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いつも思う
教師という仕事をしていて、いつも思うことがある。
この時期の学校は「おめでとう」という言葉とともに学校全体が華やかに飾られ、廊下を歩くだけで祝福されているかのような気持ちになる。
6年間という長くも短い学びを経て、未来への一歩を踏み出そうとしている子どもたち。
早めに到着し、校門の立て看板の横で記念写真を撮る親子 いつも通り友達と会話しながら元気に登校してくる子 緊張し、不安げな表情で登校してくる子
それぞれの個性が光ってみえる式直前。大きめの制服もまたいい。
体育館前に着くと、一気に緊張が高まっていく子どもたち。
感動的なBGMとともに扉が開き、自分の椅子までの距離を長く感じながらもゆっくりと進んでいく。
ときどき床の目印を確認しながら歩く子や 前だけを向いて堂々と歩いていく子、 隣の友達と歩幅を合わせようとする必死さ、 真正面の担任を一点に見つめる眼差し、
全て感動的な瞬間である。
卒業証書の受け取り方にも個性が光る。
卒業証書を片手に抱え、退場する頃には涙を流す子がいる。 その姿を見て、私たちもまた感動する。
体育館に漂う張り詰めた空気から安堵の気持ちがまざり、大人たちの期待を背負って退場していく子どもたちの背中は、式直前よりもひとまわり大きく見えるのだ。
こうして体育館から教室へ移動し、最後の学級活動を行う。
今 ここで 先生は何を言うのか。
目で訴えかけてくる子どもたちの表情は真剣そのものである。
最後の言葉を告げ、みんなで校門へと向かう。 ここでは仲のよい友達と写真を撮っている。 第三者目線でこの光景を見るのが大好きである。
緊張感から解き放たれ、最高の笑顔を見せてくれる子どもたち。
いつもこの瞬間がたまらない。