Ψ 小さなお話: 世界の謎が溶けるとき
Ψ 二人の男が話している。
世界の謎が解けるって? どうゆうこと? そんなことってあるんかな。
主観的な話ですがね。現に溶けたもんで。
現に解けた? どんなふうに?
今まで問題だと思ってたことが、実は問題でも何でもなかったって気づいたんです。
でも世の中、問題でいっぱいでしょ?個人的にも社会的にも、問題はいくらでもあるじゃない?
ええ、ですから主観的な話なんです。「ぼく」が問題なんてないって気づけば、問題はなくなっちゃうっていう。
謎っていうことの意味は?
この世界は何のためにあるのかとか、何のために生きてるのかって話です。
それがどう解けたの?
つまりです、問題はないんだから、世界にも人生にも意味なんてないんです。
ずいぶん投げやりな解答だね。
そうでもなくて、意味なんてないんだから、自由に生きていいってことです。
でも皆が勝手にやったら、ぶつかり合って問題になるよね?
ですからそれは問題じゃなくて、結果としてぶつかることを否定せずに、なるべくぶつからないように工夫すればいいんです。
うーん、分かるような分からんような。
分からなくてもかまいません。
そうなの?
謎が溶けるってことがありうるってことを、ひょつとしてあるのかなとか、あるのかもしれないなって思ってもらえたら、それだけでいいんです。
ふーん。そうなんだ。もう一つよく分からないけど、この世界が一つの謎で、それが解けることがあるかもしれないってのは、話としては分かるね。
ありがとうございます。
Ψ 一人の胸の中には、謎は謎のまま残っていたが、もう一人の胸の中では、謎はきれいに溶けてなくなっていた。
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