⛪️「神々の謡」横浜ユニオン教会で開催します⛪️
7月に入り、蒸し蒸し暑い日が続きますね。
10日後の7月13日に知里幸恵さんの生涯を謳う「神々の謡」を主催します。
公演の推薦文を立教大学総長 西原慶太先生よりいただきました。
『神々の謡』推薦の言葉
立教大学総長 西原廉太先生
この度、私が敬愛する<舞香>さんと<いわさききょうこ>さんによる一人芝居『神々の謡』が横浜の地で上演されますことを、心から嬉しく思います。知里幸恵が残した『アイヌ神謡集』の冒頭には「銀のしずく降る降るまわりに」で始まるふくろうの神のユーカラが置かれます。このユーカラの校正前の日本語訳は、「銀のしずく降る降るまわりに」ではありませんでした。「銀のしずく降る降るまわりに」は校正後のもので、最初のものは「あたりに降る降る銀の水、あたりに降る降る金の水」となっています。これもまた素敵な言葉です。幸恵の日記にも書いてあるのですが、彼女が一番大事にしたユーカラです。
金持ちの子が射放つ金の矢には当たらなかったふくろうの神さまが、ぼろぼろの着物をまとって、他の子からばかにされて足蹴にされる貧しき子を憐れに思います。貧しい子のために、金持ちの子の放った金の矢は上を通したり下を通したり当たらないのですが、いじめられて、蹴られたり足蹴にされたりしていた貧しい子の射放した腐った木の矢をふくろうの神は「手に取る」のです。それは、その矢に自ら体を当てていくということです。そして「大空から風を切って舞い降りました」というのは絶命しながら死んで落ちていくということです。その子のために自ら命を絶ちながら、地面に落ちていく。「銀のしずく降る降るまわりに」、「あたりに降る降る銀の水」と歌いながらふくろうの神は、その貧しい子のために死んでいく。そういう歌です。
私は最初にこの歌を読んだ時は、本当に衝撃を受けました。こんな美しく、しかしこれほど哀しいユーカラを、「なぜ」幸恵はアイヌ神謡集の第一に選んだのか。知里幸恵は今ではさまざまなメディアでも特集されています。しかし、「なぜ」が語られることはありません。幸恵の中には、アイヌとして虐げられた痛みがありました。彼女が、旭川、近文にあった聖公会の日曜学校のことを日記に書いています。和人の子たちにいじめられて泣いているアイヌの子どもたちをはげましながら、「イエス様は、あなたたちのような子どもたちのために横にいるのだ」と語っているのです。
私は、この「銀のしずく降る降るまわりに」のユーカラを、幸恵が第一のものとして選んだのは、そこには確実に、彼女の中にイエス・キリストの福音があったのだと思います。幸恵が日記にそう書いているわけではありませんし、神謡集にそう書いているわけでもありませんし、彼女が解説しているわけではありませんが、知里幸恵の日記を丹念に読むと、最初から最後まで聖書の言葉と祈りにあふれているのです。旭川の教会がどんなに温かかったかという話が書かれています。きっと幸恵は、イエスという人は一体誰と共に生きられたのかということを捉えていたのだと思います。幸恵の中に、イエスの物語が糧となって、二千年前の書物としてではなく、今を生きる糧となっていたのだと確信しています。そしてアイヌ民族の痛みもそこに重なって、イエスという方は虐げられて、貧しくされて、足蹴にされている人達のために、自ら死んでいった、そしてよみがえられた、という思いが結実して、このふくろうの神の物語を、彼女にして第一のユーカラとして選ばせしめた、と私は思っています。
その意味でも、この『神々の謡』横浜公演が、横浜ユニオン教会で演じられることは、知里幸恵にとっても大層幸せなことであることは間違いありません。ぜひとも多くの方々に観劇いただくことを期待しています。
昨年9月に初めて「神々の謡」を拝見しました。
横浜ではまだ上演したことがないと伺い、
来年夏に横浜公演を主催します。
日程を決めましょう!
と、トントン拍子で日取りが決まりました。
新年早々に会場予約が始まります。
横浜市の施設使用は6ヶ月前に抽選がありますが、
13日という連休初日は人気が高く、
次々に落選してしまい、なかなか会場が決まりませんでした。
教会で開催と思いますが、役員会の承認を得るのに時間がかかります。
そこで、思い出したのが、
以前に2回、コンサートをしたことがある
横浜ユニオン教会でした。
横浜ユニオン教会
早速電話をしてみると英語。
日本人のスタッフさんがいる時に折り返し電話することにしました。
礼拝堂をお借りできることができました。
横浜ユニオン教会がある場所には
かつて私の母校捜真女学校が産声を上げた聖書印刷所がありました。
(そのストーリーはまた今度!)
偶然と思われたことは偶然ではなかったのです。
西原先生の推薦文を読んで、
この地に導かれたのだと確信しました。
教会ですからお席に余裕があります。
note読みましたよ!と当日おっしゃってくだされば
予約はなしでも大丈夫です。
山手の横浜ユニオン教会へどうぞいらしてください。
お待ちしています。