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#54 重量単価初期値におけるH17年度岩手県の廃棄物発生量の推計と統計値との比較

#53(前回の投稿)では、H17年度の岩手県の物質フローを推計するにあたって、各産業の重量単価初期値を推計しました。

今回は、重量単価初期値におけるH17年度岩手県の製造業24分類の廃棄物発生量を推計し、統計値との相関をみてみます。

必要な統計資料をcsv形式で保存する

最初に、岩手県の産業廃棄物実態調査等平成18年度調査(平成17年度実績)のデータを整理していきます。

H17年度岩手県の産業廃棄物の発生量(業種別・種類別)は、以下のように記載されています。

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表54-1 H17年度岩手県の産業廃棄物の発生量(業種別・種類別)

ここから、製造業24分類別の産業廃棄物発生量の一覧を作成しました。上記の資料は単位が「百t/年」なので、「t/年」に換算してあります。一覧表は以下のようになりました。

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表54-2 H17岩手県製造業24分類別廃棄物発生量

一覧表はcsv形式にしておきます。

次に、産業連関表の産業コード(code)と、産業廃棄物実態調査報告書の製造業24業種(sector)との対応表を作成します。対応表の一部を以下に示します。

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表54-3 対応表

こちらもcsv形式で保存します。

さらに、H17年岩手県産業連関表(187部門)を、必要な列だけ残して、csv形式で保存しておきます。

単一産業での、投入量・産出量・大気放出量・廃棄物発生量を推計

単一産業での、投入量(input)・産出量(output)・大気放出量(fuel)・廃棄物発生量(waste)を推計するコードは、以下のようになります。

# x産業を0110(米)に固定
x = 0
# 投入量を計算
input = 0 # 投入分
fuel = 0 # 燃料使用分
output = 0 # 産出分
df_index = df_price_per_ton.index
for i in range(len(df_iotable.index)):
   for k in range(len(df_price_per_ton.index)):
       Ui = df_price_per_ton.iat[k, 0]
       input_amount = df_iotable.iat[i, x] * 10**3
       if Ui == 0:
           continue
       if df_index[k] == df_iotable.index[i]:
           if input_amount >= 0:
               input += input_amount // Ui
               if df_index[k] == '2121': # 石炭製品の燃料使用分
                   fuel += input_amount // Ui
               # 有機化学工業製品への石油製品投入ではない場合
               if df_index[k] == '2111' and df_iotable.columns[x] != '2031':
                   fuel += input_amount // Ui # 石油製品の燃料使用分
           else:
               output += abs(input_amount) // Ui
           
# 産出量を計算
iyunyu = 0 # 移輸入
iyushutsu = 0 # 移輸出
consume = 0 # 消費
fixed_capital = 0 # 固定資本
stock = 0 # 在庫
Ux = df_price_per_ton.iat[x, 0]
if Ux == 0:
   output = 0
   consume = 0
   fixed_capital = 0
   stock = 0
   iyushutsu = 0
   iyunyu = 0
else:
   for i in range(len(df_iotable.index)):
       if i == x:
           continue
       else:
           if df_iotable.iat[x, i] >= 0:
               output += df_iotable.iat[x, i] * 10**3 // Ux
   

   ctuple = ('9110', '9121', '9122', '9131', '9132')
   for c in ctuple:
       consume += df_iotable.loc['0110', c] * 10**3 // Ux
   
   ftuple = ('9141', '9142')
   for f in ftuple:
       fixed_capital += df_iotable.loc['0110', f] * 10**3 // Ux
   
   stock = df_iotable.loc['0110', '9150'] * 10**3 // Ux
   
   iyushutsu = df_iotable.loc['0110', '9240'] * 10**3 // Ux
   
   iyunyu = -(df_iotable.loc['0110', '9440']) * 10**3 // Ux

input = input + iyunyu
output = output + iyushutsu + consume + fixed_capital + stock
waste = input - output - fuel
print('投入分:' + str(int(input)) + '[t]') 
print('産出分:' + str(int(output)) + '[t]')
print('燃料使用分:' + str(int(fuel)) + '[t]')
print('廃棄物発生量:' + str(int(waste)) + '[t]')

重量単価初期値における推計値と統計値の廃棄物発生量

重量単価初期値における、H17年度岩手県の製造業24業種別の投入量・産出量・大気放出量・廃棄物発生量推計値(Ey)・報告書(Sy)の推計結果は以下のようになります。

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表54-4 重量単価初期値におけるH17年度岩手県の製造業24業種別の推計結果

11業種で推計値が負の値となり、窯業・土石、石油・石炭が統計値と大きくずれています。

重量単価初期値における推計値と統計値の相関

推計値が負の値を取り除いたときの散布図は、以下のようになります。

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図54-1 重量単価初期値におけるH17年度岩手県の製造業24業種別の推計値と統計値

次回は、以下の式の評価関数を用いて目的関数zが最小となるような重量単価の再設定を行う予定です。

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評価関数の式


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在野研究者トシヤ
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