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温故知新(詰パラ309号)

 今日は詰パラ309号(昭和56年11月号)を読んでみることにしよう。学校を覗くと、偶然遠打をテーマとした短編が2作あった。早速引用してみよう。

           有吉弘敏

(詰パラ 昭和56年11月号)

46馬引、同桂、21飛、25桂、19金、38玉、37金、同桂成、27飛成、
同成桂、47馬迄11手詰。

 玉方の飛車にぶつけて21飛。それに対して25桂中合。無双第十番を上下ひっくり返した構図だが、中合の桂を跳ばせて遠打の飛も最後に消し去るまとめはやはり現代のもの。半期賞受賞作。

 高校には、添川氏の構想型短編が。これも引用しておこう。

           山葉 桂

(詰パラ 昭和56年11月号)

94飛、55玉、85飛、56玉、96飛、86桂、同飛寄、57玉、55飛、同と、  87飛、56玉、48桂、46玉、36金迄15手詰。

 こちらは二枚飛車の遠打。間違いなく作者は、山本民雄作と上田吉一作を意識していた筈だ。山本作では飛が一枚最初から置いてあるが、上田作では角を二枚とも遠打することに成功している。では、飛を同様に二枚とも遠打することはできないのだろうか…?ここらへんが創作のモチーフだったことは想像に難くない。先人の模倣にとどまらず新たな要素を付け加えようという、作者の明確な意志が見て取れる。

          (参考図1)山本民雄

(詰パラ 昭和45年11月号)

27角、同馬、99飛、38玉、57銀、37玉、48銀、38玉、37銀、同玉、
97飛迄11手詰。

          (参考図2)上田吉一

(詰パラ 昭和47年3月号、第11期看寿賞中編賞)

17角、73玉、37角、84玉、59角、48歩、同角行、95玉、73角成、
84金、同角行、同歩、86金、94玉、95歩、93玉、85桂、同歩、94歩、
同玉、95金、93玉、84金迄23手詰。

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