20-21CL.GLイタリア勢雑感

今回はCLのグループリーグが終わったため、そこでのイタリア勢について語っていきたい。別に全試合みていないのであくまで印象論。

ユベントス

最後にバルセロナをまくって首位通過のユベントス。サンドロなど抜けていた選手も帰ってきて、チームとしての形も徐々にハッキリしてきた。

ここ2シーズンユベントスはロナウドというタレントを得ながら、CLでのサプライズチームに敗れている。18-19シーズンはアヤックス、昨シーズンはリヨンだった。そのため、今季こそベスト4あたりを目指してほしい。ロナウドの選手としての期限も限られてきているので、CLでインパクトを残せるのは今季、来季あたりがチャンスになる。

ピルロのボール保持を大切にしつつ、ロナウドというスーパースターも活かす方向性のスタイルは、CL向きだと思うので期待していきたいところだ。

決勝トーナメント1回戦の相手はポルト。これまた手強く、今季のサプライズチームにもなりそうなチーム。マンC監督のペップに「ここまで守備的にくるとは」と言わしめただけあって、相手によっての戦術を変更する柔軟なチームだ。ユベントスにとっては、資金力に劣るが戦術で対抗してくるチームをしっかりと叩くことで、今季ピルロ監督を招聘した意味やクラブとしての成長を見せられるのではないだろうか。

インテル

厳しいグループリーグだった。シャフタールがサプライズチームとしてグループリーグをかき回した。ボルシアは完成度の高いサッカーを披露。そして不安定ながらハマれば強力なレアルマドリードが最後に本領発揮。ではインテルはというと勝負弱いという点でいつものコンテインテルだった。結果インテルはGL最下位。

戦術的要因としては、ガチガチにパス循環を決めているセットオフェンスのようか形を採用しているため、アドリブ性や意外性に欠いていて、対策されやすくなっている部分が見受けられる。また、攻守の切り替え、トランジション部分でのプレスなどの強度がCLレベルだと及第点に達していない印象だった。

コンテ監督自身、欧州のカップ戦ではタイトル奪取もなく、CLでも最高位はベスト16。チームの作り方自体が欧州レベルになると、少し古いのかもしれない。ただ、逆を言えば欧州戦に勝ち残れなかったことで、セリエAでは優位性を得たともいえるだろう。今季こそ、まずはセリエAタイトル奪取が目標になるだろう。

ラツィオ

GLのライバルであるドルトムントには1勝1分けと結果を残したものの、格下クラブ相手への取りこぼしや引き分けが多く、結果的には2位通過。チームの特長がボールを奪ってから素早く縦へ展開する攻撃なので、相手にボールを保持させられる局面になると単調さを感じる。これはセリエAを見ていても感じる部分なので、欧州では尚更だろう。

さて、決勝トーナメントの相手はバイエルン。昨季王者にして、今季も優勝本命チームだろう。バイエルンはキミッヒの離脱が響いているが、それでも中盤の層も厚く優勝候補には違いないだろう。

このバイエルンと対戦するにあたって重要なのは、ラツィオがベストメンバーを揃えること。これに関しては控えのメンバーも含めて離脱者なしで試合に臨みたい。両チームの力の差を考えると、ラツィオがベストの状態が望ましい。

バイエルンはボール保持とトランジションでのカウンタープレスからショートカウンターを得意とするチーム。ラツィオとしてはボールを保持される試合展開になるので、先制点やリードされると厳しい展開が待っているだろう。ミスのない完璧な試合展開でロングカウンターをいかに成立させられるか、セットプレーでもいかに得点できるかがキーになりそうだ。

アタランタ

グループリーグのライバルはアヤックスだったが、なんとか1勝1分、さらにグループリーグの本命リバプール相手には1勝1分けと結果を残して2位通過。アタランタの躍進はもはや奇跡ではない。

チームの特長は、マンツーマンの意識を強く持つこと点。そのため、一つ剥がされてマークの受け渡しやカバーのミスで簡単に失点するチームでもある。また、最近ではゴメスが去就をめぐってクラブと揉めているらしく、出場機会が制限されることも考えられる。アタランタのボール保持攻撃の核とも言えるゴメスが不在となれば、欧州戦はおろか、セリエAにも大きく影響する。ゴメスの今後には大きく注目だ。

さて、決勝トーナメント1回戦は、レアルマドリードとの対戦。正直言ってレアルマドリードは試合ごとにパフォーマンスが異なりすぎて、どのような試合になるのかはレアルマドリー次第だ。どちらにしろレアルマドリードがアタランタ相手にボール保持を放棄するとは思えないので、アタランタがどれだけロングカウンターを成立させられるか、ボール保持の時間を増やせるか、この2点が大きなポイントになってくる。個人的には得点の取り合いのような試合を予想しているので、そうなった場合にはチャンスをキッチリと決めきることもポイントだろう。


まとめ

今季のセリエ勢は厳しい組み合わせになった。そんな中でも唯一グループリーグを首位で通過したユベントスには期待したい。他のクラブより比較的戦力的な優位性を活かすことができるので、そこをしっかりと活かして勝ち切って欲しい。

ラツィオは正直厳しいとは思うが、バイエルンの立場に立てば嫌な相手でもある。チームの特長の縦へのスピードを活かす機会を増やせれば、得点機も増えてくる。まずは守備でいかにバイエルンを苦しめるか、次にトランジションでのカウンタープレスをどう回避するかの判断と意志共有が大事になる。

アタランタはレアルマドリードの状況が読み切れないこともあるので、いつも通りにアグレッシブに戦うのが吉だろう。選手で言うと今季はイリチッチのコンディションがよくなってこないので、ペッシーナの活躍に期待している。ペッシーナは相手の守備ブロックのギャップでボールを受けるポジショニング、危険な位置でボールを受けた後のラストパス、キーパスに長けているレフティー。また、ボール奪取能力も高く、ショートカウンターの起点にもなれる選手だ。イタリア代表のスタメンに選ばれても不思議はない23歳の活躍に期待している。


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