に』を読んだ。 私は知らない作家さんだったけれど、彼は 「名前は知っている。読んだことはないけど」と話していた。 今回、この新人賞は2人の方が受賞されていて、 もう一人は『オルタネート』の加藤シゲアキさんだった。 『愛されなくても別に』は大学生、 『オルタネート』は高校生たちの話だった。 どちらの小説も、親との関係、そのかかわり、がでてきた。 私なら 踏み込んだ知り合いには『愛されなくても別に』を、 知り合いには『オルタネート』を薦

          『愛されなくても別に』

          並行して本を読むこと

          私は複数の本を並行して読む。 そのまま読み続けるのが不安な本が紛れていて 私はどんどん読み続けるのが辛くなる。 頭の中の想像が話の展開を作ってしまって、 苦しくなって、私は本を置く。 だけど、大抵は私の頭の中の想像の方が絶望的なので、 読み終えてみても、それ以上に悲しくなることはない。 彼女に『あひる』を薦めたら、 「今村夏子の本は元気なときに読みたい」 と、言われた。 正しい返事だった。 『あひる』(今村夏子・著)

          並行して本を読むこと

          頑張ったスキャン

          パソコンにいろいろ入れてもらって 絵をスキャナーで読み込めるようになりました。 慣れるまで大変そうです。 一番最初に手に取った絵を読み込んでみました。 『宇宙』と題した作品の中の一枚です。 水彩絵の具で描いています。 アイコンの絵も同時期に描いたものです。 あの頃は本当に毎日毎日描き続けていました。

          頑張ったスキャン

          「はじめまして。」

          はじめまして。 ととと。と申します。 今まで外からnoteを読んでいたのですが、 また読みたい!と思うものがいくつもあって、 「♥️」を押せば見たいときに探せることを知って、 noteを始めることにしました。 私もちょくちょく書いていければいいな、と思っています。 メモのような文章を書きたいです。 よろしくお願いします。

          「はじめまして。」