💟とことんユーミン💟 LOVE WARS

こんばんは。
9月30日に「深海の街」ツアー初日に行ってきました。
感動いっぱいで、語りたいことは山ほどあるのですが、
せっかく楽しみにされている方もいらっしゃるので、
今夜はあえて触れません。話そうになったら止めてくださいね。

あらためて、今夜のアルバムは
1989年11月25日発売　
21枚目のアルバム. LOVE WARS
純愛三部作　3作目テーマは「恋の任侠」です。

LPとしてのリリースの最後のアルバムです。

発売にあたり、ユーミンは多数のインタビューに応じ、
駅と電車の車内へのポスターの掲示、
70あまりの雑誌に「まだのひと、いますか？」という広告を掲載、
460本のテレビCM・1010本のラジオCMを流すという、
当時のレコードの宣伝としては異例の規模の
プロモーションを行いました。
この頃から、今のコマーシャル体制が始まったのかなあと
ふと思いました。

酒井順子さんはこのアルバムを
「欲しいものは奪い取れ」というサブタイトルをつけていて、
モチーフが「戦争」であるといっています。

確かにアルバムジャケットは、
ソバージュのロングヘア、
銀ラメのミニワンピースを着たユーミンが、
銀色の非現実的な背景の中で銃のようなものを構えています。いかにもバブル絶頂というジャケットでした。

💕　Valentine's RADIO

最初にクイズです。

Valentine's RADIOのモチーフとなったラジオの番組があります。
さてそれは何ですか。

ユーミン自身の『オールナイトニッポン』をモチーフにして作られました。

1991年の映画「波の数だけ抱きしめて」で
フェイ・ウォンがカヴァーしました。

バレンタインに、
ラジオの電波に乗せてでも熱い思いを伝えたい
という気合の入った曲です

💔　WANDERERS

なんなく、ただならぬ空気が流れていて、
次に不穏なイントロの
WANDERERSに続いていきます。

この曲はユーミンのお気に入りの曲で
ツアーでもよく歌われています。

バイクでタワー近くの坂まで走るというフレーズが登場しますが、
なぜか1989年の三菱自動車新型ミラージュのCMに使われました。

WANDERERSとは「流浪の民」という意味ですが。
愛に流浪する二人の切ない思いが描かれています。

リフレインが流浪の民の哀しさを物語っているようです。

💖　LOVE WARS

WANDERERSとガラリと曲の調べ変わって
思い切り前向きな出だし。
暗い部屋で孤独に膝を抱えて泣いている女の子に対して、
さあ、元気を戦うのよとエールを送ります。

帝国に乗り込むんだ！と勇ましいですよね

かつては相思相愛だった彼に振られそうな彼女が
「彼を取り戻す戦いだ」と勇気を奮い立たせています。
なんとも健気。
今だったら、「戦争」に例えたりしないで、
「彼の愛をあきらめないで」と優しく歌うのでしょうが、
やはり、バブル！力強いですね。

このあと、1990年にKANの「愛は勝つ」
1991年にドリカムの「決戦は金曜日」というように
「戦い」というイメージで捉えているのが面白いです。

💖　心ほどいて

心ほどいては、
私のカラオケ18番です。

さてここで問題です。

心ほどいてで出てくるカテドラルはどこがイメージとなっているでしょうか。
教会の名前をお答えください。

はい、ユーミン自身が挙式した横浜山手教会がイメージとなっています。

1991年の映画「波の数だけ抱きしめて」の劇中歌となっています。

この歌詞は深いなあと思います。
幸せいっぱいで式を迎えるとき、多かれ少なかれ、
こんな感情を持つものなのかなあと思います。

短編小説を読むような歌ですね。
ちなみに映画の中で結婚式をあげる教会は山手教会（写真下）でなく
保土ヶ谷カソリック教会（写真上）です。

💕Up townは灯ともし頃

Up townは灯ともし頃、
さらっと聞き流していたのですが、
今回味わってみてこれは
なかなか深い歌なのだなあと改めて思いました。

今まで堅実に生きて着た良い年をした家出娘は誰に
「私を許して」「私を忘れて」と誰に言っているのでしょうか？

両親？夫？　どう思いますか？


私は横浜のUp townに住んでいますが、
down townの浅草にも住み、
街の持つ空気の違いを味わいました。
最寄りの駅から帰るとき、
丘の上にあるいえに灯りが灯っていると
安心できるました。

彼女はUp townにある家を捨てて、
彼の元に行くのですね。
幸せになってほしいです。

💓トランキライザー

 トランキライザー。
向精神薬の名前がタイトル。
最初はびっくりしました。
前曲の続きのように思うと興味深いです。
駆け落ちしてまで一緒になったのに、
なぜか情緒不安定になってしまった彼女。
ああ、ザンドマン助けて！と歌います。


ところで、ザントマン（Sandmann）とは、
ドイツなどヨーロッパ諸国の民間伝承に登場する睡魔。
英語読みでサンドマン（Sandman）、また砂男とも言います。
姿の見えない妖精で、一般には砂の入った大きな袋を
背負った老人の姿であるとされています。

ザントマンが背負っている袋の中には
眠気を誘う魔法の砂が詰まっているます。
彼は夜更けになると人々の目の中にこの砂を投げ込むのです。
すると、人々は目が開けられなくなり、
眠らずにはいられなくなってしまいます。
古くからドイツでは、夜更かしをする子供に
「ザントマンがやってくるぞ」と脅して寝かしつける習慣があったそうです。


