いけばなお稽古日記 令和2年6月4日
この日記は僕が運営しているいけばな教室の備忘録です。
基本的には、いけばなについてのヒントになればと思い、お弟子さん向けに書いています。
他所からここを訪れる方もよろしかったら見て行ってください。
今日から投稿を始めるので、どれくらい前までさかのぼってやるか悩むのですが、とりあえず今月初めからの分を掲載していきたいと思います。
簡単に自己紹介
初めまして!
ご覧いただきありがとうございます。
田中俊行と申します。
私は金融業界出身で現在日本文化に携わる仕事をしています。
元々、実家がいけばなに携わる仕事をしていたのと、大学時代の専攻が美学だったこともあり、回りまわって現在は仕事の6割くらいを日本文化に関係する仕事をしています。
残りの4割は公益社団法人の運営とその1事業として補助金申請や経営計画立案など中小企業者様向けの経営に関するコンサルティング業務を行っています。
金融業界時代は証券業界に所属していました。
主には資産規模で5億以上の地域の富裕層をターゲットとして、金融だけでなく不動産などの金融以外の資産管理の助言を行っていました。
そのあと、自分自身が所属する日本では会員数最大、歴史は最古の流派である池坊華道会に所属し、2年間中で会員管理や、全国のいけばな教室のサポートを行っていました。
noteをやり始めようと思ったのは、以下の理由からです。
①日本の生活文化についてもっと多くの方に知識として知ってもらいたいということ、②日本は経済活動を中心に戦後復興を成し遂げてきたために、現在あまりにも文化的な教養の無い人が多いと感じるために多くの方々へメッセージとして届けたい、この2点です。
私自身、SDGsをEducate、いわゆるSDGsを教育するESD(ESDはこちらへ)ということに関心を持っていてそれに個人や公益社団法人の理事として取り組んでいます。
古くから日本の生活文化の中には、SDGsの持続可能性という言葉が無意識ながらに取り込まれていることを1つの研究材料として私自身がとらえる中で、日本の文化の独自性についてより知ってもらいたいと思ったのが日本文化の発信活動をはじめたきっかけです。
グローバルな舞台でも、AI化が進む中でも、より国民性や個性といったそれぞれが持つ多様性が大切にされる時代になっていくことと感じています。
それぞれが持つ独自の個性やその集まりであるその国の持つ文化が、世界平和の礎となるようにと思っています。
いけばなの先生をしている手前、いけばなに関することが中心になるかと思いますが、皆様の生活の中での参考になれば幸いです。
今日のお稽古は
6月4日(木)のお稽古です。
18時~22時まで行いました。
生花正風体の3種生です。
フトイ、オクラレルカ、桔梗を使っています。
1作目
〈ポイント〉
フトイはその性情を活かして伸びやかに真っすぐに
反対に真っすぐなフトイに対して、オクラレルカの葉を靡かせ曲がりを見せます。
曲と直という反対する性質がお互いの特徴を活かし合わせます。
足元は桔梗の葉で締め、まとめます。
それぞれの花材の先端がはっきりと見えるように、そして並ばないようにしてください。
水際(=足元)は真っすぐに。
2作目
〈ポイント〉
1つ目の作品と同じで、フトイはその性情を活かして伸びやかに真っすぐに
反対に真っすぐなフトイに対して、オクラレルカの葉を靡かせ曲がりを見せます。
曲と直という反対する性質がお互いの特徴を活かし合わせます。
ここではフトイの左隣に長く桔梗を使用しています。
フトイの茎はツンツルテンで葉はありませんが、桔梗の茎には葉がついています。
葉のあるものと葉のないものという反対する性質をここでも利用し、お互いの特徴を活かしあわせています。
3作目
〈ポイント〉
今度は、フトイの自然なままの形状でゆったりとした曲がついていたので、それを活かしました。
反対にオクラレルカの葉は鋭さをもたせるように真っすぐにいけています。
曲と直という反対する性質がお互いの特徴を活かし合わせています。
作品右側に入っているオクラレルカが真っすぐな形状になるので、足元の左側に入る桔梗(=体先)は動きがあるものにしています。
あと2作も載せておきます。
最後に
合計5作を載せました。
すべて同じ花材の組み合わせですが、それぞれに違った形になっています。
人間同じ人はこの世に存在しないのと同じで、花や草木も同じものというのは存在しないです。
アレンジメントやフラワーデザインは、無理矢理に形を作ったり、植物が本来から自然に生まれながらにして持つ特徴を消して、人間本位に捉えた作品制作がよく見られます。
いけばなは、その起こりの”大巻”に載っているように草木自体が持つ特徴を捉え、それをいかすこと、引き出すことが大事だと考えられています。
また改めてお話するとして、ここでは割愛させていただきますが、西洋の持つ自然観と東洋が持つ自然観の違いがここには表れています。
グローバル化とともに欧化が進む世の中ですので、東洋の自然観を大切に守っていきたいですね。
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