暗闇に灯はともるのか
「保護観察官」という職業を、ご存知でしょうか。
保護司さんのほうが聞いたことがある、知っている方が多いかもしれない。
保護観察官といのは、非行や犯罪をした人が再犯、再非行しないように、生活全般の指導や監督をしながら、社会復帰を支援する国家公務員です。
再犯や再非行のおそれがある時には、状況に応じて、警察と連携を取ったり、刑事施設等へ入所する申出などを裁判所へしていきます。
様々な犯罪が、本当にそれぞれの理由で、流れで、引き起こされています。
その道筋をたどりながら、再び非行や犯罪をすることなく生活していけるために、この人に何が必要なんだろう、それを考え、話し合い、具体的な行動を起こしてみたり、家族や助けになる身近な人を開拓したり、関係を整えたり。
保護観察官の見立てを元に、保護司さんはより身近な存在となって寄り添ってくれることが期待されています。
再犯・再非行の防止、その道筋が本当に果てしなく、いばらの道のように思える人もいます。
そして犯罪や非行には、必ずと言っていいくらい被害者の方々がおられます。
保護観察官の仕事は、達成感とは程遠く、生きることのやりきれなさや悲しさを目の当たりにしたり、真っ暗闇の八方ふさがりの中で、一緒に細い糸を探している気分でいることが多いです。
被害者のことを想像すれば、どうすべきか、何を言うべきか、沈黙してしまうこともよくあります。
それでも、その人を支えてくれる人がいたり、その人を頼りにしている人がいたりて、時が止まることはなく、常に何か変化が起こり、その人が自分のしたことの大きさを抱きしめ、一歩でなく数ミリでも動こうとする様子を見たりすれば、その足先で間違ってないよと、背中を押す。
耐えるような関わりだけど、大切な仕事だと思っています。
どうか一人一人が、自分を大切に、思いやりをもって今日一日を過ごせますように。
まずは私から、と胸に手をあててみます。
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