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意外と便利なiPad専用ではないApple Pencil互換ペン。

● iPadが2台あるとApple Pencilが足りなくなる

昨年のことですが。長らくサブで使っていた旧型の12.9インチiPad Proを新しく出たM1モデルに買い替えたら,旧型で使っていた第1世代のApple Pencilも引退することになって,使えるApple Pencilが1本になってしまいました。
おまけに,メインの11インチiPad Proとで,第2世代のApple Pencilを使うiPad Proが2台になってしまったので,Apple Pencilの使い回しがいろいろ大変になってしまいました。
順当に考えるなら,新しい iPad Proで使う新しいApple Pencilを購入しなければなりません。でも,1人の人間が一度に使えるiPadは1台なわけで,1本あるApple Pencilを使い回しても間に合うときもあります。

そこで,最近よく見かけるのが,Apple Pencilの互換ペンです。互換ペンなので,やはり値段相応というか,本物のApple Pencilと比べるとの書き味などは明らかに劣ります。
でも,互換ペンこそ,使い方や用途次第とも思います。Apple Pencilのバックアップとか,2本めのペンとか。この使い方は今の私には適しているように思いました。

実は互換ペンは既に使っていて,Apple Pencilが故障した時にバックアップ用に使い始め,そのApple Pencilが修理で再び使えるようになったので,結局使わなくなってしまいました。
やはり,Apple Pencilが使えるのであれば,互換ペンの出番はなくなります。そこで,再び使い始めたのは,前述の通りにiPadの台数が増えたからです。

ところが,やはり互換ペンの悲しさなのか,2021年の師走になって,その互換ペンが急に使えなくなりました。故障の症状は電源が入らない,充電もしないという感じでした。急に使えなくなっても,修理や相談に持っていくところがないのも互換ペンらしいのですが,使えなくなるまで,ポインティングデバイス代わりにそこそこ重宝していたので,ある日突然動かなくなるとは困ったな,という感じでした。

ということで,これが私の互換ペンの総括になるのかと思いましたが,実は安かろう悪かろうだけではなく,互換ペンにもいろいろな種類が増えてきたので,昨年末にもう一本別のタイプの互換デジタルペンを購入したのでした。

別のタイプとはいえ,一度は使わなくなった互換ペンなので,よく作業するiPadでApple Pencilを使い,もう1台のiPadで互換ペンを使うという使い分けになります。とりあえず2本目の互換ペンなので,もうそんなに期待することもないですし,複数台あるiPadを使う中で,Apple Pencilといっしょに使って,値段相応に使えればよいという感じです。

最近の互換ペン(上)はApple Pencil(中)そっくり。最初に購入した互換ペン(下)のペン先独特。ペン先は交換できるタイプが良い。

● 再発明された第2世代 Apple Pencil

私の場合,M1の12.9インチに買い替えるまでは,11インチiPad Proがメインの作業用でした。11インチiPad ProはiPhone Xの流れを汲むホームボタンのないタイプだったので,ここで初めて第2世代のApple Pencilを利用するようになりました。

旧型の12.9インチiPad Proで使っていた第1世代Apple Pencilが使えなかったので,最初はそういうものだと思って使っていましたが,第2世代でApple Pencilの使い方が大きく変わりました。

第2世代のApple Pencilは,第1世代と違って,iPad Pro本体にマグネットでくっつけられたので,iPad本体といっしょにして持ち歩くことができるようになりました。これまでもiPad・iPad Proは持ち運んで使うものでしたが,肝心のApple Pencilを家に置き忘れたり,持って来るのを忘れたりで残念な思いをすることがありましたが,第2世代は,iPad本体にくっつくので忘れることがほぼなくなりました。

また,マグネットで接続するだけで充電できるので,使おうとしたら電池が切れていたということもなく,Apple Pencilを利用する頻度がどんどん増えました。バッテリ切れで待たされることがなくなったから当然といえます。

第2世代のApple Pencilは,単に世代が変わったというよりも,Apple Pencilが再発明されたのだと思います。第2世代のApple Pencilを使い始めると,もう第1世代には戻れないと思います。それというのも第2世代のApple Pencilが使えないiPadは,もはや持ち歩いて使おうとは思えない感じです。

第2世代Apple Pencilは再発明された。

●互換ペンとApple Pencilは別物と考えたい

Apple Pencilはその書き味の良さで語られることが多くありますが,第2世代のApple Pencilが特筆すべきところはマグネットでiPadに接続でき,手軽に持ち運びできるところでした。

このiPadにマグネットで接続できるところは,最近では互換ペンでも採用されています。ただし,互換ペンは接続するだけでは充電できないので,USBケーブルで充電するようになっていますが,それでも以前はマイクロUSB端子だったのが,USB TypeC端子へと最近は変わってきています。

