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📘 ミシェル・ルグラン自伝 Between Yesterday and Tomorrow 📘
台風2号の接近で今日は雨ですね。
このところ、雨マークの日が続きます。
雨の日は読書をして過ごし、
晴れ間が出たら庭の草むしり。
晴耕雨読の夢が叶っています。
さて、図書館に予約していた本が
4冊届いたので
どれにしようかなと悩んで、
まず、谷川賢作さんおすすめの一冊
「ミシェル・ルグラン自伝」を読みました。
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ミッシェルはどんな人?
ミシェル・ルグラン…
わたしは映画「シェルブールの雨傘」が真っ先の浮かびます。
数々の映画音楽も手がけてきたミシェルは
1932年パリ生まれの作曲家で、
ジャズ・ピアニスト、映画監督、俳優という多彩な経歴を持っていました。
父親は指揮者で作曲家のレイモン・ルグラン。
この父親は口のうまい、女好きの風来坊。
ミシェルはほとんど父親と過ごせない少年時代を送りました。
アルメニア人の母はしっかりとした女性で、
ミッシェルの音楽の才能を
いち早く見抜いていたようです。
6歳にして、天才と言われた少年は
パリ国立音楽院で学びます。
本人自ら「音楽の母」と呼ぶ20世紀の偉大な音楽教師、
ナディア・ブーランジェのピアノ伴奏クラスで特訓されました。
1950年代から、ジャズ、映画音楽の分野で活躍します
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『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』を
はじめアカデミー歌曲賞を受賞した『華麗なる賭け』
(主題歌『風のささやき』)、
『おもいでの夏』、『愛と哀しみのボレロ』(フランシス・レイとの共作)、
『栄光のル・マン』『ネバーセイ・ネバーアゲイン』など
数々の映画音楽を創作し、
20世紀後半のフランス映画音楽界を代表する存在となったのです。
盟友ジャック・ドウミは言うまでもなく、
ジャン=リュック・ゴダールをはじめとするフランスの映画監督たち、
マイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンスといったジャズ界のスター、
ヘンリー・マンシーニほかの映画音楽作曲家たちとの
深い交流がイキイキと描かれています。
特に興味深かったのは、やはり「シェルブールの雨傘」制作秘話です。
この映画がどのようにして誕生したか、
どれほど困難を乗り越えて完成したかが生々しく語られていました。
この映画はわたしにとって人生初のフランス映画。
カトリーヌ・ドヌーブの美しさにすっかり魅了され、
真似をしてカチューシャリボンをつけてみたりしました。
傘が好きなのもこの映画の影響だと思うくらい好きでした。
シェルブールの雨傘
ロシュフォールの恋人たち
『華麗なる賭け』(主題歌『風のささやき』)
『おもいでの夏』
『愛と哀しみのボレロ』
『栄光のル・マン』
ネバーセイ・ネバーアゲイン
音楽を聴いているだけで涙・・
こんなにすぐ涙が出るなんて・・・
どんなに時が過ぎても
朽ちない名曲です。
「わたしの創作の原動力となるのは、アカデミーの燕尾服ではなく、好奇心にあふれた精神と即興性、そして音楽自体の豊さと多様性だ。そしてもっとも重要なのは、永遠に初心者のままでいられる能力である。人生のもっとも美しい瞬間のひとつは、なにかを発見する瞬間であり、なにかを学ぶ瞬間だ。熟練しすぎると、自然さが失われ、なにも怖れなくなる。
“偉大なプロフェッショナル“と呼ばれるような人には、ぜったいになりたくない。
これまでの長い道程のどんなときにも、私は音楽の持つ多様な喜びを開拓したいと願ってきた。たとえ混乱したり、間違えることがあっても、1952年にカネッティに見出されたときの若い学生の無垢な魂を持ちつづけていたい。ストラヴィンスキー、彼はつねにこう断言した。「芸術は、枕のうえに新しい場所を見つけることで成り立つ」問題の場所を見つけるのは難しいことではない。しかしそれはすぐに生温くなってしまうので、また別の場所を探さなくてはならない。それが生き残るための唯一無二の解決策なのだ。
枕のうえに新しい場所を見つける・・・
深い言葉だなあと思います。
今日はずっとミッシェル・ルグランの曲を聴いて過ごします。