#63 重量単価初期値におけるH23岩手県製造業の廃棄物発生量の推計
#62で、重量単価初期値の推計が完了しました。
今回は、重量単価初期値を用いて、H23(2011)年度岩手県の各産業における投入量と産出量を算出します。
産業連関表の金額フローを物質フローに変換
物質フローの算出方法
なお、石油製品、石炭製品からの投入分は燃料として用いられ、炭酸ガスとして大気へ放出されるものとして廃棄物発生量の対象から除きます。
ただし、石油製品から有機化学工業製品への投入分は、燃料としてではなく原材料として投入されているとみなし、大気放出量の計算対象から省きました。
算出方法を以下に示します。
単一産業での算出例
以下のコードは、単一産業(0110:米)における算出例となります。
# 単一産業での投入量、産出量、大気放出量、廃棄物発生量の算出
# x産業を0110(米)に固定
x = 0
# 投入量を計算
input = 0 # 投入分
fuel = 0 # 燃料使用分
output = 0 # 産出分
df_index = df_price_per_ton.index
for i in range(len(df_iotable.index)):
for k in range(len(df_price_per_ton.index)):
Ui = df_price_per_ton.iat[k, 0]
input_amount = df_iotable.iat[i, x] * 10**3
if Ui == 0:
continue
if df_index[k] == df_iotable.index[i]:
if input_amount >= 0:
input += input_amount // Ui
if df_index[k] == '2121': # 石炭製品の燃料使用分
fuel += input_amount // Ui
# 有機化学工業製品への石油製品投入ではない場合
if df_index[k] == '2111' and df_iotable.columns[x] != '2031':
fuel += input_amount // Ui # 石油製品の燃料使用分
else:
output += abs(input_amount) // Ui
# 産出量を計算
iyunyu = 0 # 移輸入
iyushutsu = 0 # 移輸出
consume = 0 # 消費
fixed_capital = 0 # 固定資本
stock = 0 # 在庫
Ux = df_price_per_ton.iat[x, 0]
if Ux == 0:
output = 0
consume = 0
fixed_capital = 0
stock = 0
iyushutsu = 0
iyunyu = 0
else:
for i in range(len(df_iotable.index)):
if i == x:
continue
else:
if df_iotable.iat[x, i] >= 0:
output += df_iotable.iat[x, i] * 10**3 // Ux
ctuple = ('7111', '7211', '7212', '7311', '7321')
for c in ctuple:
consume += df_iotable.loc['0110', c] * 10**3 // Ux
ftuple = ('7411', '7511')
for f in ftuple:
fixed_capital += df_iotable.loc['0110', f] * 10**3 // Ux
stock = df_iotable.loc['0110', '7611'] * 10**3 // Ux
iyushutsu = df_iotable.loc['0110', '8120'] * 10**3 // Ux
iyunyu = -(df_iotable.loc['0110', '8720']) * 10**3 // Ux
input = input + iyunyu
output = output + iyushutsu + consume + fixed_capital + stock
waste = input - output - fuel
print('投入分:' + str(int(input)) + '[t]')
print('産出分:' + str(int(output)) + '[t]')
print('燃料使用分:' + str(int(fuel)) + '[t]')
print('廃棄物発生量:' + str(int(waste)) + '[t]')
続いて、コードは割愛しますが、全ての産業における投入量、産出量、大気放出量、廃棄物発生量(Wx)を算出します。
産業連関表の187分類の廃棄物量Wxを廃棄物実態調査の製造業のEyに対応付ける
産業廃棄物の発生状況については、都道府県が産業廃棄物実態調査を抽出した結果を公表しています。
対応表の作成
今回は、岩手県の「平成 24 年度産業廃棄物実績報告書入力集計等業務報告書(平成 23 年度実績調査)」を参考にしています。
H23岩手県産業連関表189分類の廃棄物発生量Wxを、上述の産業廃棄物実態調査の24分類Eyに対応させる必要があります。
対応表の一部分は、以下のようになります。
重量単価初期値におけるH23年岩手県製造業24分類の推計値と統計値の廃棄物発生量
表63-1をもとに、各産業の廃棄物発生量Wxを、産業廃棄物実態調査報告書の製造業24業種の廃棄物発生量Eyに対応させて、照合します。
重量単価初期値におけるH23年岩手県製造業24業種別の照合結果を、表63-2、図63-2に示します。
図63-3は、H23年岩手県の重量単価初期値における推計値(Ey)と統計値(Sy)の相関を示しています。この図では0以下の値を考慮していません。
製造業24業種のうち8業種で推計値が負の値をとっています。その中でも、木材、電子部品、飲料・飼料が大きくずれています。相関係数は0.620となりました。
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