"親の決心"と"子供の気持ち"
みなさんは
『これって きっと上手くいかないだろうなぁ・・・』と
思ったり感じたりしながら
物事を進める時はありますか?
『そんな事は、普通しないよ~』
『分かってたら、やらないよ』と
声が聞こえてきそうですが。
ある母子家庭の親子がいます。
母親と娘。
娘は、お付き合いをしている方がいて
2人でそろそろ両親に挨拶に行って
結婚しようかと考えていました。
母親は娘にお付き合いしている方が
いるのは以前から話は聞いていました。
本来なら娘が幸せそうに
好きな人の話をしている姿を見るのは
楽しいものなのですが
母親は違っていました。
『もし、今お付き合いしている方と
結婚となったら、きっと上手く行かない。
娘には、今の方は合わない。』
いつもそう感じていたそうです。
それが"親の勘"なのか"女の勘"なのか
分かりませんが
なぜか頑なに彼氏に会おうとも
しませんでした。
『会って欲しい』と言う娘の話を
理由をつけては、はぐらかし
業を煮やした娘は、ある日
母親に聞いてみる事にしました。
『どうして会ってくれないの?』
『あんたとあの人は、合わないわよ。
結婚しても、すぐに結婚生活に耐えれなくなって
あんたは離婚する。』
『会ってもいないのに、どうして、そんな事分かるのよ!?』
会う会わないの話をする時には
必ずと言っていいほど
母親と娘は言い合いになりました。
娘は、このままでは
"結婚出来ない"と思ったのか
強引に彼氏を自宅に連れて行き母親に会わせます。
娘のやり方にあきれ返りながらも
母親は彼氏を客間に通し
話しをしました。
その席でも母親は
娘だけでは無く、彼氏の方にも
ハッキリ言います。
『あなたとうちの娘は性格が合わないと思う。
結婚しても、上手く行かないと思うわ。
だから、私は結婚には反対です。』
母親が自分の将来を共に生きて行こうと思っている
大切な人に酷い言葉を話すのを聞き
娘は一言、言い放つと家を出て行ってしまいました。
『結婚するのは、私であって
お母さんじゃない!!
私が結婚して家を出るから
お母さん、一人になるのが嫌なんじゃないの!?』
酷い言葉と分かっていた娘でしたが
そうでも言わないと自分は一生
結婚出来ないのでは?と思ったそうです。
家を出て彼氏の家で一緒に暮らす様になって
1年が経とうとする時
母親から1本の電話が入ります。
『そんなに好きなら、結婚しなさい。』
母親の一言で
娘の結婚話は、一気に進みます。
母親も娘の晴れ姿を見て涙を流していました。
それから3年ほどが経った頃。
娘は母親が心配していた通り
"離婚"していました。
原因は旦那のモラハラでした。
娘は常に旦那の言動に怯え
言いたい事も言えず
旦那に罵られている内に
いつの間にか
『私は何をやっても、ダメな人間』と
自分を責める様になっていました。
母親は今の娘の姿が見えていたのでしょうか?
だから反対していたのでしょうか?
結婚を許したのは
どうしてなんでしょうか?
本当に納得して結婚を許したのでしょうか?
母親は・・・娘が離婚する1年前に
亡くなっていました。
ガンが全身に転移しての最後だったそうです。
自分がガンと分かり
余命宣告をされた日
娘の結婚を許した様です。
母親の最後の言葉。
『自分がお腹を痛めて生んだ子だから
性格が合わない、合うはわかるのよ。
それでも、娘に"どうしても結婚したい"って
言われたら、仕方ないでしょ?
駄目かも知れない
でもお互い努力すれば"幸せ"になれるかも知れない
そんな想いの中でも
どうしても・・・どうしても、最後に・・・』
『幸せそうにウェデイングドレスを着て
微笑む娘が見たかったのよ。
私がいなくなって娘が1人なると思うと
耐えられなかった・・・。バカな親でしょ?』
本日の"学び"
"親"は
本当に無償の愛を注いでくれる人だと思います。
それと同時に
誰にも理解されず
1人寂しい想いをする事もあると思います。
それでも
"親"は自分が"生んだ"と言う責任の元
子供の幸せを追い求める者なのでしょうね。