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記念碑・落書き・星条旗――「100周年」のその先へ/望戸愛果

記念碑・落書き・星条旗

――「100周年」のその先へ

望戸愛果

シアトルのMOHAI(歴史・産業博物館)に掲げられたWW1 Americaの看板(望戸撮影)

第一次世界大戦をアメリカはどのように記憶するのか。それを探るのに、2017年から2019年にかけてはとりわけ重要な時期だった。第一次世界大戦アメリカ参戦100周年にあたるこの時期に調査を実施できたことで得たものは多い。だが、それと同時に、今後再び、この戦争がこの国においてこの規模で思い起こされることがあるとしたら、それはいつ、いかなる文脈においてだろうかと思いもした。

アーリントン国立墓地の施設内に展示された第一次世界大戦戦没アメリカ兵の棺の写真(望戸撮影)

もっとも「100周年」が過ぎたからといって、調査の必要がなくなったわけではない。その逆である。

2024年5月、ニュース映像が目に飛び込んできた。マンハッタンのセントラルパークに建つ第一次世界大戦記念碑の前で、星条旗が燃やされ、記念碑の台座には"Gaza" "Free Palestine"と読める文字で落書きがされていた。NYPDは記念碑を汚損した人物を追っているという。赤・黒・白のスプレー文字は溶剤と高圧洗浄機で洗い落された。第一次世界大戦と、現在進行中の戦争が、地続きになっていた。

セントラルパークに建つ第107歩兵連隊(ニューヨーク州兵)の第一次世界大戦記念碑。私が訪れたときには人影もなく、木陰にひっそり佇んでいた(望戸撮影)

望戸愛果(もうこ・あいか)

『戦争のかけらを集めて』担当章:
未来出征軍人会――第二次世界大戦前夜におけるアメリカ在郷軍人会と大学生



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