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結城紬、100日目

年初に結城紬の着物を仕立てた。初めて身に纏った時、なんと軽いのかと驚いた。そして暖かいな、とも。月並みな感想であることは承知している。でも本当にそうなのだ。

結城紬を1着仕立てるお金で車が1台買えると言われる。ひと口に車と言っても中古の軽自動車からロールスロイスまで幅広いので、この言説は結城紬がいかに高価であるのかを表す比喩表現である。(とは言え、比喩でなしに高価という物も存在する。以前、白の200亀甲柄の結城紬の着尺を見せてもらい、それどころか触らせてもらったことがある。これは家が買えるお値段だった。)

ただし3代に渡って着られるという結城紬は、長い目で見るなら高いとは言えない。要はどれだけ着るのか、その頻度に依るという事だ。そういう訳で、仕立て上がった日に僕はひとまず年内に100日着ようと決めた。そして昨日が丁度100日目だった。1年に100日着るような服はそうそう無いだろう。来年もまた100日着たい。

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