そこに込められた意味は、子々孫々への願いでもあり。
9月19日の記念日【苗字の日】
1870年の9月19日、戸籍整理のため、「平民名字許可令」の太政官布告が行われ、平民も名字を名乗ることが許されました。しかし、それまで名字を名乗るのは貴族と武士だけの特権だったこと、発足直後の明治政府への信用が低かったこと、国民の識字率が低かったことなどの理由から、名字は浸透していかなかったそうです。そこで1875年には、名字を義務付ける「平民名字必称義務令」を布告したといいいます。
ともあれ、当時の人たちは、この国で起こった革命が、
武士の時代の終わりが、果たしてどんなものだったかを、
正確に知る人はまだ少なく、名字を付けたら税金を取られるぞ、などの噂も流れたとか。
現在の日本人にはすっかり当たり前のものだと思われているであろう苗字は、
実は多くの人にとっては、かなり近い昔に付けられたものだったのです。
自分のルーツを知りたいという番組もテレビではありますが、
そういうときも、まずは苗字から生まれ故郷を探っていくように、
苗字にはそれを苗字にしようと決断した時のご先祖の思いが込められているように感じます。
未来につながる自分たちの子孫も含めて、
どんな一族であってほしいという願いは、
すっかりなじんで、違和感も感じなく普通のものだと思うようになった今でも、
その願いをつなぎ続けているのかもしれませんね。