💞とことんユーミン💞 DA・DI・DA

こんばんは。ぐっと涼しくなりましたね。
今夜は
1985年11月30日リリース　
17枚目のアルバム《DA・DI・DA》お送りします。

キャッチコピーは『私はダ・ディ・ダ』
タイトルのDA・DI・DAは口から出てきたフレーズで
別段、特に意味はないそうです。

30年前の1985年という年に戻ってみましょう。
8月に日航ジャンボ機が群馬県御巣鷹山に墜落。
520名の犠牲者を出す大惨事が起こりました。
この日のニュースで見た光景は忘れることができません。
長男が1歳のお誕生日を迎えたばかりの夏でした。

松田聖子と神田正輝が結婚したのもこの年です。

さて、久しぶりに酒井順子さんの
「ユーミンの罪」をテキストに
このアルバムを味わっていきたいと思います。

1985年、男女雇用均等法が制定されました。
酒井さんはこの時大学1年生、
均等法制定4年目に総合職として就職したそうです。
この頃からどんどん世の中は浮かれてきて、
景気が良くなっていきました。
ちなみに、酒井さんはこのアルバムを
「女の軍歌アルバム」と呼んでいます。

💔もう愛は始まらない

酒井さんは「ユーミンの罪」177ページに
こう書いています。

1曲目の「もう愛は始まらない」は別れの歌です。
が、しんみり別れるわけでもなく、悲しく別れるでもない。
「見つめないで」「騙されない」「さわらないで」といった強い口調で断定的に別れが宣言されており、別れた後の展開は決して期待できないであろう、カットアウト的な恋の終わりの歌なのです。
Dadida Dadida Dadida…いうこの歌のコーラスがアルバムのタイトルとなったわけですが、多用される濁音の強さが、このアルバム全体の印象を象徴するようです。

いかがでしょうか。

コンサートの終盤なで、このイントロが始まると、
みんな一斉に立ち上がり、

♫Dadida Dadida Dadida…

大合唱になるあの興奮！
たまらないです。
さわらないで！って叫びたくなる人って、
時たまいますよね。どうですか（笑）

❤️‍🩹2人のストリート

二曲め　2人のストリートは
道路の真ん中に車を放置したまま喧嘩する
仲の良いカップルを描いたナンバーとあります。

「ここですぐに降ろしてよ
いいからここで止めて
ドアがへこむほど蹴飛ばし
歩きだす渋滞の中」

売り言葉に買い言葉の応酬の果て、
いいからここで止めて！と言って降りてしまう彼女。
なんだよ！勝手に降りんなよ！と怒鳴って、
車から出てきて
ガードレールを飛び越えてくる彼。
師走の町中、渋滞の中、
なんとも迷惑なお騒がせカップルですよね。

実は私も若い頃、
喧嘩をして何度か車を降りてしまったことがあります。
コーナーのあるドライブコースで
コーナーラインのアウトインのとり方、
ギアチェンジのタイミングとか、
教習所の教官にも
言われたことないようなケチをつけられ、
もう我慢できないと車をとめて、
降りてしまいました。

ここはどこ？と思いながら、
とぼとぼ歩き始めると
後ろから車がスーと近づき
「乗れば」と言われ、無視して歩き出します。

すると、車はスーッと横を走り去ります。
ムカつくとか思ってとぼとぼ歩くと
コーナーの先に車が止まっています。
歩くのも疲れた頃、
仕方なく車の助手席に収まる…
ということが何度もありました。

このアルバムがリリースされた頃は
私はもう結婚していて
長男がおりました。

2人のストリートをきくたびに、
車を降りて歩いた山の中の
ワインディングロードを思い出します。

💕BABYLON

バビロンというのは　
紀元前18世紀〜6世紀のメソポタミア地方の古代都市で
バグダードの南方90キロの地点にユーフラテス川を
またいで広がっていますした。

聖書ではその名を「バベル」として登場します。
創世記には人間は己の力を過信し、
天まで届く塔を作りますが、
神の怒りに触れ、
これまで共通の言葉で話していた人びとは
お互い全く言葉が通じなくなり、
散り散りに別れていく羽目になりました。
これが「バベルの塔」です。
バベルは混乱するを意味するヘブライ語の動詞ビルベルから
「混乱」という意味で使われました。

