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澄川誠・創業から変わらない1杯290円のらーめん、その信念と挑戦

先日、らーめんの価格高騰についての記事を書きました。

その後にすぐ、ある1つの記事を目にし余りにタイムリーだった為、
今回は続編的に記事を書いていきます。


博多らーめん はかたや

福岡市を中心に9店舗を展開する、博多らーめんのお店です。
昭和食品工業株式会社の創業者である澄川正夫氏が、
1976年に1号店を出店してから実に48年間、創業当時の価格1杯290円を貫き通しているお店です。

前回の記事で、らーめんの価格が時代と共に高騰している事をご紹介しました。
特に最近では原価の高騰が加速し、らーめんに限らずあらゆる商品の価格が上がっています。

それに反し、創業から価格を変えないというのは、完全に1杯当たりの利益が減っているという事になります。

それでも経営を続けていられる、これは本当に凄い事です。
なぜ価格を変えないのか。
現代表の澄川誠氏のインタビュー記事を読み、その想いを知りました。

らーめんの在り方

「他の地域では違うかもしれませんが、福岡の人間にとってラーメンは日常食。それが高い値段だと、たまにしか食べられない“特別”なものになってしまいますよね。そのため、安さを大事にしています。今の『週刊少年ジャンプ』がだいたい300円前後ですか。週に一度でも気軽に購入できる週刊誌と同じ感覚でラーメンを楽しんでもらいたいと願っています」

「現代ビジネス」より抜粋 2024.12.03

同じ記事に「おやつ以上、食事未満」という言葉がありました。
学生時代など、部活帰りに友人と1杯のらーめんを食べて帰る。
そこには単にらーめんを食べるという以上に、変え難い時間が生まれるのです。
そんな日常に溶け込んでいるのが博多らーめんなのだと思います。

確かに1杯に1000円近く払うのであれば、日常的に食べるのは難しいでしょう。
正に博多になくてはならない「はかラー」と言えます。

結果的にひとり勝ち

更に記事の中に目から鱗と言える言葉がありました。
それは原価高騰にも関わらず価格を変えない事への回答です。

「原価と売価に因果関係がない」

「現代ビジネス」より抜粋 2024.12.03

原価が上がったとしても、それはお客様には関係がないと言い切っていらっしゃるのです。
しかし実質、利幅が無くなっていく訳です。
そこに対する解釈に、私は視野が一気に広がりました。

他店が価格を上げている中で、価格を変えないという事は、
言い換えれば「値下げ」と同じという事だそうです。
消費税が上がっても原価が上がっても、販売価格を変えていないのであれば、確かに値下げとも捉えられます。

そこに他店との差別化のポイントがあったのです。
価格を上げていく店舗が並ぶ中、はかたやだけは1杯290円を貫く。
そうする事で、日常的に気軽に博多らーめんを食べたいという客層は
自然とはかたやを選ぶ様になります。
客数が上がれば、薄利といえど売上は上がっていきます。
結果的に圧倒的な支持層を持つ事になるのです。

同記事内にある澄川誠氏の言葉1つ1つは、どこまでもお客様の事を考え、スタッフとパートナーシップを持って様々な努力をされている事を感じます。

他にも経営体制の工夫、調味料の工夫、スタッフとの関わりと、
ここではご紹介しきれない程の挑戦と努力をされています。

終わりに

最後にの座右の銘をご紹介させて頂きます。

■座右の銘
理念のない経営は、羅針盤のない航海と同じである。

会社ホームページより

常に挑戦者であり続け、ビジョンを追いかけ続ける経営者の姿に、
私自身も学びと刺激を頂きました。

私自身も常に、理念を持ち続け邁進していきます。

ではでは☆

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