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[003] 投げやりでもいい、逞しく育ってほしい。あるいは、インドでなんとか生きてます。(七日め用)
☆再出発 3日め
昨日「人生の無意味」の話を書いたせいか、今日は
「オイラの人生、相当投げやりやんか」
と気がついてしまった話です。
人生の暗黒面に興味のない方には軽くスルーしていただいくとして、「暗黒を表現」しつつ、その表現の意味について、つらつらと語ることにいたしましょう。
まあ実際のところは、「暗黒面」という言葉はいささか大げさなものでして、ぼくの人生のマイナス面、犬も食わない夫婦喧嘩、みたいな話だったりするのですが。
さて今ぼくは、奥さんと二人で北インドのハリドワルというところに滞在中なのですが、数日前にビザが切れちゃったんですよね。
新型コロナの外出規制中なので、インドは国際線もちょぼちょぼしか飛んでなくて、ビザ切れにも特例が適用されるから、特別な心配はいらないのですが、一旦インドを離れちゃうと簡単には戻ってこれそうにないのが現状です。
そんな状況の中ハリドワルでは、来年早々クンブ・メラという六年に一度の大きな祭りがあります。
で、そのときにハリドワルにいたいものですから、何とかこのままインドに居続けられないだろうかと、ない知恵を絞っているところなんです。
そんなとき、頼もしい助っ人が現れました。ぼくらに一年のビザがもらえないかと、いろいろと当たってくれてる人がいるんですよ。
若いヒンズー教の修行僧(ババジと呼びます)で、初めうちの奥さんが知り合い、今はぼくもすごく親しくさせてもらってるのですが、外出禁止が始まったときに宿を追い出されて、泊まれる宿が見つからず、ガンガーの川辺で寝るしかないか、と思っていたときに、信者のやっている宿を紹介してくれたのもこのババジなんです。
しかしながら、この人が本当に頼もしいかというと実は微妙なところで、こちらが外人であるゆえに、そこそこ高額(といっても高くてせいぜい数千円、大抵は数百円のレベルですが)お布施をしばしば要求してくるし、一年のビザが本当に取れるかもよく分からない。(ババジは英語が少しできるのですが、こちらはヒンディーがほとんどできないし、なかなか会話が噛み合わないのです)
また、ホテルは高いからアパートを紹介してやる、と言われていくつか見に行ったんですが、日本の感覚だとさすがにここは住めないかな、という感じの残念な物件だったりで、まあ、外出規制中でどうせ暇だし、インドの人々のディープな暮らしが垣間見られたらそれでいいかなと、結果につながるかどうかはともかく、ババジの強引な誘いに乗っかって、あれこれ経験を深めているといったところです。
で、そのときに、「ここならひょっとして住んでもいいかも」というような部屋も一つだけあったのですが、ぼくが世間並みの常識がないもので、部屋の管理者の名前も電話番号も聞いてないもんだから(ババジのスクーターに二人乗りで、ぼくが一人で下見に行ってます)、うちの奥さんが「あんたは一体何をやってるの?」と言ってくるわけです。
そういう必要なことが聞けないのは、世間的な常識がないせいだと、ずっと思ってたのですが、実はこれって人生に対する態度が「投げやりだから」なのかなって、ふと気づいちゃったんですよ。
「流れのままに」みたいな言い方をすれば、こういういい加減な人生でもそれなりにカッコはつきます。
でも、現実のぼくの姿はと言えば、日々起きてくる事態に対して、投げやりで、人任せで、できれば何にもしたくない。
そんな人間が、なんだかんだ理屈をつけて、なんとなく人をごまかして、今までの人生を生きてきたって話なんですよねぇ。
ところがその化けの皮が、この三ヶ月来の外出禁止期間中に剥がれまくって、奥さんにやいのやいの言われて一大ピンチ……。
それが只今の状況かなーと思ってるところでして。
にもかかわらず、ぼくはお気楽にこんな文章を書いてるわけです。
これを書いたからと言って、状況が好転するわけじゃあないんだけど、こうやって軽口調子でぱぱぱと吐き出してしまうと、案外気分は楽になります。
これって、自分を客観的に見るということでもあって、それは瞑想にもつながる心の整理法なんですよ。
「暗黒の表現」なんて言ったら、ずいぶんドロドロした感じに響くかもしれませんが、要は自分の弱い面、ダメな面を、さらっとさらけ出しちゃうってことなんです。
ユーモアのセンスがある方でしたら、もっと笑える話にもできるでしょうし、逆に重々しいのが好きな人は、とことん重厚に暗鬱に書き連ねる手もあるわけです。
自分の中の、普通にはマイナスにしか捉えられない部分に注目して、そこで引っかかっている気持ちを、文章として表現することで、解きほぐしてやり、浄化してやるのです。
文章を書くことは、誰かに読んでもらうことであるのと同時に、何よりもまず、自分のための表現であっていい。
そしてその中には「暗黒の表現」というものがあっていいのだし、それは生きるための力になるのだ、というお話でした。
てなことで、それではみなさんナマステジーっ♬
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[みなさまの暖かいスキ・シェア・サポートが、巡りめぐって世界を豊かにしてゆくことを、いつも祈っております]
☆この記事は、ヤヤナギさんがこちら
https://note.com/yanagingin/n/nfcd5ce5b1529
で企画している
#100日間連続投稿マラソン
に参加しています。
[これは100日連続投稿の7日め用に準備していた文章ですが、諸事情で連続投稿が途切れてしまったため、再出発の 3日めとして投稿しています]
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