ユーミンは大都会の朝焼けを
バビロンの空中庭園に例えて歌いました。
私には「バベルの塔」も思い描いていたように思えます。

この曲の思い出をいただきましたので、
ご紹介します。

私は大学の四年間を神戸で過ごしました。
高校時代、父が転勤で福岡にいましたので、私も福岡の高校を卒業して神戸の大学に入り、女子寮で四年間を過ごしました。

入寮日の日の事ははっきりおぼえています。
部屋は３人部屋で、その中で私ともう一人山田さんという山口から来た子が１年生。
心細い同士、同じ部屋ですぐ仲良くなりました。

もう一人の先輩は四年生のユウさんという人で、学生運動の社青同(シャセイドウ)の党首らしくて、部屋には全く帰ってきません。

山田さんと私は、少し気楽な反面、そのユウさんという人がどんな人なのか、急に帰ってきたらどうしよう、(その頃はまだ学生運動が盛んだったので)セクトに誘われたらどうしようね、怖いね、私たち馬鹿で極楽トンボのふりして、ユウさんがいるときはマンガ読んで笑ってた方が良いよね、と真剣に二人で対策を考えて怖がっていました。

結局、ユウさんは一ヶ月に１度、帰ってきては勉強してるか寝ていて、私たちを集会に誘ったりはしなかったのでほっとしたのですが。

入寮の日は、一年生が15人ほどで、食堂で先輩方が寮歌を歌って歓迎会を開いてくれて寮の説明や電話当番のやり方などを教えられました。

国立大学だったため自治寮でしたので、寮監さんなどはおらず寮費は月に500円、それと１日300円程度の食堂の夕食代(希望者のみ)で、門限は夜の12時で、それも当番の人が中から鍵をかけるという、本当にユルい寮です。

すぐに一年生の友達は山田さんの他にもできて、小豆島から来た瞳ちゃん、富山からのノリコさん、愛媛からのレイ子さんなど、お互いに初めて親元を離れて心細い中、何でも話せて相談できて笑い合える仲間ができました。

みんな、地方から出てきて、しかも高校時代、勉強ばかりしていた子たちなので、ほんとに素朴。
お化粧品も持ってなく、おしゃれもしていない、ジーパンとTシャツみたいな、ほんとに純粋な、いわゆる垢抜けない女子大生でした。

私もコンパに参加したりクラブ活動をしたりそれなりに楽しい大学生の日々が始まりましたが、奥手で、怖がりなので、夜に飲みに行ったりはしません。

寮は山の上にあるので駅からバスなのですがその最終バスが１０時台なので、遊びに行っても家庭教師に行っても必ず最終バスには間に合うように帰っていました。

駅からはタクシーもあるので、バスに間に合わなければ、タクシーの列に並び、同じ寮の子や隣の男子寮の子を探して相乗りして帰る寮生も多いのですが、私は一人でタクシーに乗るのが怖かったのでやはりいつもバスで帰っていました。
瞳ちゃんやノリコさんなども私と同じタイプでした。

同室の山田さんは、両親からの仕送りが少なかったのでアルバイトをしなくては、ということで、最初は家庭教師などしていたのですが、そのうち夕方からのスナックのバイトに変わりました。
山田さんは精神年齢が私より大人っぽくてクール、入学して三ヶ月後くらいにはお化粧をバッチリ決めて、髪の毛を少しも茶色くして、その頃、誰も髪の毛を染めてなかったので目立つようになりました。
二年生になろうとする頃からは同じ軽音楽部のバンドの子と付き合い初めて、時々、帰ってこない日があるようになり、今日は帰ってくるかしら、いったいどこに泊まっているのだろう、と、私はドキドキしながら複雑な思いで待っていたりしました。

