世田谷区を駆け抜けろ!第19回世田谷246ハーフマラソン 79分56秒
※お食事中の方はご注意下さい
大会に臨むにあたって
出場の経緯
世田谷246ハーフマラソン(以下246ハーフ)には初めて出場した。
序盤の4㎞ほどではあるが国道246号を走ることができ、人気のわりに定員が1800名程度と少ないため倍率4倍前後と言われる狭き門である。
近場だし出てみるか~ぐらいの軽いノリで初めて申し込んでみたところ、なんと当選。
故障明けではあるが、せっかく当たったのだから出ることにした。
練習について
9月の前半に左脚を痛め(大転子滑液包炎)、それに引きずられる形で年明けに痛めた腸脛靭帯炎と膝蓋下脂肪体炎も再発してしまった。
しばらくは運動できず、痛みと付き合いながら走れるようになったのは10月半ばから。ジョグを中心に、多少ペース走ぐらいはできるようになってきた程度で本番を迎えることになった。
スピード練習をあまりやっていないので、どのくらいのペースで走れるのかも分からなかった。1週間ほど前に20㎞走をキロ4分弱でできたし、とりあえず82分を目標とした。
シューズ
シューズはミズノのウェーブリベリオンプロ2。
非常に癖の強いシューズで、100㎞ほど使って慣らしてみたが、正直まだ使いこなせている感じはしない。
ただクッション性がものすごく高くて脚に掛かる衝撃を吸収してくれるし、反発力も強いので正しく着地すれば間違いなくスピードは出る。
果たして、21㎞=約14000歩を乗り切れるのか。ここは賭けに出ることにした。
このシューズについては別に記事を書こうと思う。
本編:レースレポート
スタートまで
朝は5時起き。実は目覚ましを掛け忘れていたが、最近睡眠障害気味なので普通に起きられた()
いつも通りの朝食を取り荷物をまとめ、最寄駅から東横線都立大学駅へ。
2㎞ほどを歩いたり軽く走ったりしながら身体を目覚めさせていく。
会場に着くと受付で参加票を渡し手続き完了。裏面にはNFCタグみたいなものが付いていたが、その場では読み取っていなかったので発送手配で使うものなのかな。
気温はそこまで低くない。アップは軽くジョグと流し程度で体力を温存する。
何しろ練習量が全然足りていないので、アップをし過ぎると21㎞走る分の体力まで削ってしまう恐れがある。
心配されていた雨も何とか降らないらしい。早めにレースウェアに着替えて荷物を預ける。
家のトイレで軽量化を済ませてきたし、トイレの個室は結構並んでいるので小のみでスルー。
この判断が後に致命傷となる。
整列は競技場のトラック上。
私のいるBブロックの前には青学や国士館など錚々たるメンツが並んでいる。なんか周りにいる人もみんな速そうに見える(大会あるある)。
軽く体操をしながら開催の挨拶を聞き、時刻は午前8時30分。
大きな号砲とともに、久々のハーフマラソンが幕を上げた。
スタート~5㎞
申告タイム順にスタートブロックが振り分けられているため、スタート直後からいい感じのペースで集団が流れていく。
スタート直後は高揚感で飛ばしすぎるのはよくある失敗。まずは無理せず自分のリズムを掴むことを優先する。
ラン仲間のQ太郎さんが公園内で応援してくれていたのでとりあえず声を掛けて手を振る。少し寂しい単独参加だったが、知り合いからの「行ってらっしゃい!!」の声に元気が出た。
しばらく公園内の走路を走って、すぐに国道246号線に飛び出していく。
天下の国道246号を走れるのがこの大会の売りだが、お世辞にも走りやすいとは言えない区間だ。
普段引っ切り無しにバスが走る道路左端はひび割れだらけで穴も開いている。意外とアップダウンがありリズムを掴むのが難しく、ビルと首都高の高架に挟まれているのでGPS精度も下がる=ウォッチでペース管理もしにくい。
このことは事前にわかっていたので、当然対策は考えていた。
交通規制がされているのは左寄りの1~1.5車線のみだが、可能な範囲でちょっと右寄りを走る。ペースはGPSに頼らず、主観強度とピッチでコントロールする。
何となく集団ができたり崩れたりを繰り返して、気づけば瀬田交差点のアンダーパス。ナトリウムランプのオレンジ色に照らされた、普段歩行者が入れない場所を走る非日常感にテンションが上がる。
すぐにバイパスから左に分岐し、二子玉川駅前にやってきた。ひと際応援が多い場所だ。やはり応援があるのは楽しい。
二子橋の左の脇道に入ったところで最初の5㎞。手元で17分59秒。
…やってしまった。オーバーペースだ。
せいぜいキロ3分45秒から50秒で考えていたのに、これではキロ3分35秒じゃないか。
でも脚はこのリズムにハマってしまったし呼吸もそう荒れていない。何キロまで持つかは分からない。でも行くしかないと腹をくくった。
5㎞~10㎞
ジャイアントストアの突き当りを右折して裏道から玉堤通りに復帰する。
小山ドライビングスクールの先の脇道に入って吉沢橋を渡り住宅街を砧本村に向かう。
この説明で誰が分かるんだ。
地元民しか通らないような道を繋ぎまくりながら進み、砧浄水場のところで初の給水所。喉は乾いていないが早めに水を貰う。
多摩川沿いに出て微妙なアップダウンと戦っていると、対向するサイクリングロード上をトップ選手たちが駆け抜けていくのが見えた。青学が多い。
こちらはまだ8㎞、向こうは10㎞過ぎ。
東名高速をくぐった先で折り返しがある。
ここでラン・自転車仲間のK-TAROさんが迎えてくれた。
前職のお客様も沿道にいて声を掛けてくれた。
応援が本当にありがたい。呼吸はすでに苦しいが、脚はまだまだ動く!
