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映画負債を解消したら…(師走篇)

DEBT でぶと?
なんて読むの? デットです。
借金とか負債という意味ですね。

『そんなの覚えられないよ。
明日単語テストなんだけど、なんとかならないの?』
とは娘のポコぞうの言葉。

う~ん、そうだな。デット、でぶと…
でぶと借金」ってどうだい。

”太った人は怠け者なので借金がある”
とこじつけてみる。
(注:個人のこじつけです。
すべての太った人が怠け者で借金があるわけではありません。)

その証拠にほら!タイトル画像の人は痩せていますよ。

これは昔、むかしのトトム高校時代にもてはやされた
英単語連想記憶の方法論を借用したもの。

未だに覚えている傑作連想法とは
barbarous(ばーばらす):野蛮な、残忍な。は?
おばあさんを殺しているイラストとともに
ばぁばらす、野蛮な、残忍な!”である。

なんともグロい!出版禁止にならないのか⁉
もっとホンワカするのはないのか?

algebla(あるじぶら):代数
磯野波平みたいなオヤジが、本と鉛筆を持って庭に立っている
あるじぶらぶら、代数を解く”
なんとも高尚なご趣味で!

こんなんで良いならトトムももう一丁!
consist(構成)、compose(構成する)
どっちも似た意味だな。まとめて覚えられないか?

”コンビニの本棚は、ほぼこんな写真集で構成されている。
このシスター(こんしすと)、このポーズ(こんぽーず)”

パイレーツは姉妹ではないが、勘弁してもらおう。

ちと苦しいが、インパクトは十分だろう。
ついでにポコぞうにはパイレーツの”だっちゅうのポーズ”も教えてやる。

その後、よせばいいのにポコぞうは学校で
consist、composeの覚え方をご披露したらしい。

友達の反応は?
「ポコちゃんのお父さん、大丈夫⁉」


第1章 返済計画

ずいぶんと久しぶりの投稿ですが
一応、前回記事『文化の日に芸術などいかがでしょうか?』の続編です。

初体験の東京国際映画祭で、
普段日本で公開されない製作国の映画や
見た事がなかったジャンルの映画に触れたのですが
その他に今まで行った事も聞いた事すらなかった映画館を知りました。

ヒューマントラストシネマ有楽町
角川シネマ有楽町
有楽町よみうりホール
丸の内ピカデリー

特に最初の二館はテアトルシネマグループとその提携館でして
そこでゲットしたチラシで目についたのが
『五香宮の猫』

再掲。猫の目インパクト大!
だけどこの子は撮影後、映画公開までに亡くなっちゃったらしいのです。

上映館はヒューマントラストシネマ渋谷
東京国際映画祭の舞台、有楽町エリアから飛び出しました。

そして渋谷でゲットしたチラシからも、
どんどんと映画館の輪が広がっていく。

同じ渋谷にあるシネマ・イメージフォーラム

またまたテアトルシネマグループが登場して
テアトル新宿
シネリーブル池袋

こちらの映画館でチラシを取れば、
あちらの映画館で上映する映画の情報まで載っている。

といった具合に連鎖反応的に、
はたまたドミノ倒し的に情報が得られるのです。

そうそう、一つ新鮮だったのは
これまで映画というのは公開日になれば全国の映画館
一斉に上映されるのかと思っていたのですが
こういうところで上映されるマイナーな映画の多くは、
東京エリア内で2館とか3館のみの上映で
その映画を見るためには、
上映している映画館の情報が必要になるのです。

で。取り貯めておいたチラシを、東京国際映画祭で培った(?)嗅覚で
見るものと見ないものに整理してカレンダーに公開日を記載してみる。

東京国際映画祭が終わったあとにも、マイナー映画に狙いを定め、
チョコチョコとは映画鑑賞に行っていたのですが、
11月末の時点(そう、”今”は2024年の11月末です)で、
観てみたい作品を数えてみると…

手帳に書いたものをExcel化してみました。

やばい、“過去の領域”に見てみたいけど見ていないものが
残っている。
そしてこの週末(11月29日、30日)にも
“待ってました!”的なものが、まとめて公開になるのである。

しかも、11月30日(土)、12月1日(日)は
神戸へ帰って家族と過ごす予定です。

これは!
映画負債である。鑑賞の借金というべきなのか。

気合を入れて返済計画を立てねば。

もはや土日だけで観ていては追いつかない。
レイトショーでの上映があるものは
出来るだけ平日のレイトショーで見て、
週末は、綿密なるスケジュールを立てて映画はしごを計画する。

先ほど述べました通り、
この映画はこの劇場、あの映画はあっちとそっちの劇場と
上映館が限られるので
上映時間だけでなく上映館の位置関係も把握し、移動時間も計算しながら、
続けて効率よく鑑賞できるパターンを見出す作業が大変なんです。

2時間くらいの上映時間と映画館と映画館の移動時間を考えると
1日2回上映があっても、その2回とも
見事に他の映画と時間帯がかぶったりして、
あちらを立てるとこちらが立たず!

ところが土曜日と日曜日で微妙に上映時間が違ったりして
土曜日ではダメなパターンが、日曜日ではOKとなったりするのである。
(それでも、一日3本鑑賞するのがせいぜいですが。)

なにせそれほど繊細な調整が必要になるので、
水曜日くらいにその週末の上映時間が発表になってはじめて
具体的な計画が立てられるわけです。

実はこの計画を立てる前から現代中国映画祭というものを見つけて
11月の最終週は2回ほどレイトショーで中国映画を鑑賞しているのですが、
12月第1週もレイトショーからスタートダッシュをかけましょう!

まずは、何はなくとも12月7日に『野球どアホウ未亡人』という
映画を見る事は既に規定路線です。

フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞に
最多8部門でノミネートされた『動物界』という映画があるのですが
ヒューマントラストシネマ渋谷に観に行った時に、
館内に掲示している『野球どアホウ未亡人』という
度肝を抜くタイトルのポスターを見掛け、
そのキャッチ―(ちゃっちぃ)なビジュアルと『来てね♡』
というサインにどうしょうもなく心が動かされてしまったのです。

すげぇ、どうしょうもなくすげぇ!



もうこのタイトルだけで面白いに違いない。
調べてみると12月6日公開ながら、
12月7日土曜日に主要な俳優さんが登壇する
舞台挨拶付きの上映があるのだ。

その回の予約が12月2日月曜日19:00から
ヒューマントラストシネマ渋谷の
インターネット予約サイトでオープンする。

わかりますか? 
月曜日の19:00とはなんとも微妙な時間なのです。

仕事は確実に終わっているが、単身寮の自室に着くかどうかな?
という微妙さ。

なぜならば、その前の週末は神戸の自宅に帰っており
月曜日の朝一番のフライトで帰京。
羽田空港からそのまま出社である。
いくら朝一番といっても会社に着くと9:30過ぎ。
フレックス勤務だし、うちの部門の唯一の単身赴任者ということで、
その辺は暖かい目で見てもらっているのだが、
さすがに17:30でハイさよなら~(実働時間6.5時間
というのではどうにもバツが悪い。

8時間に満たないながら18:00まで頑張るとして
ドアtoドアで1時間くらいはかかって、
自室到着は19時を過ぎるということなのである。

そう、舞台挨拶付の上映は作品にもよるけど、
競争が激しい事が予想されますので、
良い席を取るためには予約サイトオープンと同時に
アクセスを仕掛けることが大切であり
電車の中や歩行中というのは避け、落ち着いた環境が必要なのだ。

う~ん、
『間に合わぬのなら、遅れてしまえホトトギス』

下手に家路に着くから間に合わない可能性があるのだ、
19:00の時点で帰宅途上でなければ確実です。問題はどこで?

それを念頭のおいて12月2日月曜日(これが映画負債返済計画初日)
の計画を立てる。

もともとレイトショー攻撃を仕掛けていくぞ!と思っていたのですが
やばいやばい、安易に18:00台上映開始の映画などを選ぼうものなら、
野球どアホウの予約が後手に回るところであった!

20:00上映開始くらいの映画を選び、19:00はどこかレストラン
晩御飯でも食べながら優雅に予約ボタンをポチポチと押すのがよかろう。
で選んだのが『JAWAN』というインド映画。

予約完了してから気付いたのがその終了時間。
23:00! え?終わるのが夜11時

上映開始時間は間違ってないよね!やっぱり20:00だ。
上映時間が3時間もあるの?

そこから帰ると部屋に着くのが24時前ということなんですね。

第2章 最初の1週間

12月2日月曜日 チャラ男の日

『JAWAN』
インド映画です。
インド映画と言えば『躍るマハラジャ』以来有名になったダンスシーンと
男気モリモリ、熱気むんむんの派手なアクションが売り。

以前アマゾンプライムで見た『RRR』も
もう熱すぎるくらい良かったのだが、もう少し違ったものが見たい。

今回は、キャッツアイさながらの女性キャラクターを含んでの
大アクションということで栄えある返済計画1作目に
『JAWAN』を選んだのである。

結果から言うと期待以上の出来で、
3時間という長さもまったく飽きさせることなく
ずっとドキドキしながら見終わりました。

チャラ男の存在も大きい

チャラ男。私の中では”チャラい男”という事ではなく
“チャラ男“は固有名詞なのである。

この映画を見る前、たまたま会社の同僚との話で
『Sさん(私の知らない上層部の人)、うちの会社で
Aさん(私の知っている上層部の人)と並んで
チャラ男2トップなんですよね。』

あぁね。Aさんか!確かに確かに。
流したような髪型といい、いなせな服装といい
良い大人の社会人にあるまじき、明るい黄褐色の革靴を
愛用しているところといい
確かにチャラ男だ!