かかとの高いヒールをはいて、今で言えばギャバ嬢みたいな感じが板についてきて、性格は変わらないのですが、行動は全く変わっていきました。
「徹夜でディスコしてたのよ」「おじさんからチップもらっちゃってさあ」
と、だんだんケバくなっていきながら、世界がだんだんちがっていきました。

山田さんから見れば、タクシーに一人で乗れない、夜遊びもしたことがない私はとても幼く見えたでしょう。

彼女は二年生の終わりごろにアルバイトで充分稼げるようになり、寮を出ていきました。

そのあと、部屋替えなどあり、また別の同級生二人と同室になりました。
その子たちも入寮した頃は、地方出身で素朴な感じでしたが、三年生くらいになってそうして同じ部屋になってみたら、二人とも夜のアルバイトをしていることに気がつきました。
毎晩、帰りが遅くて、12時が門限なので、それを過ぎると、その頃は携帯電話などなかったですから、私たちは三階の部屋でしたが、窓の下から「みどりちゃーん」と、呼び声がして、私が玄関に行ってドアを開けてあげるということもありました。
その子たちが、妊娠の心配をしていたり、中絶も受けた様子でした。
カレンダーにいろんなマークの記号をつけているのを、私はなんだかショックで、遠い目で見ていました。

でもどんどんきれいになっていく、大人になっていく彼女たちをみて、自分の幼さが恥ずかしくなるようなときもありました。

仲の良かった瞳ちゃんやノリコさんは最後まで私と同じタイプ。

今も仲良く旅行などしています。

私も含めて両親から仕送りを足りるだけもらえていたので、アルバイトもお小遣い稼ぎ程度で良かったのでクラブ活動に専念したりできたからだったのかもしれません。

レイ子さんは、きれいで色気があったので、夜のスナックのバイトにあけくれて、時々、ディスコにさそってくれたりしましたが、私はいつも最終バスまでに抜けて帰っていました(笑)
レイ子さんもバッチリメイクで私よりは５才は上に見えました。クラブのチイママのような雰囲気でしたが、乱れた生活ではなく、気のいい性格が好きでした。

でもそれぞれ１年生のときのあの田舎から出てきたばかりの小娘だった同級生が、日に日に見違えるように「女」になっていく様をリアルに体験しました。

この曲を聞くと、山田さんたちが見違えるようにきれいになって夜中の街をヒールをはいて、お酒に酔ってちょっとフラフラしながら歩いている光景が浮かんでくるのです。

それはともかく、このバビロンを聴くたびに、そんな想い出が浮かびます。

同じ時代を生きた女子学生として
大いに共感しました。
ありがとうございました。

💔SUGAR TOWNはさよならの町

SUGAR TOWNはさよならの町
これも失恋ソングですね。
私の想像は…

なんとなく気まずくなっていたのに
旅行にきてしまった2人。
別れの予感はあったけど、
起きて見たらまさかの大雪。

それでも2人は別れ、
それぞれのドアを開けて出てゆく。

未練たらたらの気持ちもあるけど
去っていく恋人を冷静に見送る彼女。
バスも鉄道も止まっている中
どうやって帰るか
と、もしかして、
足のない彼女の前に
ふいに現れた男性と
恋に落ちてしまうかも…
とかね。

💔メトロポリスの片隅で

さてまたまた別れの曲です。
酒井さんの文章（「ユーミンの罪」178ページ）を引用します。

これもまた別れの曲です。それも、「もう愛は始まらない」と同様、余韻が残らないカットアウト的な別れの曲。「もう愛は始まらない」の女性が怒りながら、カットアウトしているとしたら「メトロポリスの片隅で」の女性はカットアウトしながらせいせいしている感じか。

「さようなら あのひと
ふりきるように 駆けた階段
ひといきれのみ込む 通勤電車
涙ぐむまもなく」

という歌い出しからもわかるように、主人公は働く女性です。彼女は朝っぱらから別れを切り出して、ろくに相手の言い訳も聞かずに通勤電車に飛び乗っています。そうしないと、会社に遅れてしまうからです。彼女は仕事にも恋愛と同等の生き甲斐を感じており、別れ話を長引かせて遅刻などしたくないのでしょう。
続くのは