サイクリングロード上にあったはずの段差は、大半がテープで穴埋め・マーキングされていた。役員・ボランティアの方の気遣いに頭が上がらない。
ここでゲストランナーの横田真人さんに追いついた。
「横田さんファイトです!」と声を掛けると、「飛ばしすぎた~!付かせてください!」と返ってきた。元日本記録保持者を引っ張れて幸栄です。
そうしているうちに10㎞通過。この5㎞は17分54秒・・・あれ?落ちてない。
これは結構いい記録が出そうだと思っていた。この時までは・・・
10㎞~15㎞
二子玉川緑地運動場への鋭いダウンヒルをこなすと、二回目の給水。スポーツドリンクを貰うが半分くらいこぼして右手がベタベタになった。
脚全体に疲れは感じるようになってきたが、まだリズムは外していない。
しかし、この辺りからお腹の具合が悪くなってきた。トイレに行きたい・・・そこに公衆トイレがある・・・しかしタイムロスはしたくない・・・
色々逡巡しているうちにトイレがあるエリアは過ぎてしまった。
そのまま工事中でトリッキーなレイアウトになっている兵庫橋を抜け、しばらく未舗装路を走り二子玉川公園のところから玉堤通りに出た。
腹痛は急速に悪化してきている。せっかく全面交通規制の道路を走れる機会なのに、意識の95%は下腹部に向いている。
この腹痛が落ち着くか、少なくともフィニッシュまであと25分持ってくれ・・・そう祈りながら目黒通りへの分岐をしたところで15㎞通過。
この5㎞、17分57秒。
未だになぜこの状態でキロ3分35秒を維持できていたのか分からない。
15㎞~尊厳バトル~フィニッシュ
15㎞地点から先、環八通りとの交差点までが今大会最難関の上り坂である。
距離にして500m、勾配は5~6%だが、レース後半の疲労した脚には致命傷レベルのダメージを与えてくる。
ペースが一気にキロ4分まで落ちるが、とにかくピッチだけは崩さないように上る。一旦170弱まで落ちていた心拍も176まで上がり、呼吸が一気に荒れた。
さらにこちらは下腹部に爆弾を抱えている。体幹に不用意な力を入れるわけにも行かず、かといって歩みを止めることはできない。様々な要素での鍔迫り合いが続く。
何とか坂を上り切り、車の全くいない目黒通りを北上していく。この時点で悟った。フィニッシュまでは持たないと。
どこかにトイレは無いか。小規模な大会なので会場以外に仮設トイレの設置はない。コンビニを探す。
17㎞過ぎ、左折して駒八通りに入る。視界の右側にセブンイレブンが見えた。空いていそうだ。
迷わずコースを外れて入店、店員さんに「トイレをお借りできませんか?」と努めて冷静に許可を取り、そっとお借りした。
〜タイムは失ったが尊厳は守られた〜
店員さんにお礼を言ってお店を出る。
3分以上休憩したので呼吸も脚も回復している。体幹に力も入るし、残り3㎞は全力で行くことにした。
先行している選手をどんどん追い抜きながら走っていると、すぐに駒沢公園が見えた。ここからが意外と長く、公園のランニングコース(全長2170m)をたっぷり2/3周ほど走るのだ。
公園の入り口ではまたQ太郎さんが応援・撮影してくれていた。
再スタートからすぐはかなりいい調子だったが、やはり疲労が消えたわけではなくかなり苦しくなってきた。それでもあと2㎞、1㎞と距離は減っていく。
最後の折り返しを過ぎて、競技場の脇まで来た。あとトラック半周で終わりだ!
封印していたダッシュを解禁して、最後の力を振り絞りフィニッシュラインを駆け抜ける。
視界の端で公式時計が1時間19分台を指していた。
フィニッシュ後
フィニッシュするとアクエリアス一本と塩タブを受け取り、そのまま歩いてスタンドに戻る。
荷物を受け取って着替え、早々に帰路についた。
会場では他にもいろいろとイベントが続いていたが、体力も精神力も使い切ってしまったのだ。
さすがに身体が痛い。ダウンがてら歩いた駅までの2㎞がとても長く感じた。
あとがき
公式記録は1時間19分56秒。完走234人中の24位なので大体上位1割か。
手元の(トイレ休憩を引いた)タイムは1時間16分07秒だったので、スタートライン通過までのロスを引いても腹痛でのタイムロスが非常に大きかったのが分かる。
悔しい気持ちもあるにはあるが、体調をきちんと合わせられなかったこと・並ぶのを面倒がってちゃんとトイレに寄らなかった判断ミスも含めてレースなのだから仕方ない。
次戦は12月の伊豆大島マラソンだが、ここは旅行を兼ねたファンラン予定。
年明けの東京ニューイヤーハーフが本気で走る次のレースとなる。
冬の荒川は風が強そうだが、集団をうまく使って記録を狙いたい。
シーズンの最終目標は3月のさいたまマラソン。今のところ2月にレースがないので何か小さめのハーフか10㎞でも申し込もうかと思っている。
故障とうまく付き合いながら、着実に練習を積み重ねていこうと思う。
参加された選手の方々、大会を支えてくださった皆さん、お疲れさまでした。そしてありがとうございました!
またどこかの大会でお会いしましょう。
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