vol.4 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】
釧路へ
どうする?!3人旅
「いっぱいお金も掛かるし、大丈夫かなぁ。でもどうせ行くなら、いい旅にしたい!」
今までずっとお母さんに支えてもらって、たくさんのことをしてもらったし、これぐらいの贅沢は、お天道さまも許してくれるはず。
「どうせなら5泊ぐらい行かん?!」と弟。
行こう!行こう!もう行っちゃおう!
次の日、職場の上司に事情を話して、6日休みのお願いをしました。「行っておいで!ゆっくりしておいでよ」と即答。
今まで肩肘張って働いてたんですね、なんだか肩の力がスッと抜けていきました。
釧路にいる大学生の長女に連絡して、ホテルも予約し、気分はもう北海道の釧路です♪長女は大学3年になっていましたが、実は私は一度も釧路に行ったことがなかったんです。こんな状況になって、長女が一人で行った釧路に初めて行くことに。そして母と弟と私の3人で行くことになったんです!
見た目ではわかりにくいけど、疲れやすい
この頃、持って歩いていた杖は、通常の生活ではなくても歩けていました。今まで元気過ぎるぐらいの母だったので、今までとは違い、体力の低下が目に見えるようになってきていました。
なにが違うの?
飛行機は岡山→東京→釧路の乗り換えです。空港は広いし、待ち時間は長い
椅子で横にならないと、しんどいといった状態でした。疲れやすい体になっていたんです。
そうです。側から見ると・・・
「あの人、椅子をいっぱい使って、なに横になってるの?!」
という非難を浴びそうな状況です。これが、この時期に困ったことです。
空いてるいる所を探して使わせてもらいましたが、皆さん優しく非難も浴びず、そんな視線を向ける人もいませんでした。優しさが身に染みる。有り難かったです。
見た目だけではわかりづらい疲れや動きにくさは、周りの人には伝わりにくく、発信しないと理解が得られない
例えば車いすマークの駐車場に車が止まり、中から普通に歩く人が出て来てスーパーとかに入って行くと、どう思いますか?
私は、「あっズルっ!そこに元気なあなたは止めちゃいかんのだよー!」って、心の中で言ってました。でもね、母のような難病や心臓の疾患のある人、他にも病気によって体力が低下していて長距離は歩けない人、パニック障害のようにいつ発作が起きるかわからない人、
見た目じゃわからない障害で困っている人もいるんです。その方たちのことが私はぜんぜん理解できていなかったんだなと思いました。
車に貼る障害者マーク、ステッカーは、利用対象に該当しないと交付されません。該当ラインに達していない、つらい時期は理解が得られにくいのです。母ものちに、体が動けなくなって障害者マークが交付されましたが、車いすにも乗れなくなっていたので、一度も使用することはなかったのです。
ヘルプマークを知っていますか?
この時、初めてヘルプマークの本当の重要性を知りました。高齢者介護をしてきた私は、若年性認知症の方がヘルプマークを活用されている例は聞いていました。わかったつもりでいました。つもりでした・・・胸の奥では、ぜんぜん理解できていなかったんです。
ヘルプマーク
援助や配慮を必要としていることが外見では分かりにくい人たちがいます。周りに配慮や助けが必要としていることをヘルプマークで知らせるのです。そのことで援助を得やすくなり、援助の声がかけやすくなります。
このヘルプマークの普及啓発を、私も微力ながらもやっていきたいと思います。
そんなこんなで
さあ!お母さんが行きたかった釧路へ
長時間の飛行機の旅を終えて、やっと着いた釧路空港!レンタカーを借りてまずはホテルへ。一息ついて、さぁー美味しいもん食べるよ〜。
#ALS #難病介護
さぁ、釧路への旅をご紹介 vol.5