「ごらん そびえるビルの群れ
悲しくなんかないわ」

ということで、「彼女は電車で都心へと向かっていきます。恋人と別れることは本当は悲しいのです。しかし、彼女は、未練の言葉も吐かず、友情だの他の男性だのによりかかるわけでもなく、「そびえるビルの群れ」を見ることによって自分を奮い立たせることができる。つまり、仕事を恋愛に代わる拠り所とすることができる人。
サビは

ときどき胸を刺す夏のかけら
きらめく思い出が痛いけど
私は夢見る SINGLE GIRL

というもの。
これは男に未練を持たない、潔い「SINGLE GIRL」を礼讃する歌であり、そんなSINGLE GIRLへの応援歌。今までどれほど多くの女性が、男と別れた翌日にも会社に行って仕事をしなくてはいけないという時、この歌を聴くことによって自らを奮い立たせたことでしょうか。

なるほどですね。

❤️‍🩹月夜のロケット花火

月夜のロケット花火、
これは先日の夏の特集でも取り上げましたね。
林立夫さんのドラムス、
ベースの高水さんのリズミカルなビートの刻みかたで、
かなり派手目に聞こえますが、
実はとても切ない歌です。


学生時代の気ままな付き合いをしていた二人、
就職も決まり、もしかして彼は海外勤務になるとか、
地方勤務になるか…
離れ離れになるのを期に、
最後の夏を一緒に過ごすことになりました。

黙らないで、せつなくなるわ　
マッチ擦るたびに風が吹け消した
私達あきらめず夢を見たかった
来年はもう離ればなれね
ね、どこで会っても今までどおりばかを云ってね

2人はお互い嫌いになったわけではないけど
遠距離恋愛を選ぶことをせずに、
新しい生き方をしようと決心しました。

そこでこれまでの思い出と
この別れの瞬間を新しい思い出にするために
派手にロケット花火をあげているのです。
あなたはどう想像しますか？

なんとなく盛り上がりにかけたこの夏の最後に
ぱあっと上がる花火を見たくなりました。

次はシンデレラ・エクスプレスです。
ここでクイズです。
JR東海が1987年、1992年に展開していた東海道新幹線にテレビCMに使われました。
第一作は河井美佐、第二作は横山めぐみが出演しました。
さて問題です。
1989年に17歳の牧瀬里穂が主演した「クリスマス・エクスプレス」第1作で流れた曲のタイトルをお答えください。

山下達郎「クリスマス・イブ」正解！

💓シンデレラ・エクスプレス

JR東海のコマーシャルに採用された
「シンデレラ・エクスプレス」

再び酒井さんの「ユーミンの罪」
(175ページ)から引用させていただきます。

離れて暮らす恋人同士が週末に逢瀬を楽しみ、しかし、最終列車の時間が来ればまた、離ればなれにならなくてはいけない・・・・というせつなさを歌ったこの曲。

ため息ついてドアが閉まる
何も云わなくていい 力を下さい
距離に負けぬよう

といった歌詞を聴いていると、「〇〇に負けない」という、今時のヒットソングに多用される言い方はこの歌が嚆矢（こうし）であったように思えてきます。
あ、雨にも風にも、夏の暑さにも負けない、宮沢賢治という偉大な先人も、いましたが。
　この歌は「待つ女」を歌っています。おそらくこのカップルは、東京出身。大学の同級生か何かでしょう、就職後、彼が転勤となって遠距離恋愛状態になってしまい、彼女が住む東京に、彼は週末だけやってくるのです。
　彼女はやってくる彼のことを、東京で待っています。同時に、
「結婚しよう。一緒に暮らそう」というプロポーズも待っている。
　（中略）
「シンデレラ・エクスプレス」の主人公も、離ればなれでいるのは寂しいのだけれど、自分から彼がいる地まで会いに行ったり、「もう耐えられない。結婚しましょう」と言い出したりはしません。

