何から脂質を摂取したら良いのか
脂質の種類
飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸と3種類に分類されます。
飽和脂肪酸
室温で固形状態にある脂肪酸を指します。
普段摂取する機会の多い物として食肉や乳製品が挙げられます。
こちらの研究において心疾患発症率が飽和脂肪酸の摂取量に比例して高まる事が示されています。
飽和脂肪酸の摂取がLDLコレステロールの血中濃度を上昇させ、心疾患リスクを高めると言われています。
LDL受容体の量や活性を低下させ肝臓への取り込みを抑制する事で上記の様に影響すると考えられています。
ただし飽和脂肪酸をゼロにする事は好ましく無いです。
多過ぎても少な過ぎても良く無い。
と言う少し曖昧な結論に落ち着きます。
一価不飽和脂肪酸
オメガ9と呼ばれる脂質です。
オリーブオイルやナッツや菜種油、ココアバターやラードに豊富に含まれます。
食用にオリーブオイルを主に使用する地中海式食は心疾患による死亡率が低いと言われていました。
しかしながらこちらの研究によると飽和脂肪酸を一価不飽和脂肪酸に置き換えても
心疾患発症率やそれに伴う死亡率は変わらないとする、解析結果も報告されています。
オリーブオイルによる健康効果はオメガ9による物ではなく、
バージンオリーブオイルに含まれている他の成分(ポリフェノールなど)によるのもと言う意見も有ります。
こちらの研究によると
一価不飽和脂肪酸にはHDLコレステロール量を維持する作用があると報告されています。
こちらの研究もオリーブオイルが用いられておりますので、どの栄養素が働いたかは明確では有りません。
多価不飽和脂肪酸
いわゆるオメガ3.6です。
オメガ6
代表的な脂肪酸としてリノール酸が挙げられます。
トウモロコシやヒマワリ、大豆といった植物の種子由来の油に含まれています。
神経系機能や骨密度の維持、更には毛髪および皮膚の成長と維持に関与しています。
こちらの研究によると
リノール酸の摂取量が多いほど心疾患リスクが低下すると報告されています。
一方でリノール酸はアラキドン酸へと変換される側面を持ちます。
アラキドン酸はPMSの炎症物質であるプログラスタンジンの材料になります。
炎症反応を促進する機能も有しています。
オメガ3
α-リノレン酸やDHA・EPAが挙げられます。
細胞膜を良好な状態に保つ上で必要な脂肪酸であり、コレステロール低下や炎症反応を抑制する作用を有しています。
滅茶苦茶優秀です。
αリノレン酸の供給源としては亜麻仁油や大豆、カボチャの種が挙げられます。
EPAに関しては多脂魚や魚油、海藻や海苔などが挙げられます。
DHAに関してもEPAと同様です。
多くのαリノレン酸を摂取している女性では冠動脈疾患による死亡リスクが54%低くなる事が報告されています。
こちらの研究によると
精神疾患を有する人達において、抗うつ状態が緩和されたと示されています。
こちらの研究は
1822名の男性を対象とし30年間に渡り行われた調査になります。
魚を1日あたり34g摂取している人達では、冠動脈疾患による死亡率が38%低くなり
心臓麻痺による死亡率も67%低くなると報告されています。
当然摂取量には注意が必要です。
オメガ3を沢山摂取しようとするとカロリーもその分加算されますから。
まとめ
個人的におすすめな食材は魚やナッツ類になります。
好きな物を食べる事は精神衛生上とても大切ですが、頻度や量には注意が必要です。