温故知新(詰パラ321+322号)
今日は詰パラ321号(昭和57年11月号)と322号(昭和57年12月号)から、短編を紹介してみることにしよう。
秋元龍司
84角、同歩、82銀成、85玉、96飛成、同玉、86金迄7手詰。
変化に意味を隠した銀成そっぽ。創意溢れる7手詰として記憶すべき作品だ。
尚、この筋は小林敏樹氏も後に短コンで使っている。秋元作と対照的に、成の意味が作意ではっきり現れる様な作り方をしているのが面白い。
(参考図)小林敏樹
27角、同と、53銀成、56玉、55飛、同玉、54龍迄7手詰。
石川清文
33銀生、12玉、24桂、13玉、23桂成、同金、12桂成、同香、22龍、
同金、24銀成迄11手詰。
33銀成で簡単に詰みそうだが、13玉で不詰。13玉に対して24銀成を用意した不成が正解。24桂以降は手なりで進むが、感触は悪くない。ちょっとした一手+捨駒の収束。短編はこれでいいのだ!
赤羽 守
92角、93玉、83角成、同玉、82龍、同玉、92飛、83玉、75桂、84玉、
95飛成迄11手詰。
これが短コン首位作。変化も厚く、収束が見えないので作者名との相乗効果で余計に難しく感じる。初形で93香が邪魔駒で、それを消す為に92角と打つとこれがまた邪魔駒になるのだが、この構想と82龍捨てで捨駒なしの5手収束を支え得ると判断した作者の感覚がスゴイ。