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対象にそった発信の仕方で社会により深く理解を求めよう

最近流行中のTikTokという動画を中心としたSNSをご存知でしょうか。
暇潰しに流し見をしている中でふと目に留まったとある動画をきっかけに思った事を今回はご紹介したいと思います。

---そのとある動画の投稿内容---

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)を持つ女性を対象として

『いつのまにかパートナーがダメ男・クズ男になってしまっていませんか』
『HSPを持つ女性の特性によりパートナーをダメにしてしまっていますよ』

これを見て皆様はまず何を感じ、どう思ったでしょうか?

まず初めに"HSP"とは何かを簡単に説明しようと思います。
"HSP"とはハイリー・センシティブ・パーソンの略称で、主に環境感受性や感覚処理感受性が極めて高い人たちを表す言葉です。
ポジティブやネガティヴな環境下においての環境刺激に弱く、普通の人よりも多くの刺激を受けている為に処理が追いつかなかったり、逆に情報を深く深く処理してしまい精神的心身的な疲れを伴ってしまうほどの感受性の強さを持つ人が対象となります。

HSPを持つ人を『繊細さん』という呼び方をする事もあります。
どうしてそんな呼び方をするのでしょうか。それはHSPを持つ人たちの特性から、とても心が繊細で傷付きやすく疲れやすいからです。

HSPの繊細さん達の特性をまとめてみました。

①深く情報を処理する
場や人の空気を深く読み取る能力に長けていますが、情報を読み取りすぎる為に必要以上に疲れてしまう原因になります。

②過剰な刺激を受けやすい
HSPの人は外部からの刺激に敏感な為、人混みや物音・光・食べ物の味やにおい、身に付けるもの、気候の変化、人が発するエネルギー等、五感で受ける刺激に対して過度に反応する傾向があります。さらに、相手の感情や周りの雰囲気、気候の変化や電波(電磁波)、目に見えないエネルギーに対しても敏感に反応しやすいとされています。

③共感しやすい
親や自分の周りの人の感情を読み取り、自分を合わせることが多いのも特徴のひとつです。また小説やドラマ、音楽などで、作品に強く感情移入する事もあります。

④心の境界線が薄い・脆い
心の境界線とは、自分のテリトリーもしくは自分が自分であるためのバリアのようなものです。HSPの人はこの心の境界線が薄くてもろいため、容易に相手からの影響を受けてしまいます。その性質は人の気持ちを敏感に感じ取り、深く共感する一方で、相手に対して過剰に同調したり、相手の気分や考えに引きずられ周りに流されてしまうなど、本音がわからずに自分を見失ってしまうことがあります。

⑤疲れやすい
HSPの人は刺激に敏感であるが故、疲れやすいという特徴を持っています。いつも周りに気を遣っている為、楽しいことであっても疲れてしまうことがあります。
疲れやすいのは『何かをしている時』に限りません。HSPの人は普段から無意識に周りの刺激をまるでアンテナのように拾い集めてしまっている為、人混みにいる時や周りのネガティブな感情、環境に巻き込まれている時にも大きく体力や精神力が消耗しています。

⑥自己否定感が強い・自尊心が低い
HSPの人はその繊細さから、対人関係において余り相手を責めることをしません。良心的で優しく、相手のことを優先する傾向があります。
その半面、相手のことを気にするあまりに些細なことでも「自分が悪いのではないか」と自分を責め悪い方向に考えてしまう傾向もあります。
ネガティブ思考が強く自分に自信がないため、周りからの怒りの標的にされることも多く、自分の本音を隠してしまうことから人との関わりが苦手という特徴があります。

前置きが長くなってしまいましたがこれらの特性を踏まえ、今回目に止まった発信者の内容について触れていきたいと思います。

発信者は
HSPの人が自身の特性として相手を優先して自分を後回しにしてしまったり流されやすい性格、そして相手の刺激にならないように自分の本音を隠し多少嫌な事でも相手の言うことを受け入れがちになってしまう性格により、相手をつけ上がらせてしまったり相手との上下関係ができてしまう。

という発信の仕方でした。
実際にHSPを持つ私がこの動画を見て思ったのはまず、HSPは女性に限らず男性でもいるんだけどなという事。
そしてどうして『こういう行動を取りがちだから、自分が辛くなってしまうこともあるんだよ』という本来伝えたい内容があるのに対象となる敵を作ってしまうんだろうか。

大きくわけでこの2点です。
敏感だからこそ、引っかかってしまったわけです。相手を思いやれず自己中心的になってしまうパートナーが人として悪いだけであって、HSPさんのせいではありません。

確かにHSPさんは前に挙げた①〜⑥の特性を持っている為、悪い相手にとっては自分の手元に置きやすい、支配しやすい人と認識されて利用されてしまう可能性が高いと思われます。
ただ、それはあくまでもそういった考え方で近づく相手が悪いだけなのです。

発信の仕方一つにより、HSPの方へのアドバイス的な発信のつもりがこうして私のように捉えて悩んでしまう種になってしまう事があります。

では、今回の場合どういった発信をしたら良かったのでしょうか。

改善点はただニつ。
『敵を作らない』
『男女どちらかだけを対象としない』

敵や絞った対象を作ってしまうことにより、HSPさんだからこそ『私が悪いんだ』『私が大切なパートナーをダメにしてしまっているんだ』『私は男に利用されているのか』そう考え悩んでしまうこともあるのです。HSPさんを対象とする発信であれば、HSPさんの特性を理解した上で刺激を最低限に発信をする事が大切なのです。

今回はHSPさんを例にお話をしましたが、HSPさんに限らず、世の中の少数派である、まだ社会にはまだ中々知られていない悩みや症状を抱える人を対象とした発信をする際には、ただでさえまだ肩身狭く感じている世の中であるからこそ細心の注意を払って、発信することが重要だと思います。そうすることにより、本来の目的である本当に伝えたい内容がより深く皆様に伝わりやすくなるのではないでしょうか。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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