世界を変えることと征服すること
昔のメモを見返していたら、かなり前に朝日新聞に載っていた河原成美さん(博多一風堂・創業者) のインタビューが目にとまった。
ラーメンを世界食にしたいという河原さんのことば:
これを読んだときに、この人はラーメンで世界を変えたいと思っているんだな、と思った。
これは、ラーメンで世界を征服したいと思っているのとは違う。
「ラーメン」を形で定義して、決まった味、決まった具材で構成された料理として固定し、それをそのまま世界に広める。世界の人に、決まり事としての「ラーメン」を受け容れさせる。それがラーメンによる世界征服。
世界征服は、自分を変えず、自分を広げ、世界に押しつける。
河原さんは、ラーメンを「形」「作法」として狭く固定的に捉えるのではなく、外国の文脈の中で外国の人との出会いの中でラーメンが変容することを受け容れている。ラーメンの外形的なかたちは「ラーメン」の本質ではないと考え、むしろ食事への一つのアプローチと捉えているのだろう。
おもしろい。
世界を征服するのではなく変えるには、異質なものとの出会いの中で自分が変容することに対してオープンでなくてはならない。逆説的に聞こえるが、相手の中での本質的な変化はお互いが変化し合う相互作用でこそ起こるんだろう。
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