📙世界は一冊の本📙
図書館で借りてきた4冊の最後の一冊は
長田弘さんの
「世界は一冊の本」です。
本を読もう。
もっと本を読もう。
もっともっと本を読もう。
書かれた文字だけが本でない
日の光り、星の瞬き、鳥の声、
川の音だって、本なのだ。
ブナの林の静けさも、
ハナミズキの白い花々も、
おおきな孤独なケヤキの木も、本だ。
本でないものはない。
世界というのは開かれた本で、
その本は見えない言葉で書かれている。
ウルムチ、メッシナ、トンブクトウ、
地図のうえの一点でしかない
遙かな国々の遙かな街々も、本だ。
そこに住む人びとの本が、街だ。
自由な雑踏が、本だ。
夜の窓の明かりの一つ一つが、本だ。
シカゴの先物市場の数字も、本だ。
ネフド砂漠の砂あらしも、本だ。
マヤの雨の神の閉じた二つの眼も、本だ。
人生という本を、人は胸に抱いている。
一個の人間は一冊の本なのだ。
記憶をなくした老人の表情も、本だ。
草原、雲、そして嵐。
黙って死んでゆくガゼルもヌーも、本だ。
権威をもたない尊厳が、すべてだ。
200億光年の中の小さな星。
どんなことでもない、生きるとは、
考えることができるということだ。
本を読もう。
もっと本を読もう。
もっともっと本を読もう。
長田弘(オサダヒロシ)さんは
1939年11月10日に福島県福島市で誕生し、
県立福島高等学校を経て
早稲田大学第一文学部独文専修卒業。
2015年5月3日、
胆管癌のため東京都杉並区の自宅で死去。
75歳でした。
亡くなる前日まで仕事を続けていたそうです。
「世界は一冊の本」(1994年)は
テレビドラマ金八先生の授業で朗読され、
よく知られるようになり
「国民読書年2010」のキャッチフレーズ
「じゃあ、読もう。」に
ヒントを与えました。
私は本を「ツンドク」ことができなくて
あれば読んでしまうタイプの人間です。
5年前に本の断捨離を決行してから
最近はめっきり本を買わなくなり、
読みたい本は図書館で借りてきます。
予約をした4冊がいっぺんに来たので
2週間で読み切らないと!と
気合いを入れて読みました。
「本を読む」ことは
私は旅にでるようなことです。
見知らぬ街のこと、
空気や色を想像するのが
大好きです。
ユーゴスラビアとロシア、
場と時空を超えた
10日の旅は今、終わりました。
今日は66歳6月6日、
私はまた新たな手習を始めましょう。
中川五郎さんが感銘を受け、曲にしました。
「サンジョルディの日」のライブで
中川五郎さんが冒頭で歌った
「ある街の図書館がありました」
歌:中川五郎
ピアノ:谷川賢作