社会復帰するまで21
こんにちは。今日お昼間にかなりのカミングアウトをしました。
別に隠すつもりもないので、良ければご覧ください。
さて、無事装具が完成してからリハビリメニューが一段と厳しくなりました。
車椅子は没収され常に歩いての生活。歩いて退院すると意気込んでいましたが、いざ車椅子が無くなると足にかなりの負担がかかりました。
朝一のリハビリは、常に筋肉痛の大腿四頭筋をストレッチをしハムストリングスを伸ばし、昼からハードなメニューをこなす毎日。気分はほぼアスリートになっていました。
Y先生は少々無茶をしても大丈夫だという算段が、この時期にはあったのでしょう。
ある日Y先生から
『よし、だいぶ歩けるようになってきたしもっとキツイ負荷をかけてみようか!』
という聞きたくもないワードが飛び出しました。
僕は言われるがままにリハビリ室の端の方へ移動し、数人のPTさんに手伝ってもらいながら謎の器具を装着しました。
『toshi君ええか?これはジャイアンツの長嶋さんも使用した体重の負荷を軽減する器具なんや。今からこれを使ってトレッドミルで歩いてみようか!』
………
確かに装着された器具は天井近くの機械とロープのような物でつながっており、体が少し持ち上げられている感覚があります。
『オッケー準備万端!このままトレッドミルに乗ってみようか!』
??
いわゆるランニングマシンの上に乗っていました。
少し器具の形は違いますがこんなイメージです。
これでまずは時速3km、健常者でゆっくり歩くぐらいのスピードです。
このぐらいのスピードは健常者だと遅く感じると思いますが、普段ヨタヨタ歩いている僕にとってはなかなかのスピードです。
『どう?いけるか!?』
正直かなりキツかったですが、心の中はなめんなよ!って気持ちで…
『全然大丈夫!余裕やで!』
するとY先生はこれでもかってぐらいに速度を上げていき、僕も意地になって余裕余裕!と耐えていました。
そして気が付くとトレッドミルの速度は7kmに達していました。
これは健常者の方でもかなりの早歩きのスピードです。
さすがに僕の足の限界も近づいてきて、トレッドミルのゴムのベルトに足が追い付かなくなってきました。
『がんばれ!まだいける!限界を決めるな!!』
もはやY先生の声は耳に入ってこず、一心不乱に足を前に運んでいました。
……
息も上がり、もはや足を持ち上げる事も出来なくなってきた頃限界を迎えました。
…!!!
めっちゃ前のめりでコケました(笑)
幸い上から吊るされているので大事には至りませんでしたが、リハビリ室に一瞬異様な空気が流れました。
『あ~!もうちょいいけると思ってんけどな~!まだまだ筋トレが必要やなぁ!!』
他のPTさんが身を乗り出して心配そうにこちらを見ている中、Y先生は笑っていました。
『いきなりスピード上げすぎなんやって!もうちょいゆっくりしてくれた全然いけるわ!!』
二人の会話を聞いてPTさんはおろか、他の患者さんもポカンとした顔をしていました。
この頃には僕とY先生に、特別な信頼関係が出来ていたように思います。
ホントに今考えると、この人に担当してもらってよかったな。
続きは明日書きますね。