4/30 日記というか雑感というか#9
私は親戚から本をもらい、夏目漱石が数冊、森鴎外が一冊家にあるのだが、今まで目を通していなかった。何か手書きで文書を書きたい気分だったので写経しつつ目を通してみることにした。
手をつけたのは森鴎外の雁からである。一番ページが少ないということで選んだ。森鴎外というと舞姫のイメージがあり、とても読みにくいイメージを持っていたのだが全然そんなことはなかった。写経しつつであるためまだ最初しか目を通せていないが、読書をあまり嗜んでこなかった私でも普通に楽しめている。
ところで、私は非常に単純な男である。雁に登場する『私』と作品の中心人物となる『岡田』が古本屋によく行くという記述があるのだが、早速私は影響を受けて近くに古本屋が無いかネットで探した。そしてどうやら近くにあるらしいということで外出自粛中だが歩き回って探してきた。
場所は意外と近いところで、これは良かったと思ったが、現在はCovid-19の影響にて閉店中だった。そりゃそうだと思うが、その古本屋がある商店街はほとんどの店が閉店していた。私のすぐ近くの場所にある店は営業している店が多かったもので、案外営業しているんじゃないかと思っていたのだ。私は少し残念に思うと同時に緊急事態宣言がちゃんと効果を発揮しているらしいと実感できた。
私はあまり本を読む人間ではない、というのも、面白いと感じた本があってもその作者の別の本を読んでみよう、とは思えないのだ。その作品が面白いだけであって他の作品も面白いと保証されたわけではない、というのが私の主張だった。
しかし私も成長したのか、年老いたのか、他の作品も読んでみたいと思うようになってきた。純文学と言えばいいのか、分からないが有名な作家の作品で私が面白いと思ったのは三島由紀夫の『金閣寺』である。そして今回の森鴎外の『雁』も今のところ面白いと感じている。今までの私の経験上、肌に合わない作品というのは1ページ目から合わないのでおそらく雁も読み終えた時点でも面白い本だと認識していることだろう。
緊急事態宣言が延長される、という話がある。古本屋は緊急事態宣言が終わる予定の5/6まで休むと書いてあったが、延長されるとどうなるかはわからない。だが営業が再開されれば、とりあえず私は三島由紀夫と森鴎外の作品を探してみたいと思う。古本屋という場所にほとんど行ったことがないのでどんな場所か知らない怖さはあるのだが。
今、私は本を読みたい欲に襲われている。記憶にある限り小学校4年生以来な気がする。せっかくの欲が失われないうちに趣味として定着させたいものだ。