夢に描いた21世紀が叶う日は
4月7日の記念日【鉄腕アトム誕生日】
手塚治虫先生の代表作ともいえる鉄腕アトム、その主人公アトムの誕生日が2003年の4月7日とされています。これはマンガ鉄腕アトムの連載が始まったのが1952年の4月7日のことで、作中でその半世紀後にアトムが誕生する設定となっていたことに由来しています。現実の2003年の誕生日には各地で関連イベントが行われました。
手塚治虫先生や、藤子不二雄先生が描いた21世紀は、SFではあったけれども、あの頃のどんどん進化していく社会の様子を考えれば、それは決して物語だけのものではなかったはずです。実際にその進化は世界を見渡せば、マンガに描かれた世界に近い町が作られていたり、当時の想像では考えもつかなかったような便利な道具も出てきています。
しかし、現実にはアトムは誕生していません。それを阻んでいるものは何なのか、子どもの時には見えなかったものが大人になって見えてきます。
科学の進歩が全人類に恩恵をもたらすものであるはずなのに、その恩恵を独占しようとする欲、富の偏り、権力による阻害。道徳・倫理を大義名分とする、人間の存在定義を超越しそうな技術への抑止など、大きな目で見てもその要因はいくつも上げられます。
同じマンガの作品ですがいっそドクターストーンのように、科学者の進歩を追及する事へだれも歯止めをかけずに全人類が共通目標としてその歩みを進めることに集中すれば、アトムの誕生日は現実になったかもしれない。
私たちの今がこれからがどれだけ変化していくのか、それとも変わらないままなのか。この半世紀はそれを明確に示してくれているような気がしてなりません。
アトムがいつか実在するような未来が、訪れるといいなと願います。