働き方について
医師の働き方改革が、いよいよ本年度からスタートしました。そのおかげで、患者さんから、「先生も休まんとね」と言われて、ありがたく思います。100時間の残業なんて、可能なのは若いうちで、ほとんど寝泊まりして研修している若手の多い大学病院のことです。一般病院では、そこまでのことはありません。時間を考えて仕事をしていては、いい仕事はできないという90年代的な考えが、この業界では、最近までまかり通っていましたからね。
私も定年と言われる年になり、自分で働き方改革を行うことにしました。これまで病院の幹部としての役割を果たしながら、最前線での診療も行うということをやってきました。この数年は、コロナ禍もありかなり辛いと感じました。ここで人生の方向転換をする時期であると悟りました。
病院幹部は辞退することにしました。また、最前線の診療は、大学病院と提携して大学で行ってもらうことにしました。仕事を作り直すと、急激に気持ちが楽になってきました。これまで、やりたくても時間がなくて出来なかったことが、可能になってきました。同じ医療を行っていても、組織のために貢献する生き方から、個人を中心に考える生き方へシフトしました。
企業で働き、定年後をどのように送るかという類のHow to は、多くの人が議論するテーマとなりました。企業での組織人から、個人事業主になるという感覚です。
若い時は、いくつものことを同時に進める体力がありましたが、今はその体力はありません。しかし、きちんと睡眠を確保して、規則正しい生活をすれば、活動はいくらでも出来ます。これからは、自分のやりたいことを優先して、仕事は生きいけるだけにしておこうと思っています。とはいえ、医師としての仕事は趣味でもありますので、続けて行きたいと思います。
「もし生まれ変われたら・・」「第二の人生は・・」とか「人生が二度あれば」という歌もありましたが、これは考え方次第です。すでに、目の前に存在しているのです。そして、間違いなくもっと自由に生きれるはずです。