シンデレラ 今 魔法が
消えるように列車出てくけど
ガラスの靴 片方 彼が持っているの

とガラスの靴を持ってきてくれること、すなわちプロポーズを待っているのです。ここで歌われているのは、典型的な昔ながらの“待つ女“。
しかし、「シンデレラ・エクスプレス」的な女性は、実はこのアルバムにおける隠れ蓑。
「DA・DI・DA」で強く打ち出されているのは、シンデレラのような待つ女とは正反対の女性像です。

ちなみにCMの概要は

東京発新大阪行き最終列車「ひかり289号」（当時）の出発時刻である21時ちょうどを、シンデレラが舞踏会に行くための魔法が解ける真夜中の12時に見立て、（新幹線の営業運行も12時に終了するようにダイヤが組まれている）、離ればなれに暮らす恋人達が週末に出会い、再び別れていく日曜日の夜の新幹線のプラットホームで繰り広げられる恋のドラマをモチーフとした

そうです。

💔青春のリグレット

これは1984年に麗美へ提供された曲です。

私の愛唱歌の一つです。
この曲の「別れの曲」です。

笑ってはなせるね
そのうちにって握手した
彼のシャツの色がまぎれた人混み
バスは煙り残し
小さく咳きこんだら
目の前が滲んだ黄昏

夏になる前に出会い、
あっと間に燃え上がった恋。
大恋愛だったのに
大喧嘩して訪れた破局。
今、二人はバスから降りて、
別れの時を迎えます。
失った代償は大きいけど、
笑ってはなせるね。と別れます。

このはなせるねってひらがなで書いてあります。
笑って話して、握手して別れたという解釈と、
そのうちにって握手したその手を
笑って離せるって意味があるのではと思いました。

別れた彼は人ごみの中に紛れて消えてゆき、
バスは走り出します。
排気ガスの匂いの煙に小さく咳き込んだら、
目の前が滲んだ黄昏。

状況が見えてきます。

ちなみに今になると、
バスは排ガス規制がかかっているので
クリーン。煙ないですね。

あなたが本気で見た夢を
はぐらかしたのが苦しいの
私を許さないで 憎んでも覚えてて
今では痛みだけが真心のシルエット

ちょっとストーリー…

車好きの彼は「自分の店をもつ」という夢がありました。
海外で買い付けてきたヴィンテージ車を取り扱う店でした。

国道沿いの道を指を絡ませて歩きながら、
夢を膨らませていたこの夏。
彼にとっては夢いっぱいの最高の夏でした。
彼女にとってはただの夢物語。
本気で店を開こうとしていた彼の思いとはかけ離れていました。

夏のバカンスを胸に秘め
普通に結婚してゆくの
私を許さないで 憎んでも覚えてて
今でもあなただけが 青春のリグレット

実は彼女には4年も交際している恋人がいました。
弁護士を目指す法学部の彼は、
4年生になってからというもの、
司法試験の勉強に取り組み、
ほとんど会えない日が続いていて、
彼女は寂しい思いをしていたときに、
ひょんなことで出会い、
心惹かれてあったのです。
カッコ良い車に乗って、
あちこち遊び歩く楽しい夏。

でも、涼しい風の吹く頃、
彼女は弁護士の卵を選びました。

私を許さないで 憎んでも覚えてて

彼にとっては気まぐれなお嬢さんに
振り回された結果となってしまいました。
でも、自分のことを忘れられることが嫌！
憎んでも覚えてて　これは本当にすごい言葉だなあと思います。
私を忘れて　忘れて　って言いながら、
ほんとは忘れて欲しくないという
本音をズバリ歌っています。

