名古屋遠征#1〜軸の交わる水の都〜
時は遡り、2023年3月31日 ー愛知県名古屋市ー
石川:時は遡りません。懐かしの名古屋遠征…その1日目ですね。さてさて、2回目の執筆となりました石川です。
長友:はじめまして、初執筆の長友です!
石川:さっそく写真を見返して、記憶をたぐり寄せていきましょう。
10:00AM 名古屋上陸
長友:もう7月ですからね。どんな始まりだったっけ…
石川:じゃあまず、遠征開始時の写真を持ってきてみますか?
石川:2つの写真、港で撮影されてますね。たしか、1つは仙台港で、もう一方が名古屋港なはず…。
長友:そうだった。東北大学がある仙台から名古屋までフェリーで移動するところから、僕たちの旅ははじまったんでした…!
クイズ!! どちらが名古屋港でしょうか?!
長友:えー、どっちだろう…AにくらべてBはやたらと曇ってますね。もしかして天気は関係ありますか!?
石川:撮影日が違いますからねぇ~、天気から読むのは無理があるのでは?
長友:なんとなく名古屋は晴れてるイメージだったんで、Aが名古屋かなとおもったんだけどなぁ。関係ないか…
長友:うーん…そういえば、Aの港にはないけどBの港は赤い大きな橋が目立ちますね。
石川:お、急に鋭い。
長友:よく考えると、仙台であれだけ大きな斜張橋は見たことがないな…ということはBが名古屋港ですか!?
石川:唐突の名推理ですね。お見事!正解です。あの赤い斜張橋は名古屋港のシンボル「名港トリトン」の一角、名港西大橋です。
石川:ちなみに呼称のとおり、名港トリトンは斜張橋三兄弟なわけですが、全員を画角に収めるには彼らの肩幅が広すぎます。というわけで残りの名港中央大橋と名港東大橋です。
長友:西から順番に、赤、白、青に塗り分けられてるんですね!オシャレ~。
石川:全乗客が沸いた斜張橋を見送り、一行は名古屋駅に向かいます。
12:00 名古屋駅着
長友:フェリーの発着場がある「金城ふ頭」から名古屋駅までは、あおなみ線で移動しました。
石川:正式には「西名古屋港線」。私たちがフェリーでたどり着いた金城ふ頭と名古屋駅を結びます。沿線にリニア・鉄道館、レゴランドなどの大型施設や「ささしまライブ」という再開発エリアもありますね。
石川:途中の駅の「稲永」(いなえい) が読めなかったなぁ。まさかの湯桶読み。
長友:名古屋の地名って、難読が多いよね。「千種」(ちくさ)とか、「杁ヶ池公園」(いりがいけこうえん)とか。
長友:夢中であおなみ線の写真を撮っていたら、お気に入りのバッグを網棚に忘れていってしまいました。
長友:山梨名物「桔梗信玄餅」の真っ赤なバッグで、かなり存在感もあるはずなんですが…やっぱり徳川ゆかりの地に武田家みたいなものを持っていったから、呪われたのかもしれません。宿敵だし。
石川:さて、信玄餅消息不明もつゆ知らず、フェリー組と現地集合組は「金時計」のもとで落ち合います。駅構内に大きく空間を拡げるエントランスで、金色の時計が頭上に突出しているわけです。まさにザ・ベスト待合場所。
石川:それにしても、名古屋駅、意外と歩きやすかったなぁ。やっぱり、鉄道網の結節点が市内各地に散らばってるから混みすぎないのかな?
1:00PM 四間道
長友:一行はホテルに荷物を預け、歴史的町並みが残る四間道を通り再び名古屋駅に向かうことになりましたが、、、 交差点マニアの手によって一団が分断されました
石川:あれ?四間道じゃない?
長友:元代表が交差点について熱く語り始めたので、四間道を見に行くグループと元代表と語り合うグループに分かれてしまったんですね。分断はとしけんあるあるです。
石川:自由人の集いですね。
長友:江戸時代の日本の大動脈 美濃路と中山道の交差点という、としけん的超重要スポットを元代表は見逃しません!!!四間道については、2日目の記事でガッツリお話ししようと思います。
石川:まさかの先送り…
石川:歴史をちりばめた路地を抜け、大通りに差し掛かりました。
石川:大通りが延びる先に、聳えるビル群…フィクショナルというか、随分と整った構図ですね。そしてその中心には名古屋駅が鎮座しています。
長友:たしかに他の都市に比べて名古屋の高層ビルは駅の近くに密集しているイメージがあるね。ちなみに名古屋ネイティブは名古屋駅を名駅(めいえき)と略すらしいです。
石川:いよいよ、お昼ごはんが近づいてまいりました… おなか空いたなぁ
1:30PM 山本屋本店名古屋駅前店
長友:みんなで名駅近くの地下のレストランで、名古屋名物 味噌煮込みうどんをいただきました!!!八丁味噌のしょっぱい味と固めの麺のコンビネーションに旅の疲れが癒やされました(まだ半日だけど)。
石川:八丁味噌、なかなかの個性でしたね。塩分を数倍に濃縮したようなその”濃さ”が衝撃でした。美味しかった…
長友:お通しできゅうりとかぶのお漬物もいただいたんですが、濃い味噌と対照的なさっぱりした味わいで、名脇役って感じでしたね…!
石川:いやはや、ご馳走様でした~!