すごくいい人なんですけど、
そういわれるともう”チャラ男”以外の形容詞が浮かばなくなる。

で『JAWAN』の話ですが、その主人公。

最初は変装をして列車をハイジャックする。
場面が急に変わり、次は女子刑務所の所長を務めている。

受刑者全員から慕われており、
刑務所の式典で素晴らしく殊勝な挨拶をするチャラ男。
これって絶対裏の顔が有るにちがいない。

絶対悪党だと思ったら、大真面目にカッコ良い男(のつもり)らしい

無いんです、本当にいい人なんです。
情に厚く、正義を貫く熱血漢!
でもチャラ男なんです。

主人公を演じる俳優にも、きっと映画監督にも
そのつもりはなく、ただカッコ良い男を演じているのでしょうが
髪型、服装、表情、立ち振る舞いのすべてがチャラ男

チャラ男の神髄!

そしてその風貌が、うちのAさんと重なり、
もうおかしくてしょうがない。

チャラ男映画バンザイ!

12月3日火曜日 ピンクでなくてもゾウは象!

クライマックスとしてゾウのパレードで終わるイタリア映画。

折角なので映画館の雰囲気ごと写真に封じ込めました?



一体何を見せられたのだろう?一瞬ポカンとしてしまうその映画は
何をかくそうナンニ・モレッティ監督の『チネチッタで会いましょう。』
(なにも隠してないけれど)

ナンニ・モレッティ、監督の苦悩と映画愛、そして再生を温かくユーモラスに描く最新作「チネチッタで会いましょう」 自身が演じる主人公は「私の分身」
ナンニ・モレッティ監督50年のキャリアの集大成となる最新作は、時代の変化についていけず、真ん中にいると思っていたらはみ出してしまっていた映画監督が、失意の後に大切なことに気づくというヒューマンドラマ。
フェリーニやキェシロフスキ、スコセッシなど映画へのオマージュ、また自身の過去作品を引用して、変化の激しい世界に適応することの難しさをユーモラスに描きだす。
苦境に陥っても人生を肯定する温かな物語が絶賛されイタリアで大ヒットを記録。
終始笑えるコメディタッチでありながらも、作家性と娯楽性とを見事に両立し、独特のユーモアとやさしい眼差しが観客の心を掴む、モレッティ作品の魅力が満喫できる作品に仕上がっている。
本作を製作するに至った経緯については「自分は監督であると同時にプロデューサー、俳優、観客、映画館の支配人。だからこそ、映画についての映画を撮りたかった。ジョヴァンニ(この映画の主人公で役どころは映画監督)の映画には誰も興味がないかもしれないが、彼は映画に対しての情熱がある。そこを描きたかった」と、映画監督としてだけではなく、様々な視点から映画を見つめ続けるモレッティ監督ならではのアイディアだ。

映画.com

けっしてみんなに嫌われるような意地悪ではないが、
とにかくマイペースな映画監督ジョバンニ。

自分の監督する映画に対してこだわりにこだわり、
ナチュラルに周りの映画スタッフ達を混乱の渦に陥れます。

”周りの映画スタッフ”にはジョバンニの奥さんも含まれる。
なにせ奥さんもジョバンニほどの巨匠ではないが、
映画監督なのですから、ジョバンニの被害を受けない訳がない。

むしろ一番の被害者は奥さんで、
中盤ジョバンニは、『もう、あなたには耐えられない』と
奥さんから離婚を切り出される。

原因は一つや二つではないのでしょうが
決め手は、その奥さんが他の監督と共同で撮影している映画の現場に
たまたま立ち会った時。

あと1ショット撮影すれば撮影完了という時に
ジョバンニは”ラストシーンはこれではいけない”とダメ出しし続け、
半日も撮影をストップさせるのですから。
(ここが一番この映画で面白かった所かな?)

あと特に誰に迷惑をかけたわけではないが、
ジョバンニ自身が撮影する映画の主演女優が
撮影所にミュールを穿いて来るのが我慢ならないんだそうです。

This is ミュール!知らんかった。

なんで?
ジョバンニ曰く、爪先を隠したらかかとも隠せ!
このバランスを欠くミュールは、
スリッパのようなもので、外に穿いて来るものではないのだそうな。

しかし言動が奇異なだけで、
映画に関しては必ずしもおかしな事を言っている訳ではないんだな。

少なくともネットで映画評を検索して出てくるような
”周りからずれている”というわけではない。(映画監督の手腕として)

監督が俳優やスタッフの言う事をいちいち採用していては
誰の映画かわからなくなる。
即興で演じるのも良いが、採用するかどうかは監督の判断次第なのである。

特に考察するべきと思うシーンは
撮影で使う小道具の新聞の見出しが長い、
と小道具の作り直しを指示するところ。

『長いとおっしゃいますが、実際の新聞にあった見出しですよ!』
とスタッフは説明するのだが
ジョバンニは、『自分の映画の中では、実物通りものはいらない。』
と頑として譲らない。

これなどもジョバンニが”はみだしている”ということを
描写する場面の代表なのです。

でも、”どうせ”新聞の見出しなんかチラリとしか映らないと言ったって
こだわりというものは、それで割り切れるものではないのである。

それで思い出したのがハリーポッターの小道具の数々。
『ここまでこだわったから傑作映画になったのだ。』
讃えられる品々です。

たとえばこんなものはいつ映画に出てきたんだい?

では誰も興味を示しそうにない(イタリア人でさえ知らないという設定の)
”イタリア共産党”をテーマにした映画(劇中劇)では、
そのこだわりは、『ハリーポッター』のように
映画を優れたものにするための必要条件なのか?
それとも無駄なこだわりなのか?

『チネチッタで会いましょう』の映画の中でも
それは当然周りの人には決められないし、
監督自身でもわからないのだろう。

だから最後はああいうクライマックスなのでは?

少なくとも解説にあるような
予定調和的な”再生”などではないだろうし、
ジョバンニのゆっくり一言ずつ発音するような話し方などの個性
(めっちゃイタリア語が聞き取りやすくて、俺イタリア語上達した?
と思わせてくれます)から”温かな物語”風にも見えるが
仕事でモノづくりをする人の苦悩を
とことん表現した映画ではないかと感じるのである。

わかる~、だって見えないところまで作り込みたいのは
ハリーポッターの映画だけでなく
モーターヘッドのガレキの内部メカもそうだし、
noteだって、文章には表れなくても。
関係することは全て調べてから書きたいのです。

見えない所で文章に影響を与えるかもしれないのだ、と思えてしまう。

ではその注ぎ込んだ情熱の価値は誰が決めるのか?
結局は、最終的な結果である映画の評価ではないでしょうか。

もっというと観客動員数や興行収入
そういう数字として示されれば、
後付け的に”こだわりに価値がある”といわれるのです。

では評価されなればやる意味はないのか?
ここがこの映画の葛藤部分、テーマなのではないだろうか?


この映画のコミカルな表現には
モノづくりに魂を掛ける人の永遠の問い
隠されているのではないだろうか?

いや~見て良かったな (;^_^A

劇中で撮影している映画のラストシーンであると同時に
この『チネチッタで会いましょう』の映画自体のクライマックスは、
ジョバンニ監督が、自分の意地よりも大切な事に気付き
『さぁ、みなさんの希望は全て取り入れますよ。』
とシナリオを変更して撮影したものである。

お気に召しましたか?

いや、イタリア共産党員がソ連共産党と
決別する過程を描く映画のラストが
ゾウのパレードて!

映画、いや映画の中で撮影している映画なので
”何でもアリ”と言えばありなのだが。

この映画が実際に公開されればきっと駄作のそしりは免れない。

そのパレードには、映画撮影とは関係ない場面で
ジョバンニ監督が出会った破局寸前のカップルまでもが
自分達の望みを叶えるように仲良く歩いている。
いやジョバンニ監督自身も。

最後には
「歴史に”もしも”があってもいいじゃないか!、
イタリア共産党はソ連に立ち向かい、理想郷を打ち立てました。
そして今も続いているのです。」

というナレーションで締めくくられるのです。愕然

この『チネチッタで会いましょう』という映画自体も
これにひっぱられ『なんだこのラスト?』と思う人も
おられるのではないでしょうか?

いやいや、劇中劇をこぎれいに纏めず、
とんでもない駄作に仕上げたのがモレッティの力量なのか?

逆にこのようなラストが許されるのは、
”モレッティだから”ともいえるのでしょうね。

え、モレッティ監督、知りませんか?
実は私もにわか映画ファンなので、これまで全然存じ上げなかったのです。

調べてみましょう。
代表作は『親愛なる日記』『息子の部屋
いや、ちょっと聞いたことありませんね。

きっとこれではない。


12月4日水曜日 嘘もつき通せば、それは真か?

