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2022年11月27日
扉を開けると、尊敬する先輩が、
素敵な赤のドレスを纏って、
にっこりとほほ笑んでくれた。
日曜日の午後、お招きして頂いたシャンソンのライブは、
開始時間より30分早くついて、
「まだ耳ふさいでてー。」と、
はにかみながらそう声をかけてくれる先輩に、
「聞いときますー。」と、
こちらも笑顔でリハーサルから居させてもらう。
先輩にとっては6年ぶりのライブで、
癌に打ち勝ち、自信のケガにもくじけず、
力強く生きてきた彼女にとって、
それは生きていることを全力で歌声にのせているようで、
リハーサルが始まって「これは初めて歌う歌だから。」と、
流れてきた相棒さんのピアノのイントロは、
大好きな、自分がおそらく人生で一番大好きな映画で使われた曲。
紅の豚、ホテルアドリアーノのマダムジーナが歌っていたあの歌。
サクランボの実のなる頃だ。
歌い出した先輩の声は、マダムジーナにそっくりで。
素敵な時間はそこから2時間、あっという間の楽しい時間だった。
つらいこと、きついことがたくさんあった一週間。
つらいこと、きついことがたくさん待ってる一週間。
でも、その週末にこんな時間をもらえたなら、
明日もきっと頑張れる。
笑顔できっと足を踏み出せる。
ありがとう。