その他,最近の互換デジタルペンでは,傾き検知対応(筆圧検知には対応してない),ペン先が交換できるなど,純正品を模した実用性を考えた製品が増えてきています。この辺の多機能を売りにしている互換ペンも多いですが,これらはどんぐりの背比べみたいなものです。
機能的には,どれも似たり寄ったりであり,他社にある機能がない(たとえば充電端子がUSB TypeC端子でないなど)古いタイプの互換ペンは選ばない方が良いと思いますが,手書きするときに重要な筆圧検知やパームリジェクションなどに対応してない,というのも互換ペン共通の特徴になっています。つまり,Apple Pencilと互換ペンは,やはり似てはいるものの別の製品です。

イラストレーターでない私としては,Apple Pencilを使うまでは,とにかくiPadで細い文字をいかにきれいに書けるかどうかという視点で,指・電池不要なスタイラス → 静電容量方式の互換ペン → Apple Pencil の順で使い比べて来ました。これを,絵を描くという視点でこの流れを見直してみると,大きな文字・記号 → 線画(パームリジェクション,傾き検知) → 濃淡のある描画(感圧検知)をする場合に,それぞれ重要な機能であると思います。

この機能の有無でApple Pencilと互換ペンを,松・竹・梅みたいな等級で比べると,Apple Pencilは最上級の松になります。これらの必要な機能がすべて備わっているので,使いこなせるようになるには練習も必要ですが,Apple Pencilでできないことは,今のiPadではできないということなので,練習して使いこなす価値はあります。
一方,互換ペンは,現状では「筆圧検知」が備わってないなど,最初から最上級の機能は備わっていないので,一般向けの「梅」や上級向けの「竹」止まりです。できないことはできないので,それさえ気にしなければ,マウスなどのポインティング・デバイスには最適なアクセサリーであるといえます。

最初に購入した互換ペン(上)の充電端子はまだマイクロUSBだったが,最近の互換ペン(下)はUSBーC端子。

● 互換ペンはiPadとiPhoneの両方で使えると便利

互換ペンの評価は使う側の求めるものよって,いろいろあると思いますが,私の場合,2本目の互換ペンには,iPhoneとiPadの両方で使えるタイプを選びました。
iPadでもiPhoneでも使える互換ペンはデジタイザー対応ではなく,静電容量方式タッチにしか対応してないと思われます。このため,このタイプの互換ペンは,手書きしやすいのも良いですが,ポインティングデバイスとしても使えると便利です。

多分,iPadで使うことを第一に考えるのなら,「iPad専用」の互換ペンを選んだ方が満足度は高いと思いますが,今回は,Apple Pencilではできない使い方ができる互換ペンを求めました。それがiPadでもiPhoneでも使える互換ペンを考えた結果です。

その一方で,iPhoneと併用できる互換ペンでは,パームリジェクションを諦めなければなりませんでした(元々互換ペンには対応している製品は見当たらないのですが,アプリ側の設定でパームリジェクションできる製品があります)。
静電容量方式では手のひらなどペン先以外の物が,同時に画面に同時に触れると,ペン先のタッチが検知されなくなり,文字や絵が描けなくなりますが,それを防ぐしくみがパームリジェクションです。

考えてみたら,iPhoneでもiPadでも利用できるというのは,Apple Pencilで標準となっているパームリジェクションを諦めたら使える,単純な選択なのかもしれません。その分書く精度は落ちますが,いざとなったらApple Pencilに持ち替えられるのて、何とか実用になっているのかもしれません。

● 互換ペンはApple Pencilと併用すれば何とかなる

互換ペンは,Apple Pencilのようなデジタイザー方式ではないので,書く精度は落ちますが,方式の違いなのでどうしようもありません。もしもApple Pencilの代わりに互換ペンを購入する場合は,まずは互換ペンを触ってみて,普通の筆記具として,この書き味や精度では使えないと判断したら,いろいろ考えないでApple Pencilを使うのが良いと思います。そのくらいApple Pencilの書く精度は優れているのですが,Apple Pencilを使ったことがない場合は,互換デジタルペンでも結構使える,と思ってしまいがちです。

実際には,線を描くのと文字を書くのとでは,使い勝手も精度も異なるので,使っているうちに,やはり互換ペンでは不十分という判断になると思います。いろいろな互換ペンがある中,手書きの書き味・性能の違いといった煩雑な使い分けに惑わされたくない場合は,Apple Pencilを選んだ方が良いと思います。

互換ペンの魅力はあの値段であって,決して書き味ではありません。Apple Pencilの値段には,そういう安心も含まれているといえます。

それと,最後になりましたが,Apple Pencilと互換ペンのもう1つの違うところは,スクリブルが使えないということです。今のスクリブルでは,使えなくても別に大したことはないかもしれませんが,将来はどうなるのでしょうか。

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