【ウィル不動産販売の人材戦略③】新卒採用のリスクと乗り越え方
株式会社ウィル(ウィル不動産販売)の平田敏樹です。新卒採用業務を9年間務めました。
ウィルにおける最重要経営課題である人材戦略について、コラム形式でお届けしています。
ウィル不動産販売は創業3年目、中途採用から新卒採用に切り替えました。
その際、
①社員からの新卒採用導入反対
②ヒトとカネの問題
③中堅・ベテランの離職
果ては、
会社として新卒採用を継続する体力が尽きかける という課題にぶつかりました。
新卒採用の導入にどのようなリスクがあり、
ウィル不動産販売は何をしてきたのかをお伝えします。
まず、社員からの新卒採用導入反対について
新卒採用を開始したのは、バブル崩壊の余韻が残る1995年、創業3年目で社員は10数名。
中途採用が不動産業界の常識でした。
弊社では、代表以外の全社員が新卒採用に反対していました。
主な理由は、
①新卒が集まる魅力が無い
②準備ができていない
③既存社員の負担が増えて離職者が出る
といったものでした。
実績など会社の魅力をつくってから始める。
育成など制度を整えてから始める。
社員の負担を増やさないように業務を調整する。
など、対策は考えられますが、
ウィルでは、新卒採用の開始に踏み切ってから必要なものを揃えました。
当時、求人媒体では国内最大手だったリクルートのトップ営業を担当に指名し、
創業者が新卒採用の指揮を執り続け、
経常利益の約50%を採用経費に投下し、
新卒採用に反対していた社員も含め全社員を採用業務に携わらせました。
学生には、
会社の現状は課題だらけでも、すべて赤裸々に伝えました。
その上で、
未来に対する想いに共感し、会社の制度や文化もイチから一緒につくっていく仲間を集めました。
結果、優秀な新卒人材を集めることができ、徐々に育成の制度や文化もできあがってきました。(30年が経ちますがまだ道半ばです。)
当初反対していた社員も、
①代表の新卒採用にかける本気度に触れて変わる
②採用実績が出ることで見方が変わってくる
③会社の変化に既存社員の意識も変わってくる
といった結果となりました。
新卒採用を始め、会社は理想の会社に向けて舵を切りました。
理想と現実のギャップに苦しむこともありましたが、
会社が目指すところに共感できる仲間だけが集まる(残る)ことになりました。
会社の変化に付いて行けず離職していく中堅・ベテランがいることで、目先の経営はギリギリの状態でした。
それでも、ウィルにとって新卒採用の開始は必要不可欠なことでした。
次回のコラムでは、『中堅・ベテランの離職と、経営の危機』についてお伝えする予定です。