『雨の中の慾情』
なんともおかしな映画なのです。

土砂降りのバス停に立つ男女
バス停にが落ちて二人とも逃げ出す。
(夢)
サンキャッチャーの光が差している部屋で目覚める。

セーラ服の女の子が部屋の掃除に入って来る
なぜか日本語のイントネーションにがある。

大家が現れ、引っ越しの手伝いをしてほしいと義男に頼む。

引っ越し荷物を運び出すはずの家で
全裸で寝ている(寝坊している)福子を見て、
漫画家志望の義男は思わずデッサン

スナックランボーではたらく福子

小説家志望の伊守と同棲する福子
義男は、いやいやながら伊守が企画した
の100店』の雑誌化を手伝うことに。

セールスマンのプロが、みんなで集めた出資金を持ち逃げし、
怒る店主たちから身を隠すため
伊守と福子が義男の家に居候

眠れない義男は、夜ふらふらと外出し
風呂上がりの女の子をつけまわしているうちに
その女の子がひき逃げされるのを目撃。

女の子が跳ね飛ばされていった田んぼに入っていく義男
意外に傷が見当たらない女の子を抱え上げ…

部屋で目覚める。あれは夢だったのか?
(なんとも、不穏になってきた。)

伊守がに帰ると告げて去る。
なぜか一瞬兵隊のゲートル姿の伊守が重なる。

出掛けていた福子が部屋に戻って来て
警察がひき逃げ事件を捜査しているという。

部屋の中から表彰状をさがす義男。
(ひき逃げの疑いを晴らすのに表彰状は関係ないだろうが
よほどあせっているのか?)

田んぼの泥で汚れた靴を買い替えるが、北の店主たちに見つかる。

伊守は南に行った!といっても信じてもらえず、
腕をで切られそうになった時、大家が鉄砲を撃って店主たちを追っ払う

伊守は貴女のもとを去ったと福子に打ち明ける。泣く福子。

大家が来てまたバイトしないかと持ち掛ける
引っ越しではなく”つむじ風

変な人形を見て笑う子供たち
突然血だらけのナマハゲ登場
子供をびっくりさせるにしてもやりすぎだぞ‼
トラウマになるやん!と思っていると
子供の脳天に注射器をブッ差して髄液を抽出
(なにこれ?え、なにこれ?)

髄液を南に売りに行くといい、検問を抜ける
なぜか中国兵が威張っている検問を通って
荒地ばかりの南をさらに進むと
目の前に海があらわれる。
海をはじめて見るという義男と福子

(これって日本が太平洋戦争に敗戦したとき
アメリカではなく中国の統治を受けたパラレルワールドなの?)

海からウエットスーツをきたソ連兵があらわれ髄液と金を交換

伊守の白亜の豪邸を訪れる
中国人の奥さんと子供

そこに帰ってきた伊守を、ペンで突き刺そうと飛び掛かる福子。
(もうわけがわかんない)

南から帰りの車中で福子にセクハラする大家を注意をして
義男は福子に感謝される。
二人がキスをすると突然場面がかわる

野戦病院
義男は負傷して左腕切断
(これまでのことは全て夢だったんだ!と初めてわかる)

目覚めた世界では福子は中国人の娼婦であった。
義男が歩けるまでに回復して娼館を訪れる。
娼婦仲間から「すでに福子は胸の病で亡くなった」と言われ、
夢の中で義男が欲しがっていたガラスの柄の万年筆を渡される。
(なんで野戦病院で見ていた夢の中のものと一致?)

福子といっしょに暮らす義男。
(これは当然

野戦病院で目が覚めて福子にもらった万年筆で漫画を書き出す。

家で漫画を描く義男。福子と結婚して子供もいるのだが
ふと気になって外に出ると子供の姿が庭から消えている。

再び家の中に入ると、そこいは左腕が溶け落ちた骸骨がある。
(またわからない、義男が描いている漫画の中の話なのか)

道を歩く女性に声を掛ける
「前にひき逃げされたでしょ、生きていてよかった。」

キャーと村の人々が逃げだす。
中国の村が日本兵に襲われている。

義男は襲っている側の日本兵の一員
ただし人を殺すことができず、家に隠れて戦線離脱。

先にそこに隠れていた中国人女性を、うまく隠してあげようとしていると
別の中国人女性に撃たれる

また目が覚めて、野戦病院。
先に部隊に復帰する伊守が「じゃあな」と出ていく
日本兵のゲートルではなく小説家の姿で。

再びつむじ風を手伝う
看護師として働いている福子に
幸せになろう、明日迎えに来るよ、といって去る義男。

自分の部屋にいて表に出ると警察が大家を子供誘拐の罪で逮捕にくる
あわててつむじ風をする場所へ行くと、ここにも警察の捜索が及んでいる。

福子をさがす。
これまでのあらゆる場面を駆け抜けて、
路地で福子をみつける
呼び止めると同時に車にはねられ、
ぶっとばされて電柱に激突し、向きを変えて田んぼへ落下する福子

かけつけると意外ときれいな姿で生きていて、抱き締め合う。

左手がつくり物のようになり倒れる義男

再び中国人の村で倒れている義男
伊守他の戦友に囲まれるなか、自分は助かるすべがないとわかる。

最後に見たのは、その中国の家の窓にかかっている
冒頭のサンキャッチャーの光

娼婦の福子のところに訪れているのは義男とは別の兵隊
あのデッサンは上手だね、とその絵を褒める。

前に暫く来ていた常連さんが書いてくれたという福子
この絵も持っていく?
複雑そうな顔で考える福子。

   終


人間関係や設定は抜きにして、情景のみを描写してみました。
奇妙です、なんとも奇妙な映画です。

そもそも人間関係や設定は映画を見ても良く分からないので
書きようがないのです。

前半の漫画家志望のパート
時々おかしな場面があるが
(これ夢だよね。)
(これ夢だよね?)
と小出しに現実と夢の境界線をぼかして来るので、
なにが夢で何が現実(としての設定)なのかなかなか気づかない。

後半の兵隊パート
あきらかに夢から覚めて現実に引き戻されるという形
その中で漫画家志望の義男は夢であるとわかる。

わかるのだが、だんだんとまた”現実”である兵隊の部分に
”が侵食してくる。

結局最後はほとんどが夢だった、という壮大な夢落ち。

みなさんは、上の描写を呼んで(拙くてスミマセン)、
どの段階で、どれが夢だったかわかりましたか?

ただ『なーんだ、夢だったのか?』ではなく
すべてが死の間際に垣間見た一瞬の幻想であったという点が斬新です。

いいえ、願う事も、願っていない事までも、
すべてを知覚したのであれば
なぜそれを幻想の一言で片付けられるだろうか⁉


12月5日木曜日 中国映画は時限爆弾の香り

過酷なるレイトショー3連続鑑賞
だいぶ映画負債が減って来ました。
あとは『コール・ミー・ダンサー』と『ニッツ・アイランド』の2作品のみ
週末を前にちょっと中休みをしようかな。

と思っていたら、11月26日に『家出の決意』
の予約をしていたのを忘れていた。

シネ・リーブル池袋
現代中国映画祭」の作品に限って、
早期にインターネット予約を受け付けていたのだ。

アブナイ危ない!忘れるところだった。

「現代国際映画祭」のサイトではこの作品
”中国で社会現象にもなった傑作女性映画”と紹介されていますが
さすがにメッセージ性が強い映画。

この人がなかなかどいてくれなかったんですよ。

実際に鑑賞してみて、いろいろと反省することしきりです。

ストーリーは『おとなしいめんどり
すなわち家庭内で家事は女の役割という“常識”によって
長年虐げられてきた女性が、
とうとう切れまくって自分を解放するという話です。

元祖キレッキレ物語

ラストシーンは彼女が巡る中国各地の美しい風景とあいまって
スカッとするのですが、
単なる個人的な闘争ということではない。

彼女を虐げてきたのには、父親でも夫でもないし、
虐げられてきたのは主人公 李紅(リー・ホン)でもないのです。

ホンの母親は、
「自分は女だから子供の頃まんじゅうを食べさせてもらえず、
弟だけが食べていた」と言い。

ホン自身は大学に行かせてもらえず、弟だけ大学に行くことができた。

そしてホンの娘は育児のため、会社を休んだことで会社を解雇される。

こういう社会構造を抉り出したのがこの映画なのです。

そういえば私自身の中国赴任時代の会社の話ですが、
中国人社員は共働きでなんとか生計を立てている人が多くて
子供が出来ても、長くは会社は休めない。

中国では故郷の母親に赤ちゃんの世話をしてもらうのが普通ということで
ある人は故郷で働くと言って会社を辞め、
ある人は赤ちゃんだけを故郷の両親のところに預けて離れて暮らすと言う。

社員の皆さんは気の毒だな、と思っていましたが、
子供を預けられた母親も毎日孫と遊べてよかったね、ではないですよね。

『家での決意』では夫離れ、子離れ、孫離れさせてもらえない
女性の苦悩が描き出されていました。

うーん

では日本はどうだろう。
出産休暇、育児休暇もようやく普及してきてよかったね。
とも言えない。

幼稚園に入ったといっても、まだ子供を育てのは手が掛かるし、
身体を育てるというより、愛情を注ぐのが育児というもの。

フレックス、在宅勤務、時間年休(例えば子供を学校に迎えに行く間の1時間だけを休暇にして仕事から離れられる)。

こういう制度が整備されるだけではなく
だれでも気兼ねなく使えることで、女性が働いて収入を得て、
家庭の牢獄から一歩踏み出す、
そして会社も社会も健全に成長するという時代を
迎えなくてはならないのですね。
(国際的には男性も!という時代ですが)

ちなみに映画での時代設定は新型コロナ真っ最中!
コロナパンデミックは2019年からですからね。
決して1980年代の問題ではないのです。

12月6日金曜日 覆面同士でコンニチワ

『ニッツ・アイランド 非人間のレポート』
これで5連続レイトショー!
やり切りました。

しかし会社で食べる昼ごはんの弁当を作るためにも
毎朝5時30分に起床するのですから
さすがに睡眠不足になります。
思い出しても疲れてきたので、作品紹介は簡単に。

てか、何をどう紹介していいかわからない作品。

ジャンルは?
バーチャル・ドキュメンタリー

??

