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💙とことんユーミン💙COBALT HOUR


1975年6月20日東芝EMIからリリースされた荒井由実3枚目のアルバム。
プロデュースは村井邦彦氏と川添象郎氏。
1975年度オリコンヒットチャート年間31位でした。
1975年、ユーミン21歳でこの年の暮れに婚約しました。

ジャケットはユーミン像の背景にコバルト色の空、セスナ機、ピンクの大きなハートと王明る故・ペーター佐藤さんのイラストでした。
これまでの2作とはガラッと変わった感じでした。



私は明治学院大学1年生。はじめての電車通学をする女子校育ちの私は、7月7日に大失恋をして男子に対して頑なに心を閉ざしている頃、このアルバムに出会ったのです。
まずはA面5曲をお聞きください。

1COBALT HOUR

〜夜の都会を さあ飛び越えて 1960年へ〜
〜港へ続く高速道路 空を流れるミルキイウェイさ〜
〜あなたは昔 SHONAN-BOY
    わたしは昔 YOKOSUKA-GIRL
  なつかしすぎる海が見えたら
 二人の胸によみがえる恋〜


この頃、男子は車を持つことが必須でした。
歌詞に出てくる『白いベレG』はいすゞ自動車のベレットGTです。
港へ続く高速道路は首都高速1号線横羽線。
東神奈川で高速を降りてR16で横須賀に向かう・・・

この歌は恋愛が終わってしまった二人の歌なんですよね。
ちょっと昔の恋、おそらくまだ若い二人の、サラッとした恋だったでしょうが、
なにしろ失恋したばかりですから、彼といった由比ヶ浜を思い出しながら
〜わたしは今も YOKOHAMA-GIRL と歌っていましたw


2卒業写真

続いて「卒業写真」
3月に高校卒業したばかりで、この曲をきけた私はものすごくタイムリーだったと思います。男女合わせて大学進学率が38%。まだ女子は短大という時代でした。

「卒業写真」で歌われた「あの人」は誰かしらと思ったものでした。
立教女学院後輩の酒井順子さんが書いていた「伝説」によれば、
こわ〜い体育の女性教師らしいですが。

〜人ごみに流されて 変わっていくわたしを
 あなたはときどき遠くしかって〜

という歌詞は先生かなあとも思いつつ、仲の良かった親友の気もしました。


3 花紀行

〜見知らぬ町を ひとり歩いたら
 風は空から 花びら散らす〜

わたしは桜の花が苦手でした。
どこもかしこもピンクに染まる桜の時期になると
その下には屍体が埋まっていることを想像してしまうのでした。
あまりにも圧倒的な桜。
ところが、「花紀行」を初めて聞いたとき
〜髪に両手に はらはら停まる〜
散り際の美しさを愛おしく思いました。
桜のころ、いつも頭に中でかかっています。

4 何もきかないで


〜もっともっとはやく めぐりあえたなら
 悲しい秘密はなかったはずなのに〜

20才位の女の子はもっとはやく巡り合っていたらと行ったら
16才位かなああ、、、
悲しい秘密って何かなあ、、、、
この曲は地味な曲、言ってみれば梅の曲。
でもこの曲がないと旨味がなくなるのだと思います。

5 ルージュの伝言


明るくて、ノリの良いポップな割には、内容は結構深刻な詩です。

〜あのひとのママに会うために
 今、ひとり列車に乗ったの〜
〜明日の朝ママから電話で
 しかってもらうわ My Darling!〜

軽い浮気かもしれないけど、
年若い彼女はかっときて、
バスルームに鏡にルージュで何か書き残し、
列車に乗ってママ会いにいく・・・?

お風呂もない安い下宿で、
近くにある銭湯に小さな石鹸をカタカタ鳴らしながら
通った2人を歌った「神田川」

同じ時代に

お風呂場をバスルーム、
口紅をルージュ
お義母様をあのひとのママ
と歌った「ルージュの伝言」
もうびっくりでした。

ルージュの伝言はズバリ CHEATER!かな

6 航海日誌

〜遠く去った あの人の声がきこえる
あふれる想いに まだ胸は熱いけれど
きらめく海に捨てよう 後悔日誌〜

航海日誌を後悔日誌にした21才のユーミン!
まだそんなに後悔も深くない感じですね。
30代くらいだと後悔も多いかもしれないけど、
60代になると何を後悔したかも忘れますw


7 CHINESE SOUP

〜みんなこぼれて 鍋の底
煮込んでしまえば 形もなくなる
もうすぐ出来上り
あなたのために Chinese soup
今夜のスープは Chinese soup〜

豆を剥いてちゃんと作るチャイニーズスープ
これを中華スープとは呼びません。
豆は別れた男たちと歌うからには
男性経験もあるかもしれないのに
これもまだ若い女の子がギンガムチェックのエプロンをして
お料理している図が見えてきます。
曲がなんともユーモラスで明るいからかしら・・・

8 少しだけ片想い

〜いつだって I Love You More than You
You Love Me 少しだけ片想い
More Than You〜

もしかして片想いってほど良い恋愛関係かもしれません。
いやになったら、目の前から自分が消えれば良いだけ。
そういう言えば、彼はそうだったかもしれないと
ふと頭をよぎる人を思い浮かべてしましたした。

三木聖子ちゃんは「まちぶせ」も歌っていました。
かわいかったですね!


9 雨のステイション

〜六月は蒼く煙って
なにもかもにじませている

雨のステイション
会える気がして
いくつ人影見送っただろう〜

6月になると必ず歌う「雨のステイション」
雨を歌った曲はたくさんあるけれど、
雨の歌と言われた真っ先に浮かぶのはこの曲!

モデレーターの緑さんの歌声もぜひお聞きください。


10 アフリカへ行きたい

〜夢のアフリカへ 探しに行こう
人が忘れ去った野生に めぐり会いたい

※Iron Butterfly
Iron Butterfly
銀色のセスナに乗り※〜

酒井順子さんの「ユーミンの罪」から引用します

「COBALT HOUR」の最後の曲は
「アフリカへ行きたい」
その名の通り、未だ見ぬ地への憧れを描く曲です。
近過去への郷愁や、ちょっとした不幸。
そういったほろ苦さも楽しむことができる大人の味覚を既に持っていたユーミンではありましたが、その視線は若者らしく、さらに遠くの地へと向かっていることがわかります。
過去も不幸も、旺盛に咀嚼しながら、ユーミンの飛躍は、まだまだ続くのです。
ユーミンの罪p4142

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