2022年11月14日
期待外れだったらしい。
夏の終わりに、人が途中欠員で困っているからと声をかけられて、
悩んだが、今きつい思いをしているのが一昨年相棒だった親友だったのが、
分かっていたから、まだ療養を続けたいと思いながらも、
覚悟を決めて話を受けることにした。
学校現場への復職が、上手くいくのかどうか。
不安で押しつぶされそうな気持ちを、ぐっと飲みこんで。
以前のように働けるよう頑張れるだけ頑張ってみよう。
そう思って向かった赴任先は、
正義が踏みにじられて、特定の人間の僕力暴言がまかり通る教室で、
苦しそうにしている大勢は、助けての声も誰も受け取ってくれないと、
もうその環境にあきらめるしかなくなっていた。
環境の状態を測るのにひと月、その間にあきらめていた子ども達に笑顔を少しずつとりもどしていきながら、
傍若無人な者どもには徹底的に厳しく指導していく。
そうやって二か月ほど、精いっぱい頑張ってきたつもりだった。
が、正直期待外れだった。という言葉をはっきりと言われた。
なるほど、来てもらったことへの感謝も、
大変な状況を一人で受け持っている事への敬意も、
病気では快癒していない状態で臨んだ覚悟をくみ取る気持ちも、
無かったわけだ。
都合の良い駒使いができる人間を、上手くだましてあてがったというわけだ。
思惑の底意地にある傲慢さと独善さを、
はっきりと感じた今回の仕事を、
親友の助けが終わってまでも受ける義理はない。
今の契約が終わったら、契約の更新は行わない。
心にはっきりと刻み込んだ。