想像つきますか?

DayZ」というサバイバルゲームのバーチャル空間にログインし、
アバターとしての他のプレイヤーのアバター
インタビューをしていくという映画です。

あくまでドキュメンタリーですのでストーリーのようなものは一切なし。

映画.comでは『映画クルーはオフラインにいる生身の人間の存在を感じながら、人間の二面性に直面していく。』と紹介されていますが、
なるほど最初は、暴虐の限りを尽くす無法集団に遭遇します。

無法集団。手前のピンクチェックおじさんは今日一日は机の上で装飾品になっているとのこと

この集団のリーダーは女性(のアバター)ですが、
インタビューに対して『人を殺すのは本当に楽しい』といい、
自分の縄張りに植物を植えたのが気に入らないと
他のプレイヤーを射殺します。

ゲームの中ですからアバターとしてのプレイヤーを殺害しても
罪にはならないのです。

更にリーダーは
『この仮想の世界はこれから無法地帯になり終焉を迎える』
と予言しますが、
レポーターチームがゲーム内に滞在しつづけても
結局カオスは拡大せず、
他のプレイヤーは話をしたり、歩いたり、踊ったり。

現実の身分も知られてはいなくて、
どんなことをしでかそうとも、ログアウトしたらそれでおしまい
というゲームの中での仮想の世界なのに、
大半の人間はやはり人との調和を重んじるというのは
人間の特性というのは興味深い。

一方でレポート期間中、現実世界では
コロナによるロックダウンが発生しており
ゲームのゾンビが彷徨うサバイバル世界に勝るとも劣らない、
いままで誰も見た事が無かった非現実な様相を呈しているのだから
なんとも皮肉でした。

東京国際映画祭で見た映画も含め、今まで観た中で
一番馬鹿げていて、なおかつ大真面目の稀有な映画でした。

ウィークエンド弾丸アタック

明日12月7日は土曜日、お休みです。
本命の『野球どアホウ未亡人』の前にもう一本映画を見ますが、
11時55分上映開始なので朝はゆっくりと寝る事ができます。

『コール・ミー・ダンサー』はタイトル通り”ダンスの映画”ですが、
インドといえば!の”映画のダンス”ではないのです。

正体はバレエダンサーになる事を志す若者が主人公の
ドキュメンタリー映画。

ドキュメンタリーは11月4日に見た『五香宮の猫』以来二作目。
あ、非人間への取材ですが、昨日観た『ニッツ・アイランド』
もドキュメンタリーか。マスクド・ドキュメンタリー

ドキュメンタリーだけあって、ストーリーは有って無きが如し。

本人の努力とバレエスクールのコーチの惜しみない献身があって、
一応プロのバレエダンサーとしてステージに立つところまではいきます。
でもウルトラ・サクセスとはいきません。
レッスン生としてではなく、
一応のギャラをもらってステージに立てる
プロダンサーになる迄の話なのです。

インドではダンスは職業として認められていないと聞いてビックリ。
あんなに映画の中では踊りまくっているのに!

あれはダンサーではなく、
俳優エキストラが映画の撮影のために踊っているもの。

言い換えるとダンスが出る映画は観たいが、
純粋にダンスだけを観る人がいないということか。

そんなインドで息子を応援する彼の家族にも感動でした。

その後は、待ってました!
『野球どアホウ未亡人』

いや、野球どアホウは語ることが多すぎる。
改めて後で独立した章で語りましょう。

さーて、翌日の映画鑑賞は、
11時5分開始の『ルパン三世カリオストロの城』
15時50分開始の『アット・ザ・ベンチ』
22時5分終了の『OP PICTURES +フェス2024』の三本です。

の三本です。


また何やら寝不足の気配が!
『ルパン三世カリオストロの城』。
公開45周年IMAX特別上映は
グランド・シネマサンシャイン池袋の
IMAXレーザーGTで観て来ました。

しかもちょっと贅沢をしてプレミアムシートを予約。
映像も座り心地も抜群でした!

座る”といえば”ベンチ”、『アット・ザ・ベンチ』は
河川敷にあるベンチを舞台にした5つの短編からなるオムニバス映画。

なんとなく、劇場の皆さんは
岸井ゆきの、岡山天音、荒川良々出演の
コミカルなエピソード2がお気にいりのようでしたが
私は姉妹のヒステリックな口論に終始するエピソード3が
良いと思いました!

『”OP PICTURES +24”』OPが何を意味するのか分かりませんけど
ピンク映画を一般の映画館で上映できるよう
R15+に編集したシリーズです。

内容は?う~ン、監督!
芸術性を意識しすぎではありませんか⁉

いろいろなジャンルの映画を体験したい!というところですが、
ここまで発散すると、最早すべてを語ることはできないので、
次の章で12月の1ヶ月間で鑑賞した映画をテーマ毎
ハイライトしていきます。

第3章 ザット・イズ (ノット)・ オール ・オブ・ 師走ムービーズ

なんてったって映画祭!

「東京国際映画際」は1年に1度の映画のお祭りですが、
それ以外にも映画祭的なイベントは
意外とたくさんあることがわかりました。

例えば!
さきほど紹介に預かりました『家での決意』は
「現代中国映画祭」でラインアップされた作品なのです。

以前なら中国映画=速攻敬遠でしょうが、
大鳳監督王一博主演の『熱烈』や
東京国際映画祭で見た、エディー・ポン主演の『ブラック・ドッグ』
などで中国映画界の実力の高さは痛感しております。

3作品を選んで、この映画負債返済が始まる前の
11月27日から見始めたのですが、
そのうちの最後に見たのが12月5日の『家出の決意』というわけなのです。

なぜか各作品によって、上映回数、曜日、時間が偏っており
観たい作品がなかなか見れない、小憎らしさ!

今回観た中では『いいひと』が超絶級に面白かった!

あと前述の「OP PICTURES +フェス」
さらには
EU加盟国の作品を紹介する「EU FILM DAYS 2024」も
ある種の映画祭と言えるでしょう。
EUとは言わずとしれたEuropean Union。欧州連合です。

欧州といっても、東から北まで広うございます。
映画はフランス、イタリアだけのものではございません。

リトアニアフィンランドルーマニアなど
普段ほとんど目にすることのない国の映画が大量に公開される。

なんと23の国と地域、24の作品が
12月14日から12月27日までの2週間にぎっしり

EUフィルムデーズは、欧州連合(EU)加盟国の在日大使館・文化機関がセレクトした近年の注目作品を一挙上映するユニークな映画祭です。

EU FILM DAYSチラシより

EUフィルムデイズ以外にも見たい映画はたくさんあったので、
12月中の(まじめな)映画祭はこの中国とEUに専念しましたが、
観れなかった映画祭はまだまだたくさんありました。

「ジョージア映画祭」はアメリカのジョージア州じゃなくて、
旧ソ連のジョージアと言う国の映画特集。

「テルコレ」というのはインドのテルグ語映画のコレクションのようです。

今回は紹介しませんが、1月に入って公開されるのは
メキシコ映画の大回顧
・体験ゾーンの映画たち2025
・フレデリック・ワイズマンのすべて

などもう、どれを観ようか迷っちゃう!
なのです。


ドキュメンタリーは映画なのか?

ドキュメンタリー映画というのも、
馴染みがないようで、その気で探せば
意外と観れる機会が多いものです。

これまで紹介したのは
『五香宮の猫』
『ニッツ・アイランド 非人間のレポート』
『コール・ミー・ダンサー』
の三作品ですが
EU FILM DAYSでは『ダンシング・ピナ』というドイツ映画の
ドキュメンタリーを鑑賞
(注:EU FILM DAYSはドキュメンタリーばかりではありません)

この作品はよかった。
作品の説明というか、
その時に残していた感想メモをそのまま書いておこう。

ピナ・バウシュというダンサー兼芸術家が遺した
ダンスの作品を再現するドキュメント映画です。

ピナ作品の映像は残っているけれど、その動きを模倣したり
綺麗に見せようとするのではなく、
ダンサー自身の物語をダンスで語るという難題。

劇中出てきた”自分自身が経験して学んだことを、
ダンスの動きで表現するのがピナのダンスである”
というところが、共感する事しきり。

仕事でも、これまで、いろいろなビジネス本がもてはやされたり、
現代ではネットで情報”知識”に簡単にアクセスできるような時代に
なってはいるけれど、
いくら”知識”が増えても、外部情報へのアクセスが瞬時に出来ても
やはり実際に体験して自分でやってみなければ、
”こういう時にはこうだ!”と
考えるのではなく、ピンと閃く境地には到達しない。

