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“初老”を越えて。心の持ち方で変わる50代からの人生

あなたは、自分の年齢を気にしたことはありますか?
「自分はもう年だな、もう遅いな」と、「まだまだ若い、これからだ!」、どちらの方が自分の気持ちに近いですか?

私は50代後半です。
1964年(昭和39)の東京オリンピックの約2年後に、丙午(ひのえうま)の学年に生まれました。
同い年、同学年といえる有名人は、東山紀之、三浦和良、斉藤由貴。
昭和60年(1985)5月に男女雇用機会均等法が成立したあと、平成元年(1989)に社会人になった世代です。

読んでくださっているあなたより、年上でしょうか、年下でしょうか。近い年代の方もいらっしゃるかもしれませんね。

私は、「60歳になるまでまだ時間がある、まだまだやれることは多い」と思っていました。なのですが……。

先日、同年代の知り合いが文章の中で自分の年代を少し自虐的でユーモラスな感じで「初老」と書いていました。

最初は「そうか、もうそんな年代か〜!」と笑って読んだのですが、実はショックだったようで、なぜか忘れられず、そのあとじわじわとボディーブローのように、時間が経つほど効いてきたのです。

「初老」……なんて悲しい言葉でしょう!
そして、ちょっと早くはないですか?


「初老」って何歳ぐらいのこと?

調べてみたところ、「初老」は、
広辞苑7版で「四〇歳の異称
三省堂国語辞典7版で「おもに六十代」とされているそうです。また、「老年に近づいてからだがおとろえかける時期」とも説明されているとのことです。

ちょっと古いページ(2010年)ですが、以下のNHKのサイトでは、以下のように解説しています。これは、自分の感覚にも近いです。

Q.「初老」ということばは、何歳ぐらいの人のことを指すのでしょうか。
A.かつては、40歳ぐらいの人のことを指していました。ただし寿命が長くなった現代では、「初老」が当てはまるのは60歳ぐらいからと考える人が多くなっています。

https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/137.html

回答者の年代によっても、イメージは変わるようです。
私のイメージでも、「60代になってから」というイメージがありました。

とはいえ、確かに身体の衰えは始まっています。
「初老」がまったく当たらない、とも言えません。
「もう、そんな年なのね」と思いました。

数日したらしょんぼりしてきて「マズイ」と思った

ところがです。
「もう、そんな年なのね」と思って数日したら、我ながらどんどんしょんぼりした気分になってきました。

「自分は思ってたより年取ってるんだな……」
「確かに、体力の衰え、気力・根気の衰えも感じているしな……」
「あんまり考えないようにしていたけれど、あと数年で60の大台だからね……」

「これはマズイ!」と思いました。

自分自身も環境も何も変わっていないのに、自分の気分だけで、みるみるシオシオとしていく自分を感じたのです。
これはいけない。いけません。

一旦、がんばってあの言葉は、頭から追い払うことにしました。

高齢者が気持ちで若返った研究例

それで思い出したことがあります。

ハーバード大学の心理学者エレン・J・ランガーによって行われた研究で、高齢者が気分によって若返った……という事例があるのです。

この実験では、70代の男性グループを、彼らが若かりし頃の1959年の環境を再現した施設で、1週間過ごさせたそうです。
参加者は20年前の自分になりきるよう指示され、当時の新聞や雑誌を読み、当時の話題について議論して日々を過ごしました。
その結果、どうなったか?
実験の結果、参加者の身長、体重、歩行、姿勢、知能テストの成績が向上し、外見も若返ったそうなのです。

エレン・J・ランガーは、マインドフルネスが人々の健康と幸福に与える影響を研究した人だそうです。
彼女の研究は、人々の思考パターンや環境が、身体的・精神的健康に大きな影響を与えることを示しているとのこと。

「マインドフルネス」って、瞑想のイメージが強くて、「耐ストレス」「意識を自分に向ける」みたいなことだと漠然と思っていたのですが、ちょっと興味が出てきました。

「病は気から」という言葉もあります。信じすぎれば眉ツバものですが、確かに気分が滅入ってしまったら、身体にもよくありません。

60歳代は輝かしい黄金期なのでは?

そもそも、周りにいるちょっと先輩の人たちを見ていると、60歳代って結構いい年代のように思えるのです。

40・50代を苦しめた更年期の影響から解放されるからか、明るくエネルギッシュな方が多いです。70代以降に比べたら、十分活動的で元気な年代です。

そして人にもよりますが、仕事や子育てが一段落し、これまでの役目から解放されて、自由にやりたいことに踏み出す人もいます。

働き続ける方も多いですが、チャレンジングな方は、思いきってこれまでとは違う仕事に挑戦する方もいるし、変化を楽しむ気持ちを持っていたりもする。

経済的に悠々自適に過ごせるのは、いい環境で働いてこられた人に限りそうですが、それでも「初老」の言葉にしょんぼりするのはまだまだ早い。

年齢のことで気持ちが落ち込んだときに、切りかえる方法

年齢のことでクヨクヨしてもしょうがない……と考えてきていたつもりだったので、自分に起こった今回の変化にはびっくりしました。

考えすぎは、よくないですね!

年齢に関する気持ちを切り替えるのに効果的なおすすめの方法を、パープレキシティで調べてみました。

以下のようなことがいいそうですよ。

1.マインドセットを変更する

自分の経験や知恵を肯定的に捉えなおしたり、毎日、自分の良いところや達成したことを1つずつ書き出したりして、自己肯定感を上げるのがおすすめだそうです。

また、「年だから」という思い込みを捨てて、新しいことに挑戦する機会を探したり、年齢に関係なく始められる趣味や学習を見つけて、可能性に焦点を当てるのもいいそうです。

2.行動を変える

朝食のメニューを変えたり、新しいルートで散歩したりして、毎日の生活の中で、小さな決定を自分で行う機会を増やし、日常に選択肢を増やすといいようです。

新聞記事の要点を覚えたり、新しい言葉を学んだりして、新しい情報を積極的に覚える習慣をつけて、記憶力を鍛えるのもおすすめとのことです。

また、ウォーキングやストレッチなど自分に合った活動を見つけて、適度な運動を日課に取り入れ、身体活動を増やすのがいいとのこと。(これは実感しています!)

3.社会的つながりを持つ

異なる年齢層や背景を持つ人々と積極的に交流して、多様な人々と交流することが進められています。地域のイベントやボランティア活動に参加するのもいいでしょう。

また、メンター活動や地域の勉強会などで、自分の経験や知識を若い世代に伝える機会を作り、経験を共有するのはいいことだそうです。

楽観的にいきましょう!

杞憂きゆう」という言葉がありますね。
現実離れした心配、心配してもどうしようもない事を、あれこれ考えて悩むこと、という意味で使われます。

古代中国の杞という国に住んでいた男性が、「天が落ちてくるのではないか」と心配するようになって、夜も眠れず食事もできない状態になった。
周りの者は、そんなことは起こらないと言い聞かせて男を安堵させた……という話です。

でもね、年はみんな必ずとるし、そのうえ天が落ちてくるような大変なことも割と起こりうる世の中だから、そりゃ心配にもなります。

だからといって、自分で自分を落ち込ませてちゃ、どうしようもない。開ける道も開けません。

できる限りは、「楽観的な自分」でいたいものですね。


エレン・J・ランガーさん著作のこの本、気になったので読んでみようと思います。

※Amazonのアソシエイトとして、みやのまゆは適格販売により収入を得ています。



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