皆が知る沖縄、知らない沖縄
トタン家には沖縄料理が幾つかあって、店主のバチはお客さんからの「一杯どうぞ」もやんわり雑に断り、黙々と店主専用の泡盛を、島らっきょうを摘み食いしながら飲んでいますね、
全国を渡り歩き、私が沖縄に住んでいた時のお話は、また別の機会にここで紹介しますが、今回はバチが沖縄愛がどうのとかでは無い、ちょっと沖縄を皆に知ってもらいたいってお話。
んじゃ、始めますが、
「明日はどこそこで飲みにいこう」
と誘われて、
「行けたら行くわ〜」
と答えるのは、
大阪人は「ぜったい行かない」という意味で、東京人は「よっぽどの用事がなければ行きます」という意味、まぁこういうのはバラエティー番組のケンミンショーとかの街頭インタビューでもその差ははっきりしてるからわかるよね。
沖縄の人は
「雨が降ったら行かないさー、たぶん・・」
という意味くらいらしい(笑)
沖縄の人は約束をやぶっても、やぶられても、あまり気にしないし、時間も守らないし守られないからってガタガタ怒ったり喧嘩になったりしない。
例えばコンサートチケットを前売りで買うより当日晴れたら当日券が売れる、雨がふって出歩かないのは「傘を持ってないし」とかそんな感じ、
路線バスは全然来ないし、頼んでもいないのにタクシーが止まってドアがあく
「乗って行くね?(乗っていきますか?」ナンパかよ!?って感じです
沖縄の人はテキトーでおおらか♪
でもナイチャーのことは基本嫌い。
ナイチャーってのは内地(沖縄の人じゃない日本人)ってこと、先に書いたように、おおらかで滅多に怒らないはずなのに、沖縄に移住したりすると、
「やぁ!(おまえ!)ナイチャーね!何しに来たさ!💢オルァ」
とイキナリ怒られたりする、
でも、仲良くなるのも簡単
彼等とシマざけ(泡盛)が飲めたらOK
それでOK、ノープロブレム♪
居酒屋で「なに飲む?」っと聞かれたら「シマちょうだい」っていって
ウチナー(沖縄の人)と泡盛をガンガン飲んで、民謡のいくつか覚えて「イーヤーサーサー!」と掛け声を掛けれるようになって、
「住民税?払うわけないよ〜、なんで自分の家に住んでんのに住民税さー」
と、
10人が10人言っても
驚かなくなればいい、それで仲良くなれるってことじゃなく、仲良くなろうと努力してる自分がアホに見えてきたらこっちのもんってこと、
そもそも沖縄の人はたとえ怒っても長続きしない
スナックのママがツケばっかりする客にキレて、
「あんた!死なすよ!!!」
と、いきなり何故かオリオンビールの潰した空き缶で殴りかかって、客の顔が血だらけになっても翌日その客はちゃんと来るし、手土産なんか持ってくるし
ママは「いらっしゃーい!」と普通にニコニコだし、
「今日も2千円しかないよー」「あらいいのよ〜」
で、飲みだして、そのうちまた酔っ払ったママが昨日みたいにキレて暴れる・・・💨
内地の人からすれば、どこにポリシーがあるんだかさっぱり理解不能だけど、結局そのときの気分次第、あまり深いことは考えない。
もともと戦争なんかより、愛国心なんかより、ましてや義理や人情なんて固いことより、色恋のほうが重要だから民謡も色恋の唄ばっかり、
あとは海や風の唄ばっかり、それが素敵な沖縄…
それをふまえて、
沖縄戦の悲惨さが彼等のナイチャー嫌いの根底だってことは、うちらナイチャーは少しくらいは理解しないといけない気がする。
内地から行った日本兵が彼等に強いたこと、アメリカの海兵隊がやったこと。
内地から「頑張れ沖縄!」と言われ逃げることもできずにどんな悲惨な歴史があったのか…
少しでもそれを感じることが出来る機会があるのなら、あえてそこに触れていかないと、やっぱアカンと思うんだよね・・。
アマプラやU-nextで「ザ・パシフィック」ってドラマを観れるのですが、
(動画はショッキングです、残酷で悲しすぎる映像に感化されやすい方はご覧にならないでください)
これはその中の沖縄、
動画に出てくる若い母親が叫んでいたのは、
「うにげーさーびら!」
「ザ・パシフィック」の全体を通して度々出てくる場面がある、
それは日本語(沖縄弁も)を解さない米兵が日本兵を殺す時、そのセリフの痛ましさは吐き気がする、
「天皇陛下万歳!」
ではなく、例えば追い詰められた男の子が泣き叫ぶのは、
「トージョーがなんだよ!おかあさん・・おかあさん・・ちくしょう・・撃てよ!撃ちやがれ!」
そして彼は射殺される
彼が何を叫んでいたのか米兵は誰も知ることはない。
映像の沖縄の若い母親は「うにげーさーびら!」と叫んでいる、うにげーさーびらってのは、沖縄で「よろしくお願いします」って丁寧語の挨拶なんだけど、
自分が殺される時、我が子が殺されるって時に「よろしくお願いします」って言う母親がどこにおるんじゃ!💢
ってことなんですが、
その言葉の意味を米国人も理解しないしTVを見ているナイチャーも理解しない。
そこに壁がある
TVの前のナイチャーのためにわざわざこの映画は、沖縄の言葉はそのまま使われて翻訳はされない、何故かって?
自分らはウチナーを無視したナイチャーだから。
とても情けない…
とても申し訳ない…
でも、だからこそ、うちらウチナーも何か些細な機会でも、色々と少しは考える時があってもいいと思う、
テレビで「いちゃりばちょーでー」「ちばりょー!」と書かれたTシャツを着て、意味も分からずはしゃいでるナイチャーの修学旅行の高校生を見て思ったんだんだが、それって、胸に意味も知らずに『台所』って刺青を彫った外国人と同じじゃないかって…
ちなみに、「いちゃりばちょーでー」ってのは沖縄で、
「一度会ったら兄弟」(人類皆兄弟的)
で、「ちばりょー」は頑張れって意味、そういう素敵で素晴らしい言葉の本質や、その裏にある悲しい歴史も皆んなに知って欲しいのです。
ちなみに、カラオケで歌われる「島唄」の本来の意味はこうです、
でいごの花が咲き(災いを呼ぶ花が咲き)
風を呼び 嵐が来た(米兵がやってきた)
沖縄旅行に行って、カラオケで沖縄の人の前でこの内容をニコニコと得意げに歌ったとして、逆の立場だったらどう思うのか?とか…
自分はこの群馬の草津温泉で、島らっきょうとか、ソーキ(豚バラ軟骨煮)とか、テビチ(豚足煮)とかの沖縄料理を出し、泡盛の残波を飲みながら、日本全国から訪れる観光客に、ほんの少しでもいいから、沖縄の素晴らしさを、沖縄の真実を伝えられればと思うのです。