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23/8/9 made
長期休暇を持て余さないための方法論はあまた存在し、またそれがいかに効果的でないということもまた周知の事実である。
しかし、あるひとつの、ほんの小さな変化を意識的に行うことで意外にも容易く物事は変容する。
例えば、いつも降りるバス停での一幕にほんのひとつまみのイマジネーションを加えてやる。
それは父からの一報、バス停に新しく雇った専属メイド(同年代)を遣わせたとの旨、音楽を急遽イエモンのSPARKに。車窓から外をのぞくとバス停にメイド服を着た女の子が見えるとイヤホンは外し、前髪を中指と薬指でサッサと整える。バス停での会話もそうだが、その先にあるこれからの彼女との生活を想像し緩んだ頬にひとまず深呼吸し落ち着かせ、ポケットからicocaを軽やかに取り出しバスを降りる。きっと荷物を持とうとするだろうが一回断っておこう。「いいってこんくらい持つよ」「いえ、仕事の一環ですので」ほぉーん、意外とお堅いタイプなのね。昼休憩で読書中に寝落ちして、机に突っ伏したまま静かに寝ている彼女にそっとブランケットをかけたい。ちょうど起きたタイミングで「はい、これ」といれたての紅茶を一緒に飲みたい。一緒に行った植物園でラベンダーの花に微笑んだ彼女にドキドキしたい。夏祭り、さすがにメイド服は、ということで着た浴衣に見とれつつ、並んで歩く。屋台で威勢のいいあんちゃんにカップルと間違われるのだろう。
あーーーーーーーーーーーーー
後は頼んだぜ
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田中達也さんのminiature life展2に行った。一つのモノに対する再解釈、意味づけのされ方が良く、また写真の撮り方も作品のイメージを形成するうえで重要なものなのだろうなと感じた。また、人のミニチュアによってもサイズが何種類かあり、なぜ田中さんはこのサイズのミニチュアを選んだのだろうか、などと観察しながら回っていると楽しかった。