3:00PM 熱田神宮
長友:名物を堪能した我々は地下鉄で熱田神宮へ向かいました。
石川:熱田神宮に到着!!
長友:初日のメインディッシュですね!!!三種の神器の一つの草薙剣が祀られている、格式高い神社です。としけん部員は境内にある宝物館、剣の宝庫草薙館などを自由に散策しました。
長友:草薙館では熱田神宮に納められている太刀や刀剣が数多く展示してありました。大太刀の重さを体験できる展示も!!!誰も持ち上げられなかったけど、、、
石川:二十五丁橋、なんてものも参道の横にありました…
石川:どうやら西行法師がここで、
「これ程涼しい此の宮をたれが熱田と名を付けた」
と残したようですね。かの歌人も訪れたほど話題沸騰でホットな神社なんでしょうねぇ、そう、熱田だけにね…。
長友:寒っ!!!これのままじゃ熱田じゃなくて寒田の記事になっちゃう!!!
石川:えっ? ……ま、まあ、本殿に向かいましょうか。
長友:格式高い神社なだけあって、やはり本殿も大きい!!!織田信長は桶狭間の戦いの前にこの熱田神宮を参詣したといいますが、当時の人々にとっても、近所のものとは異なる立派な神社だったのでしょうか。
石川:私たちも参拝して、思い思いの願いを残してきました。私の最後の五円玉は賽銭箱に回収されなかった気がしますが、切な祈りは届いたことでしょう(?)
長友:ゴルフならOBですけど、きっと熱田神宮の神様は寛容なはずです。
石川:さて、私たちは熱田神宮を後にし、次の目的地へと向かいます…が、ここでちょっと見てもらいたい写真があるんです。
長友:???なんだろう…
石川:問題の画像はこちらです…
石川:写っちゃってるんですよね~…
あるモノが…
長友:えっ????さきほどの交差点マニア(元代表)が写っているのは分かりますが。
石川:写っちゃってるんですよ、段丘がね…
長友:あっ!!!たしかに、手前と奥の石垣の高さを比べると、道路が奥に向かって高くなっているのが分かりますね。
石川:そうです!ここで段丘が見られたということは…
長友:ここは段丘崖ですね!!!!ここ熱田神社は熱田台地という海成台地の上にあるんでした。濃尾平野は木曽三川からの土砂が作った平野で、東に行くほど標高が高く堆積年代が古くなるのですが、この台地は現在の平野から登った最初の台地です。北へは名古屋城まで辿れるのですが、城の防御力に一役買っている頼れる台地なんですよ!我々は台地を見逃さない…
石川:おぉ、いきなり喋りますね!そう、
私たちは台地を見逃さない…!
石川:ちなみにその後、としけん的激アツポイント「国道の起点」を見つけました!
長友:アアッ!!!!しかも19号と22号という小さい番号の国道ですね。エモすぎる……
5:30PM 七里の渡し
長友:熱田神宮から国道1号をわたって、宮の渡し公園へ向かいました。
石川:これが日本の座標軸か…
長友:夕日の差す、宮の渡し公園に到着しました。
石川:七里の渡しは東海道で唯一の海路でした。ここから桑名まで、船で路をたどって行ったんですね。
長友:東海道は現在の愛知県から三重県、そして滋賀県へ、というルートを通していました。しかし伊勢湾を陸路で移動すると遠回りで、かつ木曽三川を越えるのはリスクが高かったために海路を使用していました。としけんの代表によると、大河に橋を架けることで攻められやすくなるという、防衛上の理由もあったとか。
石川:奥が深い…
石川:もう日暮れも近いし、先に進みましょう。
石川:宮の渡しへ直結する水路、堀川に沿って歩いていきました。
長友:船が航行しているの、風情があるね~
石川:水上交通が生きている町って、魅力的ですね。
そして、水の都の探訪はまだまだ続きます…
6:00PM 白鳥公園
長友:さらに堀川をのぼって、白鳥公園にやってきました。
石川:名古屋学院大が横にありますね。水辺が整備された施設があると、雰囲気良いなぁ…
石川:この貯水池はもともと水中貯木場でした。
長友:貯木場?木材を保管してたんですか???
石川:堀川の開削と同時に造られたこの空間に、木曽川で運ばれてきた材木が集められたそうです。周辺では多くの木材事業者が軒を連ねたとか。
長友:なるほど、川で材木を運ぶための施設だったんですね!
石川:写真にあるのは「太夫堀」といって、ここの水門では、潮の干満による潮位差を利用して木材を運び出していたそうです。
長友:なるほど…干満を産業に利用しているのは激アツですね!!!
石川:尾張の木材産業を担ったこの場所で、日没を迎えます…。これにて1日目、メインの旅程は達成ですかね。
余韻
長友:日本を支える現代の名古屋港にはじまり、かつての名古屋を支えた宮の渡しを経由して、名古屋を支えた河川の物流の痕跡を垣間見て終わる…水の都市という名古屋の側面を味わった一日でした。
石川:日中のまち歩きを終えた私たちは、夜の名古屋を各々散策しました。「世界の山ちゃん」にて手羽先を頬張り、ライトアップされた建築の数々を眺め……
ある人は名古屋走りに遭遇し、ある人は火照った顔を冷し、
そしてホテルへ帰巣し、羽を休め、
静かに次の朝を迎えるのでした…
2日目へつづく。