NIJIKAWAの給餌における考察
NIJIKAWAの給餌における結果と考察
Toshio Koi Info代表 Toshio Murakoshi
NIJIKAWAを給餌することにおける、
錦鯉への影響と、メリットとデメリット。
また、飼育下での給餌方法について、筆者が実験した結果を用いて本稿で紹介する。
1.はじめに
錦鯉の飼育において、「飼料」「給餌」が大切なことは、愛好家のみならず、飼育において
重要視している。近年では、錦鯉の「飼料」は各メーカーごとに日進月歩で改良され、
市販のもののみならず、愛好家、生産者でのオリジナルの飼料を開発、研究するなど、
その進歩は目覚ましいものがある。
本稿では、飼育下にて「NIJIKAWA」を給餌することで、飼育魚に及ぼす効果について検討した。
また本研究の成果を紹介する。
2.材料
飼育層(FRP製 水量2t),濾過槽(同FRP製総水量 700L),湧清水
飼育水(東京都某所地下水)
飼育魚:錦鯉7匹
(大正三色 Sanke IKARASHI 2歳)
(金昭和 Kinshowa IKARASHI 2歳)
(昭和三色 Showa MIYAKOU 2歳)
(昭和三色 Showa Toshio original 3歳)
3.給餌飼料
「NIJIKAWA professional(or Growth)」 type of floating 7mm
4.給餌
4-1給餌内容
【2019/4/29~2019/5/10】
「SAMPLE NIJIKAWA professional」(type of floating and sinking 7mm)
回数:2回/日
給餌時間: AM6:45 AM7:50
給餌量:50g/回
【2019/5/11~2019/6/15】
「KYORIN Sakihikari R」Lsaize
回数:2回/日
給餌時間: AM6:45 AM7:50
給餌量:50g/回
【2019/6/16~2019/7/7】
「NIJIKAWA professional」(type of floating 7mm) NO MIX
回数:1回/日(月曜日~金曜日)
3~5回/日(土曜日,日曜日,祝日)
給餌時間: AM6:45 AM7:50
給餌量:100g/回
【2019/7/7~2019/10/24】
「NIJIKAWA professional」(type of floating 7mm) NO MIX
回数:1回/日(月曜日~金曜日)
3~5回/日(土曜日,日曜日,祝日)
給餌時間:AM7:50(月曜日~金曜日)
給餌量:150g~200g/回
4-2.給餌方法
給餌方法は全ての期間を通じて、以下の方法で与えた。
1.月曜日から金曜日(1回/日)の場合
「NIJIKAWA」を半分(約30g)与え、飼育魚が集まり、勢いが落ちずに食べきれる量を投与後、
残りを与えた。
2.土,日,祝日(複数回/日)の場合
「NIJIKAWA」を投与後、飼育魚が集まり、勢いが落るまで餌を巻き続ける。
勢いが落ちてきたら、餌の投与を直ちに中止する。
その後2~3時間置きに、同様の給餌方法で「NIJIKAWA」を投与した。
4-3.給餌時の注意事項
1.雨の日(朝から雨が降っている日)は「NIJIKAWA」を与えない。
理由として、まとめでも記載するが、「NIJIKAWA」は他社の飼料に比べ固く、投与後に
消化器官が健康でない場合には、鯉によっては浮き糞を出してしまい、消化不良を起こすことがある。
2.「NIJIKAWA」を連続して投与する際には、必ず間隔をあける。(2~3時間)
また、連続して与える場合には、必ず食べきれる量を複数回に分けて投与する 。
目安としては、「NIJIKAWA」投与後、腹部に膨らみがみられるので、一時的な膨らみが
終息したのちに再度餌を投与することを推奨する。
5.投与後の効果
投与後の効果として以下のものが見受けられた。
1.投与後数分~数時間:腹部が膨れる。
2.10~14日から身体付きに変化がみられる。
3.90日以降、体長、体高、体重に変化がみられる。
6.「NIJIKAWA」の長所
・池の水に対して、ダメージが非常に少ない。
・高タンパク質の餌のため、運動量を確保すると、非常に短期で効果が出やすい。
・脂肪がついて太ることは少なく、筋肉を筋肥大によって、身体を大きくするため、
見た目よりも体重が乗り、非常に健康で太い鯉が作ることができる。
・餌の原料による影響のため、肌が抜ける。白地抜きは必要ない。
・健康的な管理と、品質の高いタンパク質を投与することで、「テリ」が非常に出る。
7.「NIJIKAWA」の短所
・「NIJIKAWA」との相性が非常に大切になる。
当歳魚では大きな差がないが、「筋肉質」で内臓が強い鯉であれば効果は出やすいが、
「脂肪質」で内臓の弱い鯉では、効果は難しい。また、消化器官が弱いと、消化不良などを起こし、死亡する。
・「NIJIKAWA」の投与において、回数、消化時間をしっかりと管理する必要がある。
大量の投与では、効果が難しく、複数回に分けて消化時間を確保して投与することが必要と考える。
8.考察と将来の展望
今回「NIJIKAWA」を使った効果として、「短期間でも体質の改善、成長に効果が出る」ということが示唆された。
また、「NIJIKAWA」のタンパク質の品質が非常に高く、また水質のダメージが非常に低いことから、「NIJIKAWA」という餌が非常に餌として非常に高い品質であることが、示唆された。
今後の展望として、具体的な成長率や、大型鯉、高年齢鯉での効果について実証していきたい。
また、理想的な給餌方法について追及をしていきたい。
9.謝辞
今回、「 NIJIKAWA」という素晴らしい飼料を協力いただいた、NIJIKAWA Japan社、EWOS社、
カーギル社に感謝
以上