笑って話せるの
それはなんて哀しい
だってせいいっぱい愛した あなたを愛した

ここは笑っては話せるの　と漢字が使われています。
精一杯愛した彼との思い出、
40年後にどう変わるか・・・・とふと思いました。

💔たとえあなたが去って行っても

アルバム最後の曲「たとえあなたが去って行っても」
この解説は「ユーミンの罪」(181ページ)を引用します。

アルバム最後の曲「たとえあなたが去って行っても」は、
さらに激しい曲調の、女の軍歌となっています。
これもまた別れの曲なのであり、歌い出しは

「捨てられなかった最後の手紙
4月の空に窓を開いて吹雪にした」

というもの。

一瞬、普通の別れの歌に聞こえます。
が、次の瞬間、歌は急激に勇ましくなるのでした。
ちなみにカッコ内はコーラスなのですが、

(時を)みんな
(進む)Lonely Soldiers
(そして)私
(道を)曲げなかった
たとえあなたが去って行っても」

と続くのです。
つまりこの女性は男性から「俺に従うか、もしくは別れるか」という二者択一を提示され、結果として「自分を曲げてあなたに従うくらいなら、別れる」という道を選んだのです。そんな自分は、誰もがそうであるように「Lonely Soldiers」の一人なのだと自覚している、ソルジャーって…やっぱりこれは軍歌だった。
さらに続くのは

幸せかどうかわからないけど
自分から溢れるものを生きてみるわ今は

という歌詞。嗚呼、こんな歌詞にも、世の中で晩婚化が急速に進んでいった原因を見る私。国民皆結婚時代だった頃、女性にとって結婚は「するしかないからするもの」でした。生活のために結婚することが、当たり前の幸せだったのです。
　しかし、この歌の主人公である女性は、そんな当たり前の幸せを捨て去りました。それよりも、「自分から溢れるもの」に蓋をせずに生きるのだ、と。自分を曲げて男性に従うことによって得られる陳腐な幸せよりも、「幸せかどうかわからない」けれど、ありのままの自分を尊重する。そうそう、そうやって女性達は「自分に嘘をつかない」系の道に足を踏み入れて、次第に結婚から遠ざかっていったんだっけ……」

そして私は、このアルバムが出た当時、男と別れる度に、「メトロポリスの片隅で」を聴いて「仕事を頑張ろう」という気になっていた若い女性達こそが、いわゆる負け犬の源流なのではないかと思っています。
仕事をいう拠り所がなければ、独りでいることの寂しさに負けて、彼女達はあっさり結婚したのではないか。

酒井順子さんが「負け犬の遠吠え」を世に出したのは
バブルもはじけた2003年のことでした。

（ずっと)探す
(心の)Golden Treasure
(もっと)遠く

(ひとり)旅をする
そばにあなたがいないとしても

この歌詞はまさに「男よりも大切なもの」を
探しにいく女性の未来を描いているようです。
それは私の未来でもありました。
世間知らずの私は、
周囲の心配をよそに商家の後継者と結婚しました。
相手は、初恋の人に振られた痛手から逃げるために
交際した人でした。

古い価値観
「女は結婚するものだ」
「結婚は本人でなく家と家同士のもの」
「後つぎを産むことが嫁のつとめ」
を押し付けられ、あたふたしながらも
息子を2人産み育て、
社長になった夫を全面的に助けていきました。

そして、還暦を過ぎた時に、
ふと、考えてしまいました。

私の人生、このままでいいの？と。
そして新しい道を切り拓きました。

このあたり、
一世代前のおねーさま達より進化したと
自負してます。

さっさと結婚してみたけれど、
間違いに気づいたら、我慢せず、
熟年離婚のハードルを簡単に超えていく
友達の多いこと、多いこと（笑）




そう私は一人で遠く旅をして、
今、(心の)Golden Treasureを見つけました。

人生は続くのです。
たとえ失敗したように見えても、
巻き返しはきくと思います。

この歌、春　4月の歌なんですね…  
そうか　始まりの歌だったんだわ！

いかがでしたか？
今日はあさこちゃんはお休みで、
モデレーターの思い出話をお聴きしました。

ブレイクタイムは麗美の「青春のリゴレット」

♫シュンミンリクエストコーナー🎤

♪カンナ8号線
♪September Blue Moon
♪サファイアの9月の夕方
♪ふってあげる
♪Tropic of Capricorn 
♪水の影

リクエストありがとうございました😊

また来週❣️


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