だって仕事(Job)は処理できて、それで給料がもらえたとしても、
半生を費やすことになる仕事(Work)を通して、
自分の中に何も残らないのは寂しいじゃないですか?』

1月以降に観に行こうと思っている
『フレデリック・ワイズマンのすべて』は44作品のすべてが
ドキュメンタリーですし、
『ヴィジョン・オブ・マフマルバフ』も
イランの巨匠 モフセン・マフマルバフ監督のドキュメンタリー2作品を
紹介する企画です。

野球ドあほう未亡人はすべてに通ず

まだ元気なうちに『野球どアホウ未亡人』は紹介しておかねばなるまい。
ま、紹介するといっても作品的に紹介すべき事は何もないのだが(笑)

Xでは監督の小野さんのコメントが次のように心の琴線を震わせる。

”「馬鹿」という要素を極限まで煮詰めた結果、狂気に辿り着いたデッドボール型インディーズ映画『#野球どアホウ未亡人』は12月6日からヒューマントラストシネマ渋谷で上映。数少ない売りは「上映時間60分」と「観たあとに何も残らないこと」です。よろしくお願いします。

そしてとうとう、12月7日がやってきました。
監督と主要な俳優陣の舞台挨拶付き。たのしみ~。

ヒューマントラストシネマ渋谷のHPで今一度確認すると
”舞台挨拶の後にサイン会を実施します。
この回の上映を鑑賞して、野球どアホウ未亡人の
パンフレットグッズを購入した人のみご参加いただけます。”
とある。

え、その情報、見落としてました。サイン会か~

サイン会というとアレですね。大きなハードルがあるのです。
あの、サイン書き書きしてもらっている間に
何か、ファンとしてお話したりしないといけないんでしょ?

(どうしようかな~、でもサイン欲しいな~)
と思いながら、映画館へ到着。

普段は行かないグッズ売り場を物色すると
なんか、すっげ~デザインのTシャツがあるんだけど
サイン会に参加するために、そこまではしないよな。

どちらにしてもパンフレットは買うつもりだったので
サイン会に参加しようが、参加しまいが買っておこう。

だんだん人が集まって来る。
最初から例のTシャツを着て来て来館している猛者もチラホラ。

と思っていると、隣の席の人!
”猛者”きました~!

辺りを見回しても、常連さんと一目でわかる人がゾロゾロ。

映画の内容は?
もう、本当に”くだらない”の一言に尽きるのですが、
そのくだらなさが絶妙で、凄いオーラを放っています。

そう、とことんまじめにくだらないことをやっているという
狂気のオーラです。

さすが観客は常連さんらしく、要所要所でドッカンドッカン
ウケまくっていたのですが、さもありなん。

私としては、主役の水原夏子に扮する森山みつきさんが
旦那さんを草野球界にドップリ引きずり込んだ、
草野球チームの監督であり旦那の会社上司である
重野進の著書『野球狂人万事快調』を憤然と朗読する
冒頭の部分が特にイイ!

”渡哲也”を”わたなべ…”と読んでしまい、
怒っているという設定ながら、つい苦笑してしまうところ。
おそらく森山みつきさんのなのでしょうが、これが良いのである。

映画が終わりました。
いよいよトークショーが始まる。

すいません、監督が見切れちゃいました!

大学の映画部からはじまるカブ研究会の
ヒットしなかったこれまでの数々の作品の話。

なかでも興味が引かれるのは、『不倫OK濡れ銀河
不倫相手である上司の奥さんが宇宙人だったという話らしい。
”本妻宇宙人と愛人OLのバトル”
すげぇ、なんちゅークレイジーな映画だ!

とはいえ鳴かず飛ばずが続き、とうとう2023年に
『野球どアホウ未亡人』が大ヒットしたという話

それが一段落した後、2024年12月
まじめな芸術的・文学的映画を中心に上映する
ヒューマントラストシネマ渋谷でのまさかの期間限定上映が決定!

今回ヒューマントラストシネマ渋谷一館のみの上映のために
ポスター用写真プロモーションビデオを撮り下ろした話。

右が今回の期間限定上映用のポスター
(タイトルの字体がおしゃれだが映画自体はなにも変わらない)

前回上映時のイベントで水原夏子と人気を二分する
重野進に扮する藤田健彦さんが、
むちゃぶりで『おれは重野進♪』の歌を歌わされることになり
見事に歌詞を忘れた話。

来る12月10日の1日限定イベント
ツッコミOK上映とともに出演者が生演奏し、
藤田さんも前のイベントでの歌詞忘れの雪辱を果たすという件。

え、それナニ?行きたい~、観たい。

トークショーも終わり、すっかり野球どアホウのに浮かされて
改めてTシャツを握りしめ、サイン会用のグッズ購入者の列にならび直す。

相当長い列だったので、並んでいる間に12月10日のイベント
『帰ってきた野球どアホウ未亡人ライブ夜を蹴散らせ』
の予約が完了してしまいました。

サイン会。
買ったTシャツを握りしめ、ロビーに出来た列に並ぶ。
徐々に列が進み、とうとう順番がやってきました。

順番にTシャツにサインをしていただきながらの会話

水原賢一役の秋斗さん
トトム:多摩川メッツってチーム名かっこいいですよね。
 (言わずと知れた?水島新司、野球狂の詩、
  東京メッツのオマージュである。)
秋:(知ってか知らずか)カッコいいですよね。

水原夏子の玉砕カミソリボールの原点、水島勇気の魔球はドリーム・ボール

重野進役の藤田健彦さん
 何を話したかな?
 キョーレツなビジュアルに圧倒され忘れてしまった。

水原夏子役の森山みつきさん
 劇中でもカワイかったですが。
 目前で目にするとキレイです。ウチの姪のメイちゃんみたい。
トトム:あのポスターのビジュアルと”見に来てね♡”にやられて、
    観にやってまいりました。
森: あ、書いた甲斐がありました♡

水原春代役の井筒しまさん
 エキゾチックな美女です。
トトム:博多弁が役どころと似合ってましたね。
井:ほんとですか?九州って行ったことないんです。
  変じゃなかったですか?
トトム:(行った事なかったんだ)大丈夫です…
 (本当は、”〇〇なかとよ~”、と博多弁をしゃべりつつ
  ”そうじゃ、そうじゃ!”という広島弁も出つつのセリフに
  おおいに笑ったのだが)

グリフィス吉田役の工藤潤矢さん
トトム:グリフィス吉田と言う名前、ウケまくりました。
工:そうですか。

最後は小野峻志監督。
工藤さんと協力し、Tシャツの皺を伸ばしながらの
綺麗なサインをいただきました。
最後は「12月10日のイベントもぜひよろしくお願いしま~す。」
とチラシを手渡される。
 (既に予約済なんだが…)

五人の俳優と監督のサインそろい踏みTシャツ。
すげ~。

キャスト勢ぞろいだ。

お宝誕生




この映画に出演しているのは、この5名様の他は
エキストラに毛が生えた程度の2名のみで
総勢7名なんですよ。


12月10日がやってきました。
サイン会よりドキドキするなぁ。

なんせ、人生初のライブイベントですよ。
会場は歌舞伎町ですよ。

チョイワルの匂いがするじゃあありませんか!

19時開場、20時開演。

行こうと思えば、19時ピッタに到着することもできますが
開演までの1時間、チョイワルな空気に耐えられるか?
心配して、会社の近くでカツカレーを食べて適当に時間をつぶし
19時10分くらいに到着。(それでも早いでしょ!)

場所は歌舞伎町、といっても実は何度もいったことのある
TOHOシネマズ新宿の真ん前のビルです。

ただ会場の新宿ロフトプラスワンっていうのがあるのは
”I♥歌舞伎町”とでかでかとかかれた怪しさ一杯の建物の
地下2階。
あとワンドリンク制ってのがよくわからないんだよねぇ。

すげ~怪しい

思い切って入ってみました。
入口にはおばさんがいて、
スマホで予約のQRコードを見せると番号札を渡してくれる。
ここまでは治安が悪化する様子はない。

ドリンクや食べ物はこの番号で注文して、
最後に清算するシステムのようです。

会場へ足を踏み込むと、もう既にスクリーン兼ステージ前の席は
埋まっています。
甘かった!なかなか皆さんスタートダッシュスゴイです。

会場の様子。

前説によると、フードやドリンク注文1回につき、
抽選券を1枚くれるとのこと。

賞品は出演者全員のサイン入り野球ボール 3名分
そして本日森山みつきがライブでギター演奏に使用するピック
1名のみに降臨する。

おー、ワンドリンク制なので1回は注文するにしても
晩御飯食べてこなければ食べ物も注文できたのに!