私も子供たちを寝かしつけるときに瞼の上に手を乗せて、
あ、砂の妖精さんが魔法の砂をかけていると言ってました。

❤️ ホームワーク

さて

ホームワークは可愛い女学生の歌です。
大学には放課後はないから、中高生ですね。

恋の勉強をきちんとしたら、
その分だけ恋の実力がつくというもの
実力がつけば、
かわい子ぶってるあの子なんて目じゃない。
並んで帰る日が来るわとやる気満々。

もうすぐあなたを振り向かせるという

「まちぶせ」を思い出します。


バッチリ宿題こなして、早く大人になりたい！
早く大人になりたいと思った時代は
大人の世界が素敵だったから。
いつまでも子供でいたいと思うのは、
大人に魅力がなくなったからかなあとふと思います。

💔届かないセレナーデ

「届かないセレナーデ」はAOR色の強いバラードナンバーです。

さてここで問題です。この曲はCMソングに使われました。何のCMだったでしょうか。

1989年の「苗場プリンスホテル」のCMソングでした。

ズバリ、ユーミン=苗場プリンスホテルというイメージですよね。
歌詞はタイトルからも想像できるように、失恋ものです。

心切ない歌詞です。
ちなみにセレナーデは夜　
恋人の窓辺などで歌う愛の音楽。夜曲、夜想曲、小夜曲です。

そしてダルセーニョとはセーニョに戻る
いう意味。

あなたのところにはは
もう戻らないということでしょうね。

💔　Good-bye Goes by

Good-bye Goes by」は
1989年のTBS金曜ドラマ『雨よりも優しく』の
主題歌に起用されました。

ドラマタイアップのため、
タイトルは知らなくても何となく聴き覚えがある
いう方も多いかもしれないですね。
失恋した女性が新しい恋に出会う様子が描かれています。
過去のものだと思われる切ない描写が段々と
変わっていくのが分かりますね。

さあ前進あるのみですね。

💖ANNIVERSARY〜無限にCALLING YOU

「ANNIVERSARY」は
1989年10月から1990年までKDD企業イメージソングに起用されていました。
静謐なサウンドに、繊細なメロディー。
愛する人への偽らざる想いをストレートに語った歌詞です。
ですから、結婚式でよく使われるバラードナンバーです。
が、今回深く詩を味わってみると、
どうやら結婚式の歌ではないような気がしてきました。

死別した愛する人との記念日とも思えますが、
ちょっと別の角度から深読みします。

ライスシャワーのように降り注ぐ秋の日ざしの中で
とも白髪になった老夫婦が並んでいます。
あなたに恋をして、家出をして、浮気もされたけれど、
それを克服して穏やかに暮らしている二人。

「経る時」のイメージが湧いてきます。

認知症の進んだ夫は、
海の見える場所にあるケアハウスに入ることが決まります。


手をつないで夫を送っていく老妻。
妙に切ない発想。
この曲を聴いていた30代では決して出て来なかったでしょう。

最後に酒井順子さんの「ユーミンの罪」236ページから引用します。

ユーミンが“LOVE WARS “で示したのは「恋愛も、戦いだ」という概念です。
男性から思われ、乞われてつがいとなることだけが幸せではない。
相手がどう思うというよりも、力ずくで振り向かせることも時には必要なのだと。
「この時期のユーミンの曲というのは、
すなわち『逆演歌』なのだ」ということです。
演歌に出てくる女たちは、ほぼ100％が不幸です。男に捨てられるか、
道ならぬ恋をしているか、その両方か。そしてユーミンの曲に出てくる女性も、
実は不幸な人が多いのでした。
しかし演歌の女とユーミンの女とでは、不幸への対処の仕方が、全く異なるのです。
　演歌の女は基本、「泣いて、待つ」のです。
泣いたら涙は流しっぱなし、待ったら待ちっぱなし。

八代亜紀の
「雨、雨、ふれふれ、もっとふれ
　私のいいひと　つれて来い」
と、女は「情人の来訪」という願いを雨に託して待っているだけで、
会いたいからといって
自分で電話などしないのです。
対して、“ユーミン軍歌“の女は、待たずに自分から出陣していきます。
涙などおちおち流していたら、隕石にぶつかってしまいます。
「どこまでも戦うから　恋を戦うから」と、
涙はさっさと拭いて自分の幸せを自分の来訪を託して
じっとり待っている場合ではないのです。

80年代以降は、演歌にとって不遇の時代となったわけですが、演歌とは正反対の女性像を歌うユーミンのような人が大人気の時代において、「着てはもらえぬ　セーター」を、冬の北の宿で一人「寒さこらえて　編んでます」（都はるみ　「北の宿から」）的な女性はいかんせん、辛気臭い。ユーミンの歌では、男と別れた女が向かう先はアカプルコなのですから。

Valentine's RADIOに始まり、
ANNIVERSARY〜無限にCALLING YOUを最後に
置いたこのアルバムの流れは
お見事というほかはありません。

バブルに浮かれていたわたしたちに、
「本当の勝利はまだまだ遠い未来にある」と語りかけていたユーミン。
常に時代をよんでいたのだと思います。

あさこちゃんタイム

♫ Valentine's RADIO

当時バリバリの商社マンだったお父さんが持っていたというLOVE　WARS のカセットテープの思い出を語ったくれたあさこちゃんが歌ってくれました。

シュンミンリクエストタイム

ユーミン系YouTuberのシュンミンは深海の街コンサートで研修してさらに深みのある解釈でユーミンの歌を歌ってくれました。

♪翳りゆく部屋
♪ジャコビニ彗星の夜
♪散りてなお
♪青い船で
♪最後の嘘
♪ノートルダム
♪空と海の輝きの向けて
♪水の影



ご参加ありがとうございました💖

#松任谷由実 #ユーミン #LOVE  WARS 
#clubhouse   ＃とことんユーミン　　
#よしひろあさこ #シュンミン