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わかったことを共有するところまでが研究

今日のみっけもの #001

ウミガメの生態を研究する木下千尋は、定置網にかかったカメを漁師から譲り受けている。いつもお礼に一升瓶を持参するのだが、ある日こう言われた。それでイラスト入りの一冊の本にまとめ手渡すと、以後協力者も増えたという。判明したことを人びとに「還元する」ところまでが研究だと学んだと。

鷲田清一

専門研究に没頭していると、研究の意義を他の人に理解してもらえないことに慣れっこになってしまったり、普通の人には理解などできないだろうと驕った態度になってしまったりすることもあるかもしれない。

でも、およそ研究する価値があることで、他の人が全く興味も関心も持たないことなどあるだろうか。

研究することを仕事にしたり、仕事にまでできていなくても研究をする機会や時間が得られている人は、他の人たちが探究できずにきた世界の不思議や秘密を掘り起こすことができるという幸運に恵まれた人。新しい発見や理解の高揚感を他の人とも共有すること、それが恵まれた幸運への恩返しなんだろうと思う。

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