といいつつもポテトも頼んで、抽選券2枚ゲット

第一部は『野球どアホウ未亡人』のツッコミOKの上映会
第ニ部が、森山みつき、藤田健彦、工藤潤矢とバンド”未亡人ズ”による
ライブです。

さて30分後にまずは映画だ!と思いつつふと後を振り返ると
入口付近の階段にもう森山みつきさんがちょこんと座っている。

座敷わらしではなく森山みつき

あれあれ、小野監督も藤田さん、工藤さんも‼

本日のライブイベント出演者がもう姿現してますやん。

それだけでなく、映画上映までの時間繋ぎとして
上映開始まで、いろいろとトークで時間繋ぎをしていただく。

そしてツッコミ上映。

私としては、先ほどの”渡哲也”のところ
『自分で言っといて笑っとるやん!』の他、
回転するボールの気持ちとは『マグヌス効果!』
バッティング勝負の時のピッチャーとの距離『近!
と突っ込みを入れたいのだが、
周囲の人の『鳩!』(ただ鳩が映っただけ)、
『重野ひっこめ~』『重野この野郎~
とパワー系の突っ込みに圧倒される。

しかし最後は重野が股間に打球ならぬ、夏子の投げたバットが
直撃したシーンでは、みんな心をあわせて
『重野がんばれ~』『かんばれ重野~』と叫ぶことができました。

上映が終わって、おたのしみ抽選。
持っている抽選券は100番台。

まずはサインボール3名分。
えー。当選は全部200番台!ハラハラするヒマもないじゃんか。

そして生演奏ピックは誰の手に⁉
やっぱり200番台が当然番号でした。あっさり終了
ピックが当選したのは、かなりのイベント常連の方みたいで
また当たりましたね~とか言われておりました。

夢破れてサンガリア!

ピックは今からのライブで使用するので、
サインボール当選者の方のみ賞品を受け取り、ライブに突入。

劇中のBGMを、実際に演奏していた未亡人ズの生演奏で聞く贅沢。
主題歌は森山みつきさんのギター演奏ボーカルで。
更に挿入歌「Home run!」を
He likes ball game♪の歌と番傘ダンス付きでご披露。

重野(メッツのユニホームを来た、藤田健彦さんはもはや重野進である)と
グリフィス(工藤潤矢)吉田による
”俺は重野進のうた”。
歌詞が頭から飛ぶことなく歌い切っておられました。

再び森山みつきさんボーカルで
新曲
曲名は「新しい朝」だっけ?の披露。

小野監督作詞で、歌詞は3ヶ月くらい前に出来たけど
曲名のみ昨晩決めたらしいです。

これにて終了!

物販では家にDVDプレイヤーはないので、
特典映像付きDVDの購入はあきらめ、
同人誌『かぶけん道 あすなろ編』を買って帰りました。

そういえば、ライブ終わった後は、
みんなもう無秩序にぞろぞろ解散したけど
ピックが当選した人、サインしたものをちゃんともらったんだろうか?

12月13日
またヒューマントラストシネマ渋谷に
レイトショーで『野球どアホウ』を観に来てしまいました。

いえね、先日のツッコミOK上映で
不完全燃焼があったわけでは決してないのですが、
ちょっとツッコミの方向性の違いがあったことは感じまして
やっぱり声を出せなくても、
自分の心の中でしっかりツッコミたいと思ったのです。

(中略)

あ~、面白かった。
スクリーンを出ると、なんと小野監督重野さん
観客をお見送り。

たしかに小野さんは上映期間中、ヒューマントラストシネマ渋谷の
7階をフラフラしているとおっしゃっておりましたが、
本当になんのイベントもない日のレイトショーにいらっしゃったのですね。

ご苦労様ですとお声がけして帰る。

12月19日
『銀河鉄道999 4Kリマスター版』のネット予約をしていたのだが
ヒューマントラストシネマ渋谷のHPを確認すると
なんと、12月19日が『野球どアホウ』の千秋楽

やべぇ、あと1週間、上映期間があるんだと思ってました。

ここは迷わず、『999』の予約を流して
改めて『野球どアホウ』を予約。

おそらく最終日なので、また小野監督と重野さんが、
スクリーン出口でお見送りしてくれるはず、と予想。

入場時にもらえるポストカードにサインをしてもらおうと
油性マジックを準備して鑑賞に臨む。

いや~、4回目の鑑賞もよかったな~。
なにも残っていないけど(笑)。

いよいよ退場。

スクリーンの外にはなんと!
小野監督、重野さんだけでなく主演女優の森山みつきさんまでもが
待機しているではないか。

引き続き写真撮影会

列に並んで、最初の1,2人はみつきさんと重野さんのツーショット写真を撮るだけだったのですが、3人目の人くらいが、
自分のスマホで、自分が入ったスリーショットを取ってくださいとお願い。

それからは、パイリーグボール1号の構えでの
スリーショットが定番となる。

そして撮影係は、というと小野監督

、監督にそんな雑用お願いしていいの?
映画館の人、手を貸さないの?と思いつつ
私も小野監督に撮っていただきました。

この後、破線のスペースにすぽっと納まってスリーショットを撮るのである

そのあとはグッズを買った人にサインするというイベントがあるようでしたが、さすがに時間も遅いので私は失礼いたしました。

しかし事前には何の告知もないのに、撮影会・サイン会とは
スクリーンでのトークショーがないだけで、完全なイベントではないか。

なかなか予想の上を行く展開にびっくりでした。

リバイバルもいいもんだ

アナログ時代の作品を4Kデジタルで再生して上映する企画も
アンテナを高くしておけばキャッチできます。

まずはアニメ篇
『ルパン三世カリオストロの城』
知る人ぞ知るというか、日本全国民が知らないはずがない
宮崎駿監督の特別な逸品

上映最終日にすべり込み鑑賞!



公開後45周年を記念しての上映です。
全国52館で上映されているのですが
特筆すべきは、『カリ城』初IMAXでの特別上映です。

IMAXといってもいろいろありまして
せっかく東京にいるのであれば、IMAXの最高峰である
グランドシネマ・サンシャイン池袋のIMAXレーザーGTで観て来ました。
(あっ、これ前に書いたな)

あえて作品の解説はまったく必要はないでしょう。
単なる体験レポートです。
前述のとおり12月8日の3連続鑑賞の1作品目
はりきって池袋へ向かいます。

少し早めの20分前に入場開始、
45周年記念のミニ色紙をもらいました。

いつものグランドシネマサンシャイン池袋ご自慢
電動エスカレーターじゃないや、映画の殿堂のエスカレーターを上る。

最近マイナー映画館にばかり行っていましたので久しぶりなのです。
なんと!トップガン・マーヴェリックが殿堂入りしており感激です。

映画ポスターによる殿堂入り!

シートはプレミアムシートのn-20
スクリーンとの距離や高さもちょうど良いですし、
リクライニングもできて最高ですね。

さすがはサンシャインシネマズ池袋


プレミアムシートを予約すると食事券もついて来てお高くなるのですが
次の映画を観るテアトル新宿に行く前に食事をするには
ちょうど良いのです。

上映開始。
作品としては素晴らしいのはわかりきっているのですが
往年の名作がIMAXでどのように映るのか興味津々です。

サイズは昔のTVサイズなので縦長のIMAXレーザーGTのスクリーンを
余すことなく使えます。
フルタイムIMAX上映です。(通常はIMAXフルサイズ映像になるのは上映時間の30%程度といわれているのだ)

いや、いいですね。予想以上に良い!

45年前なので当然すべて手描きで製作されており、
現代のフルCGのような緻密さはないけれど
IMAXの大画面になると、粗が目立つどころか
手描きの持ち味をより発揮している。

特にカリオストロ大公の廃墟での背景などは
さながらモネの絵画のようです。

しかしクラリスは、実在感が全くないほどに可憐ですな。
ルパンに対する「おじさま」(あくまでも控えめに)も良いのですが、
クライマックスの婚礼の儀に乗り込んだ、次元、五右衛門に
「皆様、どうかご無事で。次元様も」ですからね。

そりゃあさすがの五右衛門も「可憐だ」というわけですよ。

ついでですが、とうとうミッション・インポッシブル待望の次回作
ァイナル・レコニングの予告編も公開。

もう予告編だけで楽しめてしまいます。

IMAX鑑賞が必須のすごい作品の予感です。

続いて、『銀河鉄道999 4Kリマスター版』
こちらも劇場版公開から45周年の特別上映です。

一度は”未亡人”に譲ったけれど、二度目はなくてよ!

12月19日は『野球どアホウ』に譲りましたが
さりとて見ないという訳ではありません。
あらためて、12月21日に予約をしなおし、新宿ピカデリーへ出かける。
新宿ピカデリーのスクリーンは観客席の傾斜も大きくとっており
高評価です。作品もメジャー作品からそこそこマイナーなものまで
幅広い。今後積極的に行きたい映画館です。

銀河鉄道999は実はカリオストロの城と違い
中学校くらいの時に、TVか何かで1回見ただけです。

大人になった今改めて鑑賞するとどうでしょうか?

