温故知新(詰パラ329号)
今日は詰パラ329号(昭和58年7月号)を読んでみることにしよう。まずは中学校に好作を2題発見!
宇佐見正
48金、29玉、28角、同玉、38金、同玉、39金迄7手詰。
作意だけ見るとごく普通の手筋物に見えるが、実際に解いた人からの評価はかなり高く、平均2.79の高得点を叩き出した。6手かけて原形から角を消去するのだが、作者はそういう形式的なことより、初手で打った金を擦り寄る感触の方がお気に入りだったに違いない。
秋元龍司
22金、42玉、52金、同馬、41飛成、同馬、43金打迄7手詰。
名手秋元氏にかかると、打ち捨て物も一筋縄ではいかない(実際、初手23金としてコケた解答者が続出した) 。52金-41飛成の連続捨駒の感触の良さは、やはり手筋こそ短編の王道なのだと改めて感じさせてくれる。
そして高校には、高橋氏の記念すべき詰パラデビュー作も載っている。これは是非紹介しなくてはなるまい。
高橋恭嗣
24角、41玉、61飛生、32玉、62飛生、52歩、同飛生、23玉、53飛生、
43桂、同飛生、24玉、36桂、同香、25歩、34玉、46桂迄17手詰。
作者は易しいミニ飛鋸趣向の心算だったらしいが、6手目の歩中合を見落とした誤解者が続出。(何と、解答者74名中38名が誤解!)今でこそ見慣れた感じがする手数伸ばしの中合だが、この頃はまだそんなにポピュラーな筋ではなかったらしい。作者は本作で「初入選で半期賞受賞」という快挙を成し遂げた。