vol.13 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】
⬛︎最終章 エピローグ
2021年
母が他界して3年が経ちました。
あれからもう3年も経ったんだなぁという思いです。
お母さんへ
お母さんがいなくなって庭の手入れをするようになり、時期がくれば、庭に柚子やレモンの実がなり、椿や桜、スイセン、ツツジ、紫陽花たちが次々に咲くことを知りました。
お父さんとお母さんが建てた家がこんなにも私たちを癒し慰めてくれることを知りました。
一度くらい、年末掃除を張り切ってする姿を見せたらよかった。一度くらい素敵な家や庭をありがとうって伝えたらよかった。
勉強で褒められることはなかったけど、仕事にのめり込んでいる私に、「よく頑張るなぁ。体を壊さんのよ」と、何度も言ってくれてありがとう。
日々、介護される側が思うこと、感じること、つらいことなどを教えてくれて、ありがとう。ぜんぶノートに書きとめました。
お母さん、私の介護はどうでしたか?
少しは褒めてくれるかな。
お母さんがいなくなって1年後、お母さんと同じ病気の方、障害がある方々の支援も始めたよ。
障害や難病がある方が少しでも過ごしやすく、ご家族が少しでもゆっくり眠れて笑顔で会話ができるように、お手伝いできたらいいなと思っています。
「体に気をつけなさいよ」でしょ。
わかってるよ。ちゃんと休んで、ちゃんと食べてるから。
またいつか会えたときに褒めてもらえるよう、まだまだ頑張ります。
たくさんの人のサポートができるように力を貸してください。
厳しく几帳面なお母さんに反抗もしたけど、3人きょうだい、それぞれお母さんに愛され、いつも助けてもらったこと、今も確かに体の真ん中にあります。
また逢える日まで、お父さんと仲良く待っていてください。
出来の悪い娘、としこより
最後に
もっといっぱい笑ってあげたらよかった。呼ばれたときにすぐに起き上がって「どしたぁ?お母さん」って聞いてあげたらよかった。どうして2年くらい、変わらない笑顔でいてあげられなかったんだろう。出来の悪い私はやっぱり最後までお母さんをがっかりさせてしまったんじゃないかと、3年もの間、振り返ることができずにいました。
そんな私のnoteを読んでくださる方がいて、なんだか応援されているようで、最後まで書き終えることができました。ありがとうございました。
そして、母をチームで支えてくださった介護、医療、リハビリなどの方々、本当にありがとうごさいました。
遠く離れたアメリカで日々心配しながら暮らした姉と、いつも中心で家族をまとめてくれた弟に心から感謝します。
2021年6月5日