YES
ジョンレノンとオノヨーコの馴れ初めの話。
天井に書かれた「YES」の文字はあまりに有名です。
元々、僕の家は時計店を営んでいました。祖父は部品も自分で作ってしまうような職人でした。この写真は職人が使う「キズ見」です。目に挟んで使います。
レンズの向こうに何が見えますか?
先日、あるデザイナーさんとの商談での話。
新作の糸を編み地起こしたので見て欲しいとの事で訪問しました。
僕の中では「まぁこの辺だろうな」と思っていたのですが、完全に予想を越えてくれました。
正直、今ひとつアクセントが足りないのは感じていたのですが、デザイナーさんのアイディアでとても素晴らしい編み地に仕上がっていたのです。
『今からこれで・・・「ワンピース」を「ノースリーブ」で作ります。』
ぴったり声が揃うくらい同じものをイメージできました。
同じ糸を見て、同じように物足りなさを感じて、同じアイテムをイメージする。
糸を作るときに投げ込んだレンズで見ないと見えないような小さな思いが一気に広がっていく瞬間。
糸屋冥利に尽きます!!
僕ら糸屋は業界の川上にいます。
どの段階においても、糸を手にとる方はお客様なのです。そしてその糸を形を変えて次に触るひとにお届けする。
イマジネーションを先へ。更に先へ。
それぞれのお客様が覗いたレンズの先に「YES」があると嬉しいです。