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最高の喜び 10 かかってこんかい!
結婚する事に決めたし、さて!
日曜日に、ドキドキが待ってるし、どんな顔してたらええのんかわからんけど、まぁ、お父さんとお母さんでもない。でも、この面談で、印象悪かったらこじれるんやろな。
夕方、指定されたお店へ、2人で訪れた。
緊張してるからか、げんちゃんと途中、なにを話したのかすら、どこのお店やったのかも、今、全然マジ覚えてないねん。
ただ、どっかの地下に入って行った事だけ、ぼんやりとしか。
なに聞かれてんやろな?
なに喋ったんやろな?
これも、情けないくらい覚えてないねん。
ただ、従兄弟さんが
なまったイントネーションで、
「けんじくーん。」って、何度も、そして
「よしえさーん。」って、何度も
この声だけめっちゃ覚えてる。
なまってる言葉が、九州を彷彿とさせ、あーーどんどん宮崎を物凄く近く感じた。
従兄弟さんは、結構笑顔で、あたしの予想って言うか、怖〜い感じて、どうなってるんだ!って、詰問状態を、勝手に想像してたもんだから、少し、力が抜けてきて、ホッとしてんな。
それに引き換え、げんちゃんといえば、下から上を睨みつける眼光で、口をへの字にして、
かかってこんかい!
って、心の声聞こえてきた。
またもや、怒った顔で、
「わしが結婚したいってゆうちゃけん、よしえさんに、やっと了承してもらったことや。
親父は、心配要らんちゃ!わしももう大人やぞ、にいちゃんにはなーんもおもとらんけど、わしはこうして呼び出された事、納得いっとらん!」
そう言うたきり、ほぼほぼ、口をきかんかった。穏やかな従兄弟さんは、まぁまぁと、げんちゃんをなだめながら。あたしはまたもや、アホみたいにヘラヘラしててん。雰囲気悪いし、これでええかどうかわからんけど、どうしてええかわからんし、それしかなかってん。だからヘラヘラしながら、ずーっと黙ってた。
どこがどうかわからんけど、従兄弟さんは、笑顔で、何でかもわからんけど、親父さんに、安心するように伝えておく、って帰っていきはった。
残されたふたり。
あーー終わった。げんちゃん、やっとおわった。やっと、笑顔のげんちゃん。
第一関門?突破か?
なんて言いはんねんやろ?な?ヘラヘラしてる女やったって?
でもげんちゃん、興奮冷めらさず
何にも言わせへん。からなと、
ホンマ?
何が、あかんねん。
こんな風に面接される事も、わしは。
大丈夫。わしがおるからようちゃん。
今日はありがとう!ゴメンな。
ぜんぜん!想定内やで。
なーんだか疲れて(笑)しもたなー。
この後、ビールを飲んだかもしれんけど、きっと飲んだな。でも、また、覚えてないねん!
頼りないなーー。あたし。
ではでは