あまりにも名作であった。

かつてみた時は999のロマンあふれる長い旅が、
あまりに端折られており、
劇場版はスカスカに感じてちょっとガッカリしたものですが、
今見直すと999のロマンのエッセンスが凝縮された傑作です。

最初から城達也のナレーションに引き込まれる。

立ち寄る星は土星の衛星タイタン冥王星、トレーダー分岐点がある
ヘビーメルダー、機械化母星メーテルの4か所だけなのですが
それぞれのエピソードが、鉄郎の成長に欠かせないもの。

これ以上エピソードを足すことも引くこともできません。

そしてラストシーンに再び城達也のナレーション

万感の思いを込めて汽笛が鳴る
万感の思いを込めて汽車が行く。

さらばメーテル
さらば銀貨鉄道999。

さらば少年の日。

流れるは、ゴダイゴの名曲
「THE GALAXY EXPRESS 999」

大号泣

そして2024年の締めくくりは
『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映です。

髪のポスター、神

これはあの、エヴァンゲリオンの庵野秀明
宇宙戦艦ヤマトTVシリーズの全26話の中から9話分をセレクトし、
3話ずつ、3プログラムに分けて上映するものです。

▼プログラム1:12月27日(金)~1月2日(木)
第2話 「号砲一発!! 宇宙戦艦ヤマト始動」(放送日1974年10月13日)
第3話 「ヤマト発進!! 29万6千光年への挑戦!!」(放送日1974年10月20日)
第7話 「ヤマト沈没!! 運命の要塞攻略戦!!」(放送日1974年11月17日)
▼プログラム2:1月3日(金)~1月9日(木)
第16話 「ビーメラ星 地下牢の死刑囚!」(放送日1975年1月19日)
第18話 「浮かぶ要塞島!! たった二人の決死隊!!」(放送日1975年2月2日)
第22話 「決戦!! 七色星団の攻防戦!!」(放送日1975年3月2日)
▼プログラム3:1月10日(金)~1月16日(木)
第23話 「ついに来た! マゼラン星雲波高し!」(放送日1975年3月9日)
第24話 「死闘! 神よ、ガミラスのために泣け!!」(放送日1975年3月16日)
第26話 「地球よ、ヤマトは帰って来た!!」(放送日1975年3月30日)

公式サイトより

大晦日12月31日に観たのはプログラム1ですが、
もう一気に年明けのプログラム3までご紹介。

宇宙戦艦ヤマトってこんなだったかな?
カリオストロの城、999と比べたった5年の差ですが
昭和という時代を感じる、大作なのです。

プログラム1
松本零士の思い入れが半端ない。
1945年の大和撃沈シーンとか、ヤマトの艦内説明とか
普通ならここまでやらないだろう。

古代と島の初登場シーンで、アナライザーがいきなり
森雪のスカートめくりをしてびっくり!
セクハラロボット!

そしてラストシーンはまさかの”ヤマト、冥王星の海に沈没

ヤマトどうした⁉ 地球は君の帰りだけを待っているのだ!(笑)

プログラム2
当然ながらプログラム1のヤマト沈没の伏線は拾わないどころか、
何事も無かったように艦内の娯楽室でのシーンから始まる。

しかししっかりプログラム1からの引継ぎ事項がありました。
娯楽室でダンスをするために(?)スカートに着替えた森雪を
すかさずアナライザーがスカートめくり
定番か!

プログラム2は奇想天外な設定の奥に、
濃厚な人間ドラマが隠された渋いセレクション

ビーメラ星の昆虫型宇宙人に捕まったアナライザーと森雪
マグネトロンウェーブを照射する宇宙要塞に潜入した真田と古代
七色星団での決戦で対峙するドメル将軍と沖田館長

いやいやスカートめくり以外にも見所満載でした。

プログラム3
大マゼラン星雲到着!
大詰めです。もう浮かれている場合ではない。

ところが、イスカンダルも目前ということで、
いきなり展望室にて古代と雪が
セルフタイマーで記念撮影をするという浮ついたシーンから始まり、
力が抜ける

しかも古代は雪にことわりもなく、雪のに手を置き
払い除けられるという
もはや定番のセクハラシーン!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

古代のハラスメント暴走は続く。
イスカンダル方面(実はイスカンダルの双子星ガミラス)から
飛来した強磁性フェライト散布爆弾の正体を突き止めようと
ヤマトの周りに散らばる破片の回収を攻撃班の部下加藤に命じる。

強磁性フェライトによりヤマトは計器が使えない盲目状態なのだ。
無理ですよ~、ブラックタイガーも計器が使えないんですから』
という加藤に
『バカヤロー、死んでも取って来い』
の一言で押し切る古代のパワハラ度MAXにビックリ!

しかしガミラスの濃硫酸の海に追いつけられた時
『古代君、これからどうなるの?』と不安そうな雪に対しては
『わからない…もしかしたらもうダメかもしれない』と
雪以上の気弱発言。
艦長代理!しっかりしてくださいよ(笑)

病室に伏す沖田艦長の指示にしたがいガミラスの地下鉱脈に波動砲を
打ち込んでガミラス星を滅亡に追い込むという虚しさに
戦いではなく愛こそがすべてであると気付けて良かったです。

実写編としては
『バグダッドカフェ4Kレストア』
『レ・ミゼラブル デジタルリマスターリミックス』
などこれまたたくさんあるのですが、紹介はまた次の機会で。

舞台挨拶も充実

「東京国際映画祭」ではじめて舞台挨拶というものを体験したのですが
なかなかに楽しくて、作品を深く知る助けにもなるものですね。

それがなんと!東京では舞台挨拶やトークショーというものに
結構頻繁に遭遇するのです。

12月7日の『野球どアホウ未亡人』豪華舞台挨拶もその一つ。

それ以外には
12月8日『アット・ザ・ベンチ』

テアトル新宿の展示用大ポスター。残念ながらサインはなし。


奥山由之監督とEp.2の脚本を担当した蓮見翔さんのトークショーを拝見。

奥山監督のことも実はよく存じ上げないのですが、
どうも映画の監督としてはこれが1作目であり、
これまで写真家として確固たる実績を残されている方のようです。

この映画はインディーズ中のインディーズ、
ほぼ自費製作で撮られたもののようで、
『予算がなくてパンフレットも作ってないんです。』
といいつつ、宣伝のため、この日以外にも精力的に映画館に足を運び
登壇されている模様。

とはいえ侮るなかれ、奥山監督の人脈で俳優陣は豪華そのもの。
最初に紹介した、Ep.2の岸井ゆきの岡山天音荒川良々
の他にも、Ep.1とEp.5には広瀬すず
Ep.4には草彅剛吉岡里帆が出演。


Ep.2脚本担当の蓮見氏がゲスト的立場での登壇だけに
トークおよび観客からの質問コーナーは、ほぼEp.2の話に集中。

そんな中で、私個人としてはEp.3が一番良いと思ったわけです。

などと言いつつもやっぱりミーハー心はあるもので
12月15日には、『アット・ザ・ベンチ』の
岸井ゆきの、岡山天音、荒川良々の舞台挨拶付の上映がある
ということで、
インターネット予約が開始される12月12日の0:00
(すなわち12月11日の24:00)
万全の体勢でパソコンの前で5分前から待機。

時間となりました。予約Go!

やはり競争が激しい、しょっぱなから半分以上の席が埋まっています。
ただこういう時、人は中心付近の席から予約していくもの。
少しですが最前列の席が残っている。

すかさずポチ。そして支払い手続きへ。
ところがクレジットカード支払いくらいまで進むと
「この席は既に予約されています。」とエラーが出る。

普通は座席を指定すれば、それだけで一定時間は確保されているのだが
テアトル新宿の予約システムは真にサバイバル

また、座席指定画面に戻る、最前列でも両端はまだ空いている。ポチ
 また途中で脱落
端っこならば3列目が!ポチ また脱落
もう後の席くらいしかない!ポチ また脱落

あれよあれよと言ううちに空席が埋まって行き、
あえなく予約することできませんでした。

こういう時は確実を期すため、あまり欲張らずに、
後の席から取るべきだったのだ!

代わりにといっては何ですが、
予約が取れなかった『アット・ザ・ベンチ』と同日12月15日の
MIRRORLIAR FILMS』も舞台挨拶付。
こちらはヒューマントラストシネマ渋谷です。

「だれでも映画を撮れる時代」
MIRRORLIAR FILMSは、自由で新しい映画製作の実現を目指して、 年齢や性別、職業やジャンルに関係なく、 若手とベテラン、メジャーとインディーズが融合して切磋琢磨しながら作品を作り上げるプロジェクトです。

2021年から2022年にかけて劇場公開されたSeason1〜4では、“変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で発表しました。

MIRRORLIAR公式HPより

説明は公式HPに任せるとして、今回はSeason6
監督は俳優の小栗旬浅野忠信、モデルの岡本多緒さんなど
やっぱり有名人中心ですね。

職業に関係なく、だれでも映画を撮れるといっても
やっぱりある程度そういう場に普段から触れている人でないと難しいのね。

で12月15日の舞台挨拶は!というと
小栗旬!が監督した『1/96』というタイトルの作品の主演
オリエンタルラジオの藤森 慎吾さんです。

じゃじゃ~ん! ん?

あれ?結構座席売れ残ってますね。
余裕で中ほど好ポジションのE列が予約できました。

当日、ヒューマントラストシネマ渋谷。

こちらはサイン入り

あまり人気無いのかな?と思っていましたが
結局はほぼ満席の様子。
ロビーには関係者受付などありますが、関係者って誰?

そしてスクリーン内後方にはカメラが4台も設置されている。
やっぱりオリラジ藤森さん、腐っても芸能人なんですね!
(いや腐ってはない!)

後方端っこにカメラ3台。これ以外にも中央に1台

本日は普段の舞台挨拶とは少し段取りが違っており、
上映前に舞台挨拶があります。
ま、こういうのは登壇者のスケジュールの都合がありますからね。

『それでは拍手とともに登壇者をお迎えいたしましょう』
やはり藤森さん、お一人でした。

トークの内容は。

「なんで小栗旬が今日ここにいないんでしょうね⁉」
から始まる藤森さん。

「観客の皆さんも小栗!って期待してたでしょうし、
俺も絶対小栗さん来ると思ってたのに、
スケジュールが合わないっていうもんだから!

俺一人で盛り上がるか心配だ~。」

大丈夫!
監督の小栗さんやレジェンド級撮影陣との秘話で
じゅうぶん盛り上がってます。

そしてQ&Aコーナー
でも上映前に作品を観ても無いのにQ&Aって若干無理目じゃない?

でもさすがに猛者の映画ファンはいるもので、
横の方にいた人が手を上げて、質問の口火を切る。

2番手は?
『はい、じゃあ、一番後ろの席の方』すかさず司会の人が鋭く差す!
『私はこの映画何度も見ているんですけど、
最初のシーン、藤森さん演技が硬かったですよね。』
とか言い出すのです。(なかなか失礼な観客!)

藤森さんも
『え?』
って感じで、観客の皆さんもザワザワして
後ろを振り返って質問した人を確認しだしたんですが、
なんと!その質問した人っていうのは
小栗旬その人だったのです。

そう、サプライズ企画

『どうしてここにいるんだよ?
昨日電話でも、”行けない”って言ってたじゃん!』

『いや、行くって言ったらサプライズにならないでしょ!』
(観客爆笑)

と小栗さんが登壇して、藤森さんとの掛け合いが盛り上がる。

作品もま、面白かったけど、
今回の上映ではこのトークショー一番面白かった!
(褒めてる⁉)

その後も、有名タレントの登壇する作品上映は幾つかあったのですが
気が付いたときには既に満席!

その街のこどもたち(佐藤江梨子、森山 未來)
敵(長塚京三、共演の瀧内公美、松尾諭、松尾貴史、吉田大八監督)
なんかですね。

あとあまりに大物になってくると
もうチケットぴあで先行申し込みして抽選ですからね。
まず当選しないんです。

室町無頼(大泉洋、長尾謙杜、松本若菜、堤真一、入江悠(監督))
とかですね。

さて、そろそろ12月に観た映画の中で、
よかったもの、期待外れだったものをご紹介して
締めくくりたいと思います。

悪い予感はあたるもの?

まずは予感にそぐわず、ガッカリしたもの。
最初に東京映画祭で培った嗅覚で選別したと言いましたが、
その際、何故だかわからないけど、今一つ乗り気でないのがあるのです。

一度はやめておこうかな、と思いつつもなぜ観に行ったのか?
それはチラシについている映画評が、
その作品をえらく褒めていたり(当たり前か)、
あるいは国際的なをたくさん獲得していたりするので
どんなもんなのかと。

でその実態は?
こういう作品は2つありまして、
一つ目(12月鑑賞じゃないけど紹介する機会もないのでここで一気に)は

『アンデッド・愛しきものの不在』
これは、単純にチラシのモノトーンさが今一つ気乗りしなかったというか、
同時期に『モルグ 屍体消失』という同じく北欧ホラーがありまして、
どっちもチラシは同じテイストで、どちらか一つ観に行こうと
選んだのが『アンデッド』。

なんかチラシ外でもヒューマントラストシネマがポップとか作って
えらく推してましたので、ついこちらを選んでしまいました。
いやな予感といえばどちらも同じくらいだったのですがね。

ちなみに、ポップPOP
Popularではなく「Point of purchase advertising」の略なんですね。

面白くなかった理由をアレコレ書くつもりはありませんけど、
なんか、全体的にテンポが遅くて盛り上がりに欠けるというか
でも盛り上がりに欠ける作品というのは他にもあるわけで
それでも何か感ずるところはあるのですが…

やはり期待とのギャップなのか?
いやこれは期待どころか嫌な予感がしていた映画なわけで
そういうわけでもない。
う~ん、よくわからない面白くなさなんですね。

結局『モルグ』は観ていないので、どちらを観るのが正解だったのか
はたまたどちらもブッブーだったのかわからないのですが
とにかく見る気にさせないチラシというのはあるもの。

もう一つの悪い予感作品は
『太陽と桃の歌』
面白くなかった!というだけならそれはそれで仕方がない。
100%面白い映画に当たるわけではないのだ!

面白く無さの根源は、登場する父親の言動。
独善的で観る者を非常にいらいらさせる。
そして、この父親のみでなく、家族全員がいろいろと問題を起こすのですが
この問題が解決しないならまだ良い。解決しない問題もあるだろう。
いつのまにかこの問題がなかった事のようになっているのが何なの?
なのです。

ま、盛り上がりがなく面白くないというよりも、
妙に神経を逆なでする映画だったのです。

で、「外したな」と思う映画は他にもある中で、
分析すべきポイントは何だったかと今一度整理してみると
そう、何故嫌な予感がしたのか?なのでした。

こちらの舞台はスペインは南国カタルーニャ。
北欧とちがって太陽燦燦、自然が一杯
チラシもご覧のようにカラフルです。

かわりらしい女の子もおります!

ホント、なんで嫌な予感がしたんだろう。
良く分からないんですけど、敢えて言えば
映画タイトルなのかなぁ?

太陽と桃の歌!その語感。
邦題なので、『ALCARRAS』という原題に非はありません。

今もてはやされている再生可能エネルギーなるいかがわしいものの代表
太陽光発電所を設置するために、
地元農家の桃果樹園をつぶしてしまうという蛮行を題材にし、
自然保護のためそこら中で自然破壊をしまくる現代の潮流を
テーマとして取り上げつつも、
それを敢えて可愛く表現している邦題
理屈では悪いものじゃあないんですけどねぇ。

結局何が悪い予感をもたらしたのかはよくわからないということですね。

しかしてイヤな予感がしたのに敢えて観てしまった映画は
今のところこの2つだけ
でその2つとも印象は芳しいものではなかったということ。

では的中率100%なのか!というと、そうでもない。
というのは期待していたのに、観てみるとがっくりという
作品も少なからずあるからです。

例えば、EU FILM DAYSのルーマニア映画『ルサールカ』
ん~。ルサールカは映画の舞台となったリゾート地の地名。
そこへ集まった終活中の老人たちが織り成すドラマ。
という事で
”そろそろ終活でもするか!”には早いにしても
少し興味が出てきた私はかなり期待をしていたのです。

たとえば老人たちの世話をするキーマンらしき女性の名前が
地名とおなじくルサールカと呼ばれているなど意味ありげな
演出が多いのだけど今一つその意図がよくわからないんだよな。

そういうときは監督に聞いてみよう。
そう本日はルーマニアからわざわざお越しの監督による
舞台挨拶&Q&Aがあるのです。

と観客の皆さん思ったらしく、もういつも以上にQの嵐

それで監督のお答えはどうだったかって?

Q:あの女性の名前をルサールカにした意図は?
A:得に意図はないんで、皆さん自由に解釈していただいて構いません。

Q:最後にあの老人が死を選んだ意味はこうでしょうか?
A:そいういう意味はないですね。
 ただいつかは人は死ぬものだということを表現しただけなので。

劇中の伏線やテーマについてあれこれ質問し、
監督のクリエイティブな見解を引き出そうとするのですが、
「特に理由がない」とかばっかりのお答えで
暖簾に腕押し監督”と呼ばせていただきたい。

結局40分かけて、40分もですよ!
多数の観客にトークショーの司会者まで加わり団結した一同が
躍起になってなにか意味のある話を聞き出そうとしたのですが
監督からは俳優や撮影地程度の情報しか得られず。

とうとう全員の心が折れる。

MCも(はぁ~もういいや!)という気持ちになったのか
『では最後にこの映画に込められたメッセージがあれば
一言お願いします』
『受け取り方は人ぞれぞれなので、特に私からのメッセージはないですね

それもないの⁉
もう究極の放置映画と呼ばせてもらおう。

つづいて『ヘヴィトリップ 俺たち北欧メタル危機一髪』
内容はタイトル通り北欧のメタルバンドが旅をする話ですが
これもキャッチコピーが ”屈辱のロードショー”ということで
大ウケ。

どれほどの屈辱にまみれるのかおおいに期待をもって見たのですが
屈辱無いじゃん!辛い目にはあうものの
メタルバンドとしての矜持を貫いてるじゃん!
とあまりにもまともな内容だったので、変に評価がさがってしまった。

最後におすすめ映画は?

トトムコンフィデンスによる採点95点以上の作品をご紹介して
終わりといたします。
(一応トップガン マーヴェリックを基準の100点としているのですが
 ジャンルも違うものが多く、今では絶対的な比較は難しい)

97点 コール・ミー・ダンサー(アメリカ)
   すでに本文でご紹介済ですね。
97点 初雪(フィンランド)
   フィンランドでの難民受け入れ申請をするイラン人家族のお話
100点 ダンシング・ピナ(ドイツ)
   これもご紹介済。
108点 いいひと(中国)
   これはいいね!さすが『熱烈』の大鳳監督。
   絶対おすすめです。   
120点 野球どアホウ未亡人(日本)
   あ、最終兵器はやはりこれか⁉

いや~、やっと1ヶ月間の闘いについて、
ごく簡単な紹介が終わりました。


12月の映画鑑賞データは以下の通り。

鑑賞日数 24日
鑑賞回数 31回
鑑賞作品数 27作品

11月から貯まっていた映画負債はおおよそ返済完了したのですが、
さすがに12月2日から22日までの21日連続の映画鑑賞、
その中に含まれる3週間分のWeek Day(15日=5日×3週)の
レイトショーは体力的に厳しい。

映画負債が解消したら、睡眠